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待合室の怪異  作者: 夏日少年
1/3

"23:21最終"

 梅雨も明け、爽やかな風が吹く夏の夜。列車の走り去る音が聞こえる。

只今の時刻、"23時02分"。


「参った、ちょっと遅くなってしまったな」


 そう呟きながら、駅の階段を上って行く。足元がおぼつかない。調子に乗って、少し飲み過ぎてしまったみたいだ。


 僕はこの町で、今年の春からアルバイトをしながら、一人暮らしをしている大学1年生だ。オカルト好きが高じて、大学で民俗学を学ぶために実家のある東京から越してきた。

その大学は小規模だけど、民俗学で有名な教授が在籍しているし、自然も豊かで学ぶにはもってこいの場所だ。両親には近場にもっといい大学があるのではないかと反対されたが、僕はやるからにはとことん拘りたい性質なのだ。


 気の合う友人にも恵まれたし、自然豊かな町だから、フィールドワークも中々やりがいがある。何より嬉しかったのは、心霊サークルがあった事。(非公認だが)

サークル活動にはあまり興味がなかったが、それを見つけた瞬間、入部を決めてしまった。

メンバーは、3年がS先輩、O先輩、M先輩の3名(サークル代表をS先輩が務める)、2年がK先輩、Y先輩の2名、そして、1年の僕。

合計6名のグループで、どんな活動をしているかというと、大学近くのS先輩の家に夜、みんなで集まって怪談話に花を咲かせる、ホラー映画を観て考察してみたり、たまに心霊スポットを巡る等、要するにただ遊んでいるだけなのだが、勉学に励む傍らで、緩く楽しむには申し分ない。

先輩方も、面倒見のいい快活な人たちばかりだし、こっちに来て本当に良かったと思っている。


 今夜もさっきまで、そのS先輩の家に集まって、遊びに興じていたのである。

先輩の何人かは酒を飲んでいて、僕にも勧めてきた。

初めて酒を飲んだが、これが案外いけるもんだから、グイグイとやってしまったのが運の尽き。


「はあ、疲れた。この階段、いつもより長く感じる」


 やっと上りきって、電光掲示板を見ると、"23:21最終"の文字が浮かび上がっている。そんな時間だから、やっぱりプラットホームには人っ子一人いない。


(これを逃していたら終わりだった。良かった、間に合って。でも、まだ少し時間があるな)


 ほっと一息つくとスマートフォンを取り出し、Connect(コミュニケーションアプリ)のグループチャットを見る。


(特にメッセージは来ていないようだな。先輩たちは無事帰れたのかな……)


 そんな事を考えながら、僕は待合室の方に向かって歩き出した。

 はじめまして。夏日少年と申します。


 最後までお読みくださり、誠にありがとうございます。

趣味で小説の執筆を始めました。好きなジャンルはホラー全般、怪奇要素を含むミステリーです。

これからもご愛読の程、よろしくお願い致します。


※誤字脱字や、文章や表現に不自然な点がございましたら、

ご指摘くださいますよう、お願い申し上げます。また、感想もどしどしお待ちしております。

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