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手合わせ終わって

前の話から時間がかかってしまいました。

手合わせの後の話です。短くてすみません。

この間に骨折やら流行りの感染症になったり踏んだり蹴ったりでした

皆さまもお気を付けください

 エドムントに地面に下ろされた後、リナニエラが父の顔を見上げれば彼は少し満足した顔をしてリナニエラの肩に掛かった髪の毛を払った。


「随分、強くなった。努力しているんだな」


 自分の顔を見つめながらしみじみと話をするエドムントにリナニエラは照れた顔をする。


「お父様にそう言って言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます」


 憧れている父に褒められて、リナニエラの頬が熱くなるのが分かる。自分にとって、父であるエドムントの存在は魔法好きな自分にとって憧れの存在だ。その父に褒められた事が妙にくすぐったい気持ちになった。口元が緩むのを引き結ぶようにしてにおさえながら、リナニエラは下を向いた。きっと今顔を上げたら笑いたいような難しいような珍妙な顔をしているのだろう。


「それにしてもさすがだなあ」


 聞き覚えのある声がして振り返れば兄であるクリストファーがパチパチと手を叩いて近づいてくる。


「お疲れ様、父さん、リナニエラ」


 そう言うと、クリストファーはリナニエラの頭に手を置いた。ポンポンと撫でる彼の手に擽ったいものをかんじながら、リナニエラが目の前に立つエドムントの顔を見つめる。


「お父様、御手合せありがとうございました」


 改めて頭を下げて礼をいえば、エドムントは『ああ』と短く返事をした。


「で、私の魔法の技術についてはどうだったでしょうか?」


 一応、リナニエラはエドムントに大規模魔法を使う事を許可されていたが、もう一度確認として、父に自分の魔法操作を伺うように尋ねれば、彼は腕組みをした後暫く考えるような顔をして、頷いた。


「魔法の使い方についは、私の予想以上だった。だが、詰めが甘い。最後の結界の魔法は発想が良いがそこから落ちるのならそれ以前の話だ」

「ぐ――」


 痛いところをつかれて、リナニエラが唸り声を上げれば、背後からクリストファーからクスクスと笑い声が漏れた。確かに最後の結界魔法を使った階段で滑って落ちたのは自分の魔法操作が少し雑だったのは事実だ。それは分かっているけれども、クリストファーから笑われたのは、むっとする。自分の顔が少し険しくなるのは分かるのだが、人の目があるから、リナニエラは辛うじて、兄に反撃する事はやめておいた。家だったら、足を思い切り踏みつけいるのに。そんな衝動を堪えながらリナニエラはじろりと兄を睨みつけるだけにとどめておいた後、気を取り直してエドムントに視線を向けた。言葉の続きを促された事が分かったのか、エドムントは更に言葉を続けた。


「そうだな・・・、強いて言えば大規模魔法は発動までに時間がかかる。お前が魔法を展開している時、何かあった時に対応ができない事があるだろう。前の条件はそのままだ。荒さはあったが、制御については、問題ない。いや、予想以上だった」

「分かりました」


 エドムントの言葉に、リナニエラが頷けば父の隣に並んだクリストファーがうんうんといった顔をしてうなずいている。


「それにしても、いつの間にそんなに腕を上げたんだ。もう、リナニエラの方が魔法の腕は上だろうな」


 感心した顔をしてクリストファーが口にするのに、ちらりとエドムントが彼へと視線を向ける。その視線に気が付いて、クリストファーが顔を向ければ、エドムントが難しい顔をしながら兄の顔を見て、口を開いた。


「クリストファー、お前はもう少し魔法の腕を上げなさい。お前はもっと魔法の事態の腕を上げた方が良い。リナニエラの方が、発動時間も、制御能力も上だ」


 まさか、ここで父からの叱責があるとは思わずにクリストファーが目を丸くした。『ふえっ』と間抜けな声が兄の口から漏れるのに、リナニエラはおもわず吹き出してしまう。


「お、おいエドムント! 何ださっきのは!」


 エドムントとクリストファーと三人で話をしていれば、いきなり大きな声が割って入って来た。見れば、自分達の立ち合いをしていたカルヴェ伯爵だ。彼はやけに興奮した様子で、父であるエドムントに問い詰めている。第一印象では、冷静な人物だと思っていたのだが、どうやら自分の観察眼は甘かったようだ。エドムントの肩を揺さぶりながら、カルヴェ伯爵が大声で父に話しかけている。


「クラウス・・・うるさい」


 大声でまくし立てられて、エドムントは面倒臭そうに彼に文句を言うが、当の本人は全く気にする様子が無い。


「おい、お前の娘どうなっているんだ?! あんなに魔法を使えて、あれだけ正確な制御ができるのか?! 魔法師団のトップクラスと同じくらいの実力じゃないか!」


 勢いよくまくし立てるカルヴェ伯爵の言葉に、エドムントはうるさそうな顔をして、顔を顰める。それを横で見つめていれば、自分の隣に立っていたクリストファーはそっと耳打ちしてくる。


「カルヴェ伯爵と父さんは学園の同期なんだ。団長も同期で話を聞いたんだけど、色々とカルヴェ伯爵は父さんをライバル視して、突っかかっていてたらしいよ」

「・・・へーえ」


 ワイワイとにぎやかに話をしている父と、カルヴェ伯爵を見つめながら、リナニエラは彼らの学生時代の様子を想像する。きっと学生時代にも、父とカルヴェ伯爵はこんなやりとりをしていたのだろう。それを想像ができて、リナニエラは遠い目をした。

読んでいただいてありがとうございました。

続きはなるべく早く・・・

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