天命消失 その1
【誤ヒール】回復スキルやポーション等を間違って敵に使うこと。高Lvダンジョンやフィールドのボスは自ら回復スキルやポーションに突っ込む場合があるので使う場合は気を付けよう!
【フェルリア】プライマルローズのサブリーダーにして変態兼メインタンク。その大盾は仲間の命を幾度も救い勝利に貢献してきた
本当は対ヘヴンディカロス序盤戦も書こうかと思いましたがこう言う強そうな敵は話の最後に出てきて次の話数から戦闘開始の展開が好きなので今話は短いです
「お姉ちゃん!起きてお姉ちゃん!」
んー……今は眠ってたいんだそっとしといてくれ、と言いたいが我が最愛の妹からの頼みなら起きるしかないかあ
「おはよう、リアふぁ~。んあ、なんか頭おもてえな」
「そりゃそうだよ、クリエイトギア被ったままだもん。それよりも今はまだ夜だよお姉ちゃん」
夜?朝じゃないのか?とりあえずギアは外し──
瞬間思い出される記憶。あの狂喜に染まり淀んだ瞳、広げられたバニースーツ。必死に屋根を走って気絶するように眠りについた最後
忘れろ!忘れろ!!精神衛生上良くないので忘れろ!!よし忘れた!
「大丈夫お姉ちゃん?顔色悪いよ?」
「大丈夫大丈夫、ちょっと記憶を消してただけだ」
「それ大丈夫じゃないんじゃ……?」
何故かクリオンにログインする気が沸かないのでその日は晩御飯を食べ、天も次元も突破して己の道を掴むアニメを見て塩煎餅を食ってから寝た
「さて、家に戻らねえとなあ」
翌日。クリオンにログインして周りを見ると屋根の上に居た。屋根の上で寝落ちしたのか
「その前に現在地確認っと。北区か、随分遠いとこまで逃げたもんだな」
マップを頼りに屋根の上を走って無事帰宅。錬金術のスキルLvがもう少しでLv5になりそうだが、正直後回しにしたい、しよう
となると何をするかだが。う~ん、武具の新調でもするか?今回のレイドボスはヘヴン・ディカロスと言うドラゴンみたいだし竜特攻の武器でも作れたら良いんだがなあ
結局、竜特攻の武器なんて現段階で作れるはずもなく。レイド戦当日になった
「よし、味付けも問題無いな」
俺の背丈より少し高いお手製クソデカ寸胴鍋一杯に入れられたシチューの味は完璧だ。錬金術Lv5に到達し取得した【錬金設計図】によって作った一時間の間ATK・AGIを60上げて二分経過毎に最大HPの2%の固定ダメージを受ける効果を持つポーションによるバフ効果もきちんと付与されている
お次のメニューはお茶。二つ目のクソデカ寸胴鍋を満たす大量のお茶にポーションをぶっ混んだだけのお茶だ。効果は単純で一時間AGIを0にする代わりに減少したAGI分INTを上げるポーションだ。服用直前にAGI高めの装備を付ければ高い効果が期待できそうだな
レイド参加者には事前に必要な方を配れば多少は戦力増強になるだろう
ポーション用の素材も鍛冶用の素材も少なくなってきたし一部使いきったしこのレイド戦が終わったら補給しにダンジョンとフィールド周回しねえとなあ
そして諸々の準備が終わりレイド戦が行われる【ファスト草原】に来た。ファスト草原は三王国の丁度真ん中に存在するフィールドで、年中穏やかな風が吹いているらしい。実際今も吹いてるので年中吹いてるんだろう。レイド戦が終わったらピクニックしに来ようかな
んでもって現在のファスト草原はメチャクチャプレイヤーが犇めいている。レイド戦開始十分前だからかね
「さて、料理配り始めるか」
テーブルとクソデカ寸胴鍋をアイテムボックスから取り出して設置すればお手軽料理の配給所の完成だ。事前に掲示板で告知してたからかプレイヤー達が各々の食器を持って並び始める
「バロイル殿!オプションであ~んしてくれないか!!」
「ひえっ」
「は?」
プレイヤー達に料理を配っていたところにやってきたそいつに反射的におたまを投擲を発動して投げそうになった。ぐあっ!思い出したくない記憶がぁぁぁぁぁぁ!!だが今のフェルリアは思い出してしまった記憶にあるそれよりは正気を保っているように見える。いや情欲に満ちた瞳は爛々と輝いてはいるのだが
それはそれとしてリア、メッチャ低い声出たな?お兄ちゃん一瞬ビビっちゃったよ
「オプションも何もねえよ。料理受け取ったらとっとと持ち場に戻れ、頼むから戻ってくれ」
「私の持ち場は貴方の隣だ!男の娘をモンスターからも不埒な輩からも守るのが私の使命だからな!」
「お姉ちゃんは私が守るのでフェルリアさんの出る幕はありません!」
守護者ヅラしてる不埒な輩によう言った!でも妹に守られるほど弱くないからね?
「どこに行ったのかと思ったら何をしてるのフェルリア。貴女の持ち場は私と同じ前線でタンクをすることでしょ」
するっと横から赤色のツインテール少女が入ってきた。誰だこいつ
「私はクラン【プライマルローズ】のリーダー、シエルよ。ウチの変態サブリーダーが迷惑かけてるみたいでごめんなさいね」
プライマルローズって確か女アバターのプレイヤーだけで構成されてるクランだっけ。クラン宣伝スレで見た気がする
「ああ、ご丁寧にどうも。俺はバロイル。クラン、ディザスターズのメンバーだ。その変態については厳重に縛った上で転がしておいてくれると助かる」
「さすがにそれはできないわ。こんな変態でもウチのメインタンクだしね」
立場がある変態ってのは厄介だな
「うむ、私の盾は全ての脅威から男の娘を守るためにあるからな!いつでも私の後ろに来ると良い、しっかりと守り通して見せる!」
ぜってー行かねー!そんな状況になったら自害してリスポーンを選ぶね!!
「おいバロイル、そろそろレイド戦が始まるぞ」
「分かった、すぐ準備する」
簡易配給所を片付けヘイルブレイダーと【鋼鉄糸の指輪】を装備。まあクイックチェンジで何時でも竜血樹外装や弓の【ゼヴェルフール】に切り替えられるんだけどな
それと新調した防具には全て魔草を使ってある。俺のは【豪足魔草】を。リアのは腕と胸に【剛力魔草】、足に豪足魔草を。ソーガは剛力魔草、ソロモは豪足魔草、アルベルスも豪足魔草を使っている
ちなみに魔草の効果を発動する際に消費するMPは一律100MPかつ五分も持続する。さすがレアアイテム。にしても見事に金剛魔草だけは使わなかったな~。俺達全員防御は防ぐより回避するタイプだからな
『これより、レイドバトルを開始致します』
アナウンスが流れた直後、雲を突き破って何かが落ちてくる
地面に激突したそれは白い体に螺旋を描くように黒い線が全身に幾つも走っている。地面を踏む四肢はとてもヤバそうなオーラを纏い、その眼に理性は無い。落ちてきたこの竜が今回のレイド戦の討伐対象
『レイドモンスター【破天竜ヘヴン・ディカロス】とのレイドバトルを開始します』
レイド戦の始まりだ
この話が「面白かった!」や「続きが読みたい!」と思った方思ってない方はおそらく下にあるであろう☆マーク、ではなくホーム画面の左上にある【新規小説作成】から男の娘物かヤンデレ物小説を書きましょう!書け!!書いて!!!
そういや今年で夜廻六周年みたいですね。ハッピーエンド二次創作流行らせ!!




