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バーサークVSオーバーモード

【魔草】高Lvのダンジョンやフィールド等に生えている特殊な草。魔力を注ぐことにより何かしらの効果を発揮する。主に防具や武器に塗り付けて使用する


【魔力式駆動外装】中に細長く加工されたレッサーグリネタル鉱石を使用しておりそれを通じて装備を動かしたりギミックを作動させる

 錬金術に使う素材を採りにリアとフローティアと一緒に【アルケル大樹海】に素材採集しに来ている

 推奨Lv70のフィールドだからか素材も良質な物が多いし【採取】スキルのレベルもグングン上がるしモンスターからの経験値も美味い

 それとLv50になった時にサブジョブ、と言うものが解放された。ヘルプ曰くサブジョブとして選択した職業の職業スキルのみを得るというシステムみたいだな

 例えば双剣士に就いてる奴がサブジョブで大剣士を選んだ場合、大剣術を取得し、かつペナルティ無しで使えるわけだ。与ダメージ減少は無いし取得スキル経験値減少も無い


 勿論俺が選ぶサブジョブは【錬金術師】だ。高品質のポーションを自分で作れるのはそれなりのアドになるし、爆弾作りたいからな。地雷踏んで吹っ飛ぶプレイヤー達を早く見たいなあ

 ちなみにサブジョブ就職も転職も街等にある神殿じゃないとできないぞ。地味に面倒


「あ!お姉ちゃん、あの花、すっごいレアっぽくない?」


「あの樹の枝に生えてるやつか?確かにレアそうだな。なんか光ってるし」


「あれは確か【サンライトフラワー】って言う魔草で、自然治癒力をかなり高める効果があったはずよ。……でもこんな鬱蒼とした場所に生える花だったかしら?」


 ヒョイヒョイっと樹を登りサンライトフラワーの茎をつか──


「あー、これトラップだったのね」


 掴んだ直後全身が光に包まれる。転移直前の兆候だ。まんまと罠に引っ掛かった訳だな。いやでもレアアイテムを餌にされたら食いつかざるをえないよねえ?まあディザクロの時と同じくどんな罠だろうが食い破ってやりゃあいいか


 転移された先は木々が回りを囲み陽の光が降り注ぐ花畑。幸いにもリアとフローティアもここに送られたので分断されなくて一安心だ。昔テレポートトラップ踏んでリアと分断されてそれでリアがキルされかけたからな。フレンド機能で位置確認して壁をぶっ壊して最短距離で合流して犯人を殺したけど

 更に腹いせとしてリスポーンした犯人はLv1になるまでリスキル刑に処した


「こういうトラップって大抵ボス級のモンスターが出てくるよね」


「ええ、レアアイテムを餌にボスモンスターの狩場に誘い込む。狡猾なトラップね」


 花畑の中央の地面を破りながらボスが出てくる。太い蔦に人で言うと顔の部分にウツボカズラみたいな袋を垂らして太い蔦から何本もの細い蔦が伸びてウネウネと動かしている

 【フラワーコマンダー・バーサークフラワーLv80】それがボス名だ。いやフラワー要素どこ!?


 そう思っていたらボスの周囲にある花の茎が急激に伸びて襲いかかってくる。フラワーコマンダーってこういう事か。まあ余裕で対応できる速度だから大して障害にはならない。この程度で止められるほど俺達は弱くねえ!


 各々が迫りくる花を切り裂きながら走る。ボスとの距離が近付く。花を避ける為に跳躍し上下が逆転した視界の中、弓にレッドジャベリンを番えて放つ


「───!!?───!!!!」


 ボスの体が激しく揺れる。燃やされてるんだから当然か。レッドジャベリンを引き抜こうと蔦を伸ばしたがもう遅い。既に俺達の武器が届く範囲だ


「【シューティングスラッシュ】!」


「【ソードバンカー】!」


「【クロスブレイク】!」


 高速の一閃と突き刺した剣を更に内部にめり込ませる拳と十字架の形をした爆発がボスのHPを五割程削る。行動パターンに変化が訪れる頃合いだな。ボスから距離を取って変化が訪れるか観察する


 その変化はとても明瞭でボスの全身が赤いオーラみたいなので覆われそれぞれの蔦にも赤い脈みたいな細い線が浮き出る。更には花畑の花達までもが同様のオーラを纏う

 うーんバーサークっぽい雰囲気。それはそれとしてレッドジャベリン抜かなくて良いのかね?もう炎は消えたが貫通による継続ダメージが発生してるし


「向こうが暴走状態ならこっちも暴走状態になるかあ!【オーバーモード】」


 HPが急速に減って代わりに緋色のオーラを纏う。これでオーラ的には対等だ


 最初よりも速度を増した花が襲いくる。だがそれでも遅い、遅すぎる。これはあいつの言葉だが、『見えてるし体が反応できるなら斬れるだろ?』

 至極全うな言葉だよ。スキルも使ってない素のスペックで銃弾を見切って斬る奴が言うと説得力がすげえな


 花を斬りながらそこそこ全力で走り抜けてリアとフローティアの攻撃と同時にボスの胴体に攻撃を入れる。剣を振り切った体勢のままクイックチェンジで竜血樹外装を装備、ウツボカズラの部分を思いっきりぶん殴る


「───!!?!!!?!!」


 お、ダウンした


「「「トドメ!」」」


 樹木の拳と剣と魔愴がボスの体を凹ませ、切り裂いて、貫く。残り二割となったHPでは三人の集中攻撃には耐えられなかったようで爆散した


「はぁー、傍迷惑なトラップだったわねえ」


「レベルが上がったしボス素材もゲットできたから収支的にはプラスなんだよな。それに、花の収穫祭もあるしな」


 ボスを倒した後の花畑はそれぞれの花弁の色に輝いて採取ポイントになっていた。どれ試しに一つ


【金剛魔草

 ▷魔力を込めると強度が増す。魔草の中でも特に希少な種類】


 うーん、どう見たってレア素材でしょこれ。しかも同じような採取ポイントが視界一杯に広がっている。これはもう採らなきゃ無作法というものだろう、ひゃっほー!!




「お、アップルパイか。一つ貰うぞ」


 帰ってきたソーガ達がテーブルに置いてあるアップルパイの一つを手に取って一口で頬張った。一口サイズって小腹が空いたときに助かるよな


「あれ、HPリジェネのバフが付いてるんだけど!?」


「それ調理する際にリジェネポーションぶっかけたらそうなったぞ」


 俺も三つ目のアップルパイを口にする。料理スキルLv7と俺の腕も相まってメチャクチャ美味い。ちなみにバフの効果も効果時間もポーション瓶から直接飲むのと変わり無いから素直にポーション瓶から飲んだ方が早くて良い

 ただ量が必要な場合はデカイ鍋で味噌汁やシチューとか作ってそれに入れればポーションの効果はそのままに量が増えるからそこは利点かな。明後日のレイド戦みたいな大規模戦の時は特に


 さておやつも食ったしポーション作り再開するか




「やばい飽きた。別の事がしたい」


 今鏡を見たらきっとFXで有り金全部溶かした人のような顔が写ってるんだろうな

 現在時刻の夜になるまでポーション作り続けたらそらそうなるわなあ!!なあ!!!!RPGゲームみたく少しずつコツコツと強くなっていくのを実感する的な感覚があるならまだ良いんだよ、でもこれその実感が殆ど無いもん!!苦行か!?苦行だな!!


「街でもぶらつくか」


 フローティアとリアはポーション用の素材を追加で採りに行ってもらってるし、他の奴等は何時もの如くダンジョンやフィールドに籠ってるし、有用そうなスキルは掲示板と攻略サイトで一通り目を通して使えそうなのを取得済みだし、やること殆ど無いんだよなあ~

 そんなわけでファリア王国を散歩するとしよう


 まずは冒険者ギルドがある南区から回ろう


 南区は食べ物系の屋台やらレストランやらが密集してる区画だな。冒険者ギルドでクエスト受けてフィールドやダンジョンに行く前や帰ってきた冒険者をターゲットにしてるんだろう

 このクレイジボアの串焼き美味いな、レイド戦が終わったらタレ、作ってみるか


「ん?何か俺に用か?」


 屋台の商品を買ってはアイテムボックスに詰め込み食い歩きをしているとなんか騎士っぽい格好をした金髪の女プレイヤーが俺の前に立ち塞がった。プレイヤー名はフェルリア、ねえ


「バロイル殿だな。貴方に用があるのだがいいだろうか?」


「ああ、今暇してるし良いぜ」


「では早速で悪いがそこの路地裏でこれを着ていただきたい」


「………!!??!?」


 フェルリアがアイテムボックスから取り出し広げたのは一着のバニースーツ。いやなんで!!?!?!


「い、いや、そんなの着るわけねえだろ!」


 リアから頼まれたら即、着るけど


「頼む!私は昔から男の娘が好きなのだが、現実は厳しく周りに男の娘はいなかった……!だから仮想世界に男の娘を求めてクリオンを始めたのだが、ああこれも運命か。美少女掲載スレで貴方を見つけ、一目見た瞬間に魂の股間にビビッと来たのだ!この娘が私が追い求めていた娘だと!!!」


 ひっ!ボス戦ですら感じたことの無い絶筆に尽くしがたい悪寒が走る。やべえ逃げよう!こいつと相対しちゃダメだ!


「しかし現実での仕事や予定に押し潰されて中々貴方と接触できなかったが今日!遂に出会えたのだ!!と言うわけで是非貴方にこのバニースーツや巫女装束を、それとこの執事風スーツと、あ!待ってくれ!!この衣装を着て撮影会とペロペロ会をーー!!!」


 鋼鉄糸も駆使して屋根に登り振り返ること無くただ必死に足を動かし続けた




「はぁ、はぁー。ここまで走れば撒けただろ。いやー、恐かったな……」


 あ、ヤバい、逃げれたと思ったら凄い眠気……が……


【強制ログアウトを実行します】

【強制ログアウト】プレイヤーの意識が無くなった場合に発動するシステム


 何れガンダムみたいなロボットを出したい欲はある。変形合体ロボは良いぞ

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