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小話をしよう

作者: 藤ゐ馨

 「グレンタール小話をしよう」


 僕はグレンタールに話しかける。彼も心得たように答えた。


 「それじゃ今日は謎解きをしよう」


 ふむ、謎解きか、謎というのは解かなければいけないものだ。迷宮入りするそんな事件は、この世に山ほどあるが、これは小話、迷宮入りしても構わないだろう。


 「どんな謎なのかな?」

 「それじゃ語らせて貰うね」


 グレンタールは謎を語る、ある朝一人の男がパン屋でフランスパンを買った。たぶんトーストとかにするために買ったんだろうね。そして男は瓶牛乳を買ったらしい。良い組み合わせだ、朝というのもポイントが高い、そうこうしている間に男はアパートに着いた、そのあとトーストにするために、砂糖を取り出してフライパンに火を付けたらしい。


 「でも男が作ったのは、ステーキだったんだ、どうしてだと思う?」

 これがグレンタールの謎らしい。何故男は、朝からそんな重たいものを食べたのだろう? というか買い物自体無駄に思える。このままでは、謎が解けない。ならヒントを貰うしかないね。


 「それだけだと分からないな、ヒントはないのかい?」

 「そうだね、ヒントを言うなら肉は傷みやすいからかな」


 確かにその通りだけど、それはヒントなのだろうか? そもそも砂糖を取り出して何故ステーキにはしるのか? 僕なら肉料理にするにしても朝にステーキは食べないけどな。


 「肉を使うにしてもステーキじゃなくて、フランスパンの付け合わせにした方が良いんじゃないかな? 男はステーキにこだわりでもあったのかな?」

 「良いことを言うね、でも男はステーキの付け合わせにフランスパンを食べたんだよ、それならおかしいことは無いよね? 今回の謎は、何故ステーキを食べたのかだよ」


 なるほど、僕は肉をミンチにしてフランスパンに塗って焼くことを考えたけど、確かにステーキの付け合わせにパンを食べてもおかしくは無い、だとしたら何故朝にステーキを食べたのかという話か、これは謎なのか?


 「単純に食べたかったからじゃないのかな?」

 「いいや、ステーキを食べなければいけなかったんだよ」

 「それこそ消費期限の問題で食べなければいけなかったんじゃないの?」

 「おしいね、でも厳密に言うならステーキを食べないと臭いがひどかったからなんだ」


 臭いがひどい? 余計に分からない問題になってきた。ステーキを焼いた方が臭いが出るのではないだろうか? 


 「グレンタールそれは変な話だね」

 「うん、変な話だね。そうそう最近こんな話を聞いたんだけど知っているのかな?」


 突然話が変わったぞ? またグレンタールは語り出す。とある不動産屋が借金を抱えて大変らしい、そのまま倒産するかと思ったけど、ギリギリのラインで踏みとどまっているんだとか、何でもそこの娘さんがとある富豪の家に嫁入りしたおかげで、援助金が貰えるようになって立て直しているらしい。


 「それはいい話だね、娘さんは綺麗な人なんだろうね」

 「いやいや、娘さんは綺麗じゃないよ、でもまぁ普通という感じかな」

 「なら、性格がいい人なんだね」

 「いやいや、性格は悪い方だよ」


 あまり良いとこがなさそうだけど、何故富豪はそんな娘さんを嫁にしたんだろうか? よほどのも好きなのかも知れないね。


 「世の中好き好きはいるものね。変わり者って事かな」

 「確かに変わり者だね」


 所で何の話をしていたんだっけ? まぁいいやどうせ小話、とくに意味の無い話をするだけさ。


 「グレンタール他に何か話はないかな? 僕は無駄な話がしたいな」

 「君も飽きっぽい性格だね。まぁいいやそうだな小話をしようか」


 最近小麦の値段が上がってるそうだ。何でも近々戦争があるらしい。鉄の値段も上がっている。近い将来食糧難があるかも知れないから、食料品が売れに売れて何処も売れきれなんだとか、やな世の中になったものだ。


 「戦争は嫌だね」

 「戦争は人間の趣味だからね」


 はて、趣味とはひどい良い様な気がするな。でも、争わない人間がいないように、戦いは日常なのだろう。どの時代、どんな理由でも争い毎を見つけるのが人間というものだ。


 「それで何処と戦争をするんだい?」

 「何でも東の方らしいよ、東で有名なのは海だね」


 海か、あの大きなしょっぱい湖だね。海産物も美味いらしいね。


 「なら海の話が聞きたいな」

 「海の話かい? 海と言えば塩がとれることかな」


 確かに塩がとれることは人間にとって必需品だね。塩がなければ死んでしまうのだから。でも、海のことで話を聞こうと思ったけど、塩だけではないだろう? 何でその事だけ言ったんだろう?


 「海なら他にも語ることがあるんじゃないのかい?」

 「語るだけならいくらでもあるさ、でもね謎には必要なことしか語らない事もルールなんだよ」

 「ん? 謎解きの話は終わったんじゃ無いのかい?」

 「さぁ終わったのかな? それも含めて謎だからね」


 グレンタールは難しいことを言う。なんでも聞き手の捉え方次第だという。

 まぁこれも所詮小話さ、何の意味も無い話。

 グレンタールはにやりとやらしい笑みで言う。


 「僕は偏食家にはなれないさ」

意味の無い無駄話、今回は短編で投稿しました。

実際にどういったものなのか、希望があれば解決編と言うか、無駄話の中身の話を書いていこうかと思います。

長編でやるとしたら、無駄話をした後に、その無駄話の中身のストーリーを書いて、という感じにするか、ただ無駄話をして、中身は読み手が勝手に想像するか、どちらかにする予定です。

短い話でしたが、ここまでお付き合い頂ありがとうございました。

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