それは正に異世界のようで
オリジナル小説なら性癖と好きな展開詰め込んで良いってマジですか?と折角アカ登録したんだしというわけで本作を書きました。遅筆なのでゆっくり書いていこうと思います
クリエイト・オンライン、通称クリオン
六日前にβ版が終わったそのゲームは他のVRゲームとは一線を画する自由度と現実感を実現したゲームとして話題になっている
俺こと本居光夜はβ版をやっていた義妹の朱里にせがまれてその予約抽選に応募し見事当選した
そして正式リリース日の本日。エアコンを効かせた寝室で昨日届いたばかりのヘルメット型の専用機器『クリエイト・ギア』を被ってサービス開始時刻の十時を待っている
「もうすぐだね、お姉ちゃん!」
ランプを置いた台一個隔てたベッドには朱里が俺と同じくクリエイト・ギアを被って寝転がっている。まあ俺のとは違ってβ版から使っている物だが
「ああ、そうだな。朱里は剣士を選ぶんだっけ?」
「うん、そうだよ。攻守のバランスも良いしβで使い慣れてるからね。お姉ちゃんは結局職業決めれたの?」
「残念ながらまだなんだよなあ。どれも魅力的だし、っともう数秒で十時か。んじゃ向こうで会おうぜ!」
スマホで時刻が十時を回るのを確認すると直ぐにクリエイト・ギアの右側にあるボタンを押す。すると自然と瞼が閉じて微睡んでいき──
「ようこそ、クリエイト・オンラインの世界へ」
空中庭園に立っていた。凄いな、他のVRゲームをやったことがあるがこうもリアルな物は初めてだ。土を踏みしめる感触も木々が擦れる音も水の透明度と冷たさすらも現実と遜色無い。VRと知らなかったら異世界と勘違いしそうだな
「あのー?私の話を聞いていただけますか……?」
「え?ああすいません、クオリティの高さに驚いてました。それで、あなたはどちら様?」
「私は女神ユラ。貴方達プレイヤーをクエイン大陸に送り出す者です」
ふーん、察するにこの緑髪で長髪な女神様はチュートリアルキャラクターってところか?
「では、まずプレイヤーネームを入力してください」
お、目の前に入力欄が出てきたな。漢字は使用不可か。んじゃ名乗り慣れたバロイルっと
「バロイル様ですね。ではお次はアバターを作成してください」
目の前に白いマネキンが生えてきた。なんとも言えない光景だったな。んでアバター作成だが俺はあまり拘らないタイプだ。現実の姿を反映させて髪の色を黒から銀に変えて目の色も銀に変えるぐらいかな。なんせ美少女みたいな顔なのだから然程弄る必要は無い。朱里の頼みで肩に届くぐらいまで伸ばした髪も同様だ
うーむ、改めて見てもやっぱ女っぽいよなあ、俺の顔。それと声も
「お次は最初の武器をお選びください」
地面から台座が八つ現れてそれぞれの上に片手剣・大剣・双剣・槍・鎌・ハンマー・弓・杖が浮かんでいる。公式サイトの情報通り八種あるな。今回選ぶのはオーソドックスな片手剣だが試せるなら試したい事もあるんだよな
「女神様、違う武器種を二つ同時に使うことってできますか?」
「できますよ?ただその場合は装備している間その武器の与ダメージが減少するので双剣を使うのをオススメします」
つまりスキル無しでも一応二種の武器を同時に使うことは出来ると。早速横のスペースに生えてきた案山子に向かって弓を構え、片手剣を弓に番える。んで引いて離す。おお、ちゃんと射てた。これは某弓兵風スタイルも候補に入るな?
「まさか剣をそんな風に使うなんて……満足しましたか?」
「勿論。これずっと気になってたから検証できて良かった~。まあ選ぶのは片手剣だが。それで次は?」
「お次は職業の選択になります」
プレートが二つ虚空から現れて俺の前に並ぶ。クリオンの職業は大きく分けると二つ、戦闘職か生産職のどちらか。戦闘職にしてバリバリ戦いたくもあるし生産職にして自作武具で戦いたくもある。悩むなあ……だがこのまま悩んでたら何時間と掛かりそうだし朱里を待たせ過ぎるのも悪いしここは一つ、運に任せてみるか
右側に戦闘職のプレートを、左側に生産職のプレートを置いてその中央の地面に片手剣を軽く突き刺し手を離す
「……よし!生産職にするか!」
「そんな決め方する人初めて見ましたよ」
呆れた表情の女神様は無視して左側に倒れた片手剣を回収しつつ生産職のプレートをタップしてリストの中からもし生産職に気持ちが傾いたらなろうと思っていた鍛冶師を選ぶ。これで職業選択は終わりだな!
「では最後に、ステータスポイントを振ってください」
ピコンと音がして俺のステータス画面が表示された。上から俺のプレイヤーネーム・Lv・HP・MP・ATK・DEF・STR・INT・AGI・VIT・DEXと書いてあり上六個は灰色だ
「ステータスの説明は必要ですか?」
「大体分かるので要りません」
振れるポイントは10か。生産職だからDEXは必要だろうし7ポイント振って残りは移動でストレス感じたくないしAGIに振ろう。火力なんて武器で補えば良いし相手からの攻撃は回避かパリィすれば良いだろ、よし!
「基本的アバター作成は終わりましたのでこれよりバロイル様をクエイン大陸のファリア王国に送ります。あ、オープニングは見ますか?」
「(公式サイトでもう知ってるから)カットで」
「分かりました。では良い冒険を!」
ログイン時のように段々と瞼が閉じてまた開くと庭園とはガラリと変わって中世ヨーロッパ的な?そこら辺はよく分からんがともかく喧騒溢れる街に立っていた。確かここは初期地点のファリア王国の中央区だったな
「お姉ちゃん!」
ドンっと軽い衝撃と共に背後から抱き締められる
「いきなり抱きつくのは止めようなあか、じゃなかったな、リア」
ハラスメント防止コードに抵触したため出てきた通報画面を閉じながら振り返ると髪色と目の色を金色に変えただけの朱里が、プレイヤーネームはリアが居た。しかしもう二人クリオンで会うと約束した奴等が居ない
「あいつらは居ないのか?」
「吉岡さん達なら待ちきれないからってフィールドに行っちゃったよ。それと吉岡さんはソーガ、天川さんはソロモだよ」
あいつら……。まあいいか。予想できてたが二人とも他のゲームでも使ってるプレイヤーネームだな。まあ俺と朱里のプレイヤーネームも他のゲームでよく使ってるプレイヤーネームだけどな
「プレイヤー検索っと。二人にフレ申送って、ああリアにも送っとくわ」
「うん、承諾したよ。ねえお姉ちゃん、パーティ組んでフィールド行かない?」
「あいつ等いねーしそうするか。でもその前にギルド寄ったりとか買い物とかしたいしその後ででも良いか?」
「良いよ~」
では早速行こう!冒険者ギルドへ!
やっぱり性癖に正直になれるのは良いですね
感想とか指摘とか受け付けてるので、あれば是非。多分モチベーションになる筈