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暗殺すれば大概勝てる(例外有り)

 前話で武器種に杖を書いてなかった(ガバ)

 実を言うとこのゲームをプレイするのに必ずしも冒険者ギルド(以下ギルド)に所属する必要は無い。ギルドに所属しなくたってモンスターは狩れるし物を作ったりすることはできる。しかしギルドに所属した方が報酬が良いクエストを受けれるし、自宅を持たないプレイヤーがログアウトするために宿屋に宿泊する際に少し値引きしてもらえたり等街中の一部施設の割引等がありデメリットよりもメリットが圧倒的に上回る(公式サイト情報より)


 つまりファリア王国の王城を北とした場合東側にあるこのギルド内がプレイヤーで溢れているのは仕方無い事だし俺達が人目を引くのも仕方無い事だろう。幸いにも受付嬢さんの前は空いてたので後続が来ないうちに登録しよう


「すいません、冒険者登録したいんですけど」


「冒険者登録ですね。お二人ですか?」


「はい、二人分お願いします」


 答え終わるとすぐさま銅色のプレートを渡された。審査とかそんな感じの一切無いのな。まあ短くていっかと受付嬢さんから受け取った一つをカリアに渡す。その後ギルドのシステムについて講義を受けたが要約するとギルドカードは銅銀金のランクがあってランクが高いほど難度の高く報酬も良いクエストが受けられるらしい。ちなみにギルドカードは手にした瞬間に自身の名前と魔力が刻まれるので他人のギルドカードを使ってクエストを受けたりとかはできないらしい


「んじゃ早速銅級クエのゴブリン討伐でも受けるか」


「前衛なら任せて!お姉ちゃん!」


 クエストボードから剥がしてきた紙を受付嬢さんに渡して無事受注出来たのでかなり意気込んでいる妹をお供にファリア王国の周囲に広がるタラクス草原に出陣した


「いやー、スゴいなクリオン。あの庭園でも感じたが限り無くリアルだなあ」


「でしょでしょ?このゲームの物理演算とグラフィックは他のVRゲームとは一線を画してるしNPC達は高性能AIを搭載してて人間と遜色無いレベルの会話が出来るんだよ、スゴいよね!それにクリオンは戦闘や建築とかの自由度も高くて地形を使って罠に嵌めたりとか国とか作れるみたいだよ!まだまだ先になるだろうけど何時かはプレイヤーが作った街とか国とか出来るんじゃないかな。現に建国スレは盛り上がってるし」


 リアの言う通り『建国スレ』と書かれたゲーム内スレを覗いてみるとかなりの数の生産職プレイヤーと一部の戦闘職プレイヤーが建国に向けて動いてるみたいだ。すごい熱量だなあ


 そんな風にクリオンの事を語りながら歩いていたらお目当てのゴブリンを見つけた。RPGゲームとかでよく見る緑色の小鬼みたいな姿だな。都合の良いことに一匹で行動してやがる


「リア、最初は俺一人でやっていいか?」


「分かった。頑張ってねお姉ちゃん」


 よっしリアから許可貰ったし早速【駆け出しの片手剣】を抜刀して慎重にゴブリンの背後に近付く。幸いにもこの辺りは草が少なくあまり音を立てずに済む。十分に近付き──


「グギャッ!?」


 背後から心臓を一刺し。クリティカルポイントを貫かれたゴブリンは哀れポリゴン片となり爆散して俺の経験値になった


『Lvが上がりました』


『【片手剣術】を取得しました』


 お、LvUPにスキル取得か。まずポイントだが今回得たのは3ポイントだから振るのはDEX2ポイントAGI1ポイントで良いか。Lvが5の倍数になった時は5ポイント貰えるんだっけ、やる気上がるねえ。んで次はスキルの確認だな。中央区でやったようにステータスオープンと念じるか口にすればステータス画面が開くので開き、右側にあるスキルと書かれたボタンをタップしてスキル画面へ


【片手剣術Lv1

 ▷スキルLvに応じて片手剣の与ダメージアップ。Lvに応じてスキル取得】

【スラッシュ

 ▷前方に斬属性の一閃を放つ。CT3秒。消費MP5】


 確かスキルはスキル名を口に出すか念じるかすれば発動できるんだっけな、自動で発動するタイプもあるみたいだが。後で試すか


「やっぱりゴブリン程度じゃお姉ちゃんの敵にはならないね」


「まあ俺だってそこそこアクション系やPvPメインのVRゲームやってるしこれぐらいはな?」


 クエストクリアに必要な数は後四体。その四体を探すべくタラクス草原の探索を再開した


 バーサークバードやスライムやクレイジボア等を倒し順調にLvUPしながら場所をクウェイック大森林に移し若木トレントやベビーウルフ等を難なく切り捨てスキルを獲得しながら数分程歩いているとゴブリンの大群が輪になって謎の踊りを踊っているのを見つけた


 あれ以降ゴブリンを見かけなかったのはここに集まってたからか。それになんか奥に強そうな奴が居るな?この群れのボスかね。ボロいが手足に鎧の残骸らしきものを装備してるし持ってる剣も他のゴブリン達のそれより上等だ


「あれは……ジェネラルゴブリン?ガリオス渓谷で出てくるはずなのになんで?」


「βから出現場所が変わっただけじゃね?そんなことよりあいつの情報教えてくれ」


「う、うん。ジェネラルゴブリンは適正Lv25の中ボスで攻撃パターンはゴブリンと然程変わらないけど周りのゴブリン達を連携させてくるから厄介なの。Lv9の私達じゃ尚更」


 ふーむ。暗殺しようにもジェネラルの周りにもゴブリン達が居るから初擊を与えた後が難しいな


「ねえお姉ちゃん、私がゴブリン達の注意を引くからその間にジェネラルを暗殺できる?」


「Lv差と武器スペックを考えるとワンキルは難しいだろうが致命傷に出来れば後はすぐ倒せる筈だ。だけどリア、引き付けるつったってあの数だぜ?大丈夫か?」


「ふふっ、任せてよ。私はお姉ちゃんの妹だよ?」


「──ああ、全く、本当に頼りになる妹だよ。んじゃ俺がジェネラルの後ろに回ってフレンドコールで合図したら作戦開始、良いな?」


 親指を立てたリアから離れて【気配隠蔽Lv2】を発動しながらジェネラルの後ろを陣取る。そういやさっきLv9にUPした分のポイント振ってなかったな。STRに1ポイントAGIに2ポイント振ってっと。ついでにステータスの確認するか


【バロイル 鍛冶師

 Lv9

 HP 130/130

 MP 130/130

 ATK 14

 DEF 10


 STR 3(+1)

 INT 0

 AGI 15

 VIT 0

 DEX 26】


【鍛冶Lv1片手剣術Lv2暗殺術Lv1気配隠蔽Lv2投擲Lv1】


 今更ながらなんで鍛冶師なのにバリバリ前衛やってんだ俺。ジェネラル倒したら鍛冶師らしく鍛冶でもしてえなあ


 よし!作戦決行するか。フレンドリストからいつの間にか追加されてたソーガとソロモの名前は無視してリアにフレンドコール


『こっちは準備できたぜ』


『分かった。じゃあ思いっきり暴れてくるね!』


 フレンドコールが切られたほんの数秒後にリアが隠れてた草むらから飛び出し近くに居たゴブリンを三匹倒した


「かかってきなさいゴブリン達!!」


 リアの持つ丸盾が赤い光を帯びてゴブリン達が殺到する。あれは盾術Lv1で取得するスキル【挑発】だな。ジェネラルの傍に控えるゴブリン達も同じようにリアに向かうがジェネラルは動かず何か言っているみたいだった。多分指揮しようとしてるんだろうなあ。その証拠にゴブリン達が連携をし始めやがった


 そんなジェネラル君にひっそりと近付く影が一つ。俺だ。草原で遭遇したゴブリンと寸分違わぬ結末を迎えやがれ!


「ゲギャァッ!?」


 クリティカルヒット!【暗殺術】が乗った不意討ちは予想通りジェネラルのHPを削りきるには少し足りなかった


「ガァッッ!!」


「おっと危ない」


 直ぐに剣を引き抜きジェネラルの振り向き様の横切りを上体を反らして回避と同時に事前に拾っておいた丸い石を目にプレゼントだ喰らえシュート!


「ギィィァァァ!??」


 【投擲】スキルが乗った丸い石はジェネラルの右目に直撃し汚い絶叫と共にダメージエフェクトを散らす


 うわー、痛そう。だが容赦する必要は無く片目を失って雑になった剣の軌道からヒラリヒラリと避けてはお返しに傷を付ける。それを四度繰り返した所でジェネラルは短い鳴き声を上げてパリンと音を立てて砕け散る

 初手不意討ちが決まったのと出血の状態異常(バッドステータス)を与えられたのが大きいな


 さてリアはどうなってるかと見てみると指揮官を失って尚立ち向かってくるゴブリン達の相手をしていた。そこに俺が加わり一匹また一匹と砕けてやがてゴブリンの大群は消え去った


「お疲れ様カリア。ナイスファイト」


「お姉ちゃんもナイスファイト!」


 さてさーて戦利品確認ターイム!【ジェネラルソード ▷ATK30・STR10】と【ジェネラルゴブリンの魔石(ランクC)×1】に【ジェネラルゴブリンの爪×3】、【ゴブリンの魔石(ランクE)】【ゴブリンの爪】【ゴブリンの肉】が沢山、【錆びた鉄片】も沢山。Lvが2上がった


「はー、すっごい冒険したって感じがするなあ」


「そうだね。ねえお姉ちゃん、クリア報告とか魔石と素材の換金とかしたいし街に戻らない?」


「そうするか。俺も鍛冶したいし武器の耐久値も不安だしな」


 まだ見ぬ自作武具に想いを馳せながら街に向けて歩き始める。──買い物をし忘れたのに気付くまで後七分

 クリオンにおけるスキルとは。一部を除き特定の行動をすれば取得できるものであり、やろうと思えば大体のスキルを取得できるが武器系スキルと生産系スキルは少し特殊で同じカテゴリのスキル(例えば片手剣スキルと大剣スキル等)を複数取得するとその分熟練度と与ダメージにマイナス補正が掛かる

 つまりは扱う同カテゴリスキルは一つ二つがオススメということ

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