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世界を詠う慈悲の魔女  作者: 『H∀Qqy∃ИD』
31/32

狂い、始まる

これは少し前、アルマ達が街から逃げた後のお話。


…………


「きっ、貴様……」

私の前で、怯えた人間が一人。

あぁ、可愛そうね。

()()()()()()()()()()()()()()、完全に怯えてる。


いい気味だわ。


「ふふ、どう調理してほしいかしら♪」

「チッ……くそっ、くそっ!!!」

叫んで相手、街長さんは、懐からナイフを取り出す。

あらやだ、怖いわ。あんなもので切られたらって思うと私、夜も眠れない。


「くそーっ!! うわあああぁぁぁっ!!!」

……それを私に向けて、何やら叫びながら走ってくる。

ちょっと止めてよ! 怖いって言ったばかりじゃない! そんなので刺されたらって考えたら、体が強張っちゃうじゃない!!




ガキンッ!!


私の身体と衝突し、ナイフが鈍い音を立てる。

詰まるところ無駄ってヤツね♪


「うわあああぁぁぁぁ!!」

折れたナイフを、私に向けて必死に突き立てる。

ガリガリ、ガリガリガリ、という音を立てて、段々と削れていく。

ナイフが。

研ぎ物の逆ね、段々とナイフが丸っこくなってて面白いわ♪

そのお遊戯も一瞬で終わるけど。


バキッ!


痛々しい音を立てて、ナイフが根本から折れる。

力、入れすぎたみたいね。

「あ…………」

「さぁ、次は何かしら♪」

彼が繰り出す武器に、私は正直ワクワクしてきていた。

だって、どんな武器も私には勝てないし。


それにもし、私に通用する武器があるんだったら……今の内に潰しておきたい。

アルマちゃん達に向けられる前にね♪



だけど。次の瞬間だった。

私も皆も、誰も思いつかなかった事態が発生した。



バンッ!!!


「ぎゃああああぁぁぁ!!!」



街長が……()()()

本当に突然、何の脈絡もなく炎上したのだ。

「これはっ!?」

まさか、魔法? それ以外でこんなことができる方法、考えられない。

ということは、街長さんは魔女……もとい魔人だった? じゃあなんで、同じ魔女であるアルマを手にかけようとしたの?


……だが、違った。

その理論は、根本的に違った。


「ああぁ……助けて! 助けてくれぇ!!」

「ハァ!?」

街長さんは、私に助けを求め始めたのだ。

魔法がコントロールできていない?いや、それにしては派手に失敗し過ぎている……?

「……わっ、街長!?」

「おい、今度は街長が燃えてるぞ!!」

「「化物だーーっ!!」」

先程までアルマちゃん達に気を取られていた住民が、次々とこちらを……

「ちょっと、誰が化物ですって!?」

「ギャーーッ!!」

とにかく、皆がこちらに注目する。


それと同時に__




「あっ__ハハハハハハハハ!!!」



まだ、街の人すべてが状況を把握できていない頃。

高笑いと共に、瓦礫の山から()()()飛び出す。

膝下まで伸びた赤黄色の髪、口からでてる八重歯、腹上でボタンが留められた上着、簡素なホットパンツ……


右側からのみ生えた黒色の翼。

赤色の目に宿る計り知れない狂気。

アイツは__


「たのしーねー! ドッカンってするの、たのしーねー!! ボボーって燃やすの、たのしーねー!!!」


()()__!!

街長さんが利用していた魔女。

街を破壊した、元凶っ……!!


「……あ、変なヤツがいる!!!」

空中、地面から3メートルほどの場所でピタリと浮遊し、魔女が目を輝かせる。

マズイわ。

今ここで戦闘になれば、一般市民が巻き込まれる。

「たのしーねー! たの、しー……!」

魔女は両手を上げ、何やら力み始める。


わたしの予想が正しければ、あれは構えね。

炎とかの、それも強大な魔法の構え。


……マズい。

これは本格的にマズい。


「お前ら!! この女の子から離れなさい!!」

私は魔女と向かい合いながら、後ろの住民に呼びかけるつもりで叫ぶ。

「でっ、でも街長が」

「黙れ! 死にたくなかったら逃げるのよ!」

私が一喝してすぐ、後ろで足音が聞こえ始める。

音が段々遠ざかっていくところを聞くと、皆逃げていったようね。


__誰も街長は助けようとせずに、ね♪


「たっ……助け……」

肝心の街長はというと、既に意識が朦朧とした状態でこちらに来ていた。もちろん無視する。

別に火だるまが突っ込んできた程度じゃ、私は死なないわよ♪


それより問題はあの魔女。

魔女の頭上には既に、直径五十メートルほどの火球が生成されていた。

もしこんなものが、一般人に向けられたら……そうでなくても、このままこちらに投げられたら。考えただけでおぞましい。

「しー……ねぇぇぇっ!!!」

そして、魔女はこちらに向かってソレを投げつけてくる。

おぞましいソレが、向かってくる。


……あぁ。これは街長、助からないわ♪

尊い犠牲を拝みつつ、私は火球に向かい合う。



私の筋肉は()()()()()

本来なら相殺できないようなエネルギーでも、『物理』という属性を持った私の魔法なら可能。

尤も、こんな大きなエネルギーの相殺は初めてだけど……


まあ、成るように成れっ!

気張るのだ、()()()()()()()()()()っ!!

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