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シルヴィア、風呂場で侍女と語る。

「そういえばソフィア」

「なんでございますか?」


湯船に浸かるシルヴィア、それを見張るソフィア。

最初は渋っていたシルヴィアも、元々が問題なのか、特に恥ずかしいという素振りを見せず、それこそ堂々としていた。


「ソフィアとリリアンナは何歳差なの?」

「わたくしとリリアンナ姉様は6歳差。姉様は26でございます」

「へー……」



ソフィアは160cm弱の上背。

比べてリリアンナは140弱。


2人が姉妹だと言うだけでも驚きなのに、どちらが姉かと言われれば、皆真っ先にソフィアだと答えるだろう。



「わたくしたち2人とも、母親に似ていますから」

「あー……」



その言い方に、シルヴィアはこれ以上踏み込んではいけない雰囲気を悟る。



「共通点といえば父親から譲り受けたこの赤髪ですかね」

「私、ソフィアとリリアンナの髪の毛、とっても好きよ」

「そうですか?」


ありがとうございます、とソフィアは微笑む。


「ええ。羨ましいくらい、素敵」

「ありがとうございます」


ソフィアは綺麗に編み込まれている髪の毛をクルクルと弄んだ。

頬にはうっすらと朱がさしている。


照れてるのね、とシルヴィアは思った。

可愛いじゃないか。



「わたくしも、シルヴィア様の銀髪が羨ましゅうございます」



シルヴィアの髪の毛は、長い。

何せ、せいぜい毛先を整える程度で生まれてから1度も切ったことがないのだ。


それでいて、手入れを怠っていないからサラサラとしている。



「覚醒遺伝って奴でね。おばあ様が銀髪なのよ」

「おばあ様……ジョゼフィーヌ様ですか」

「知っているの?」

「はい、存じ上げております。」



シルヴィアの祖母……父、ハリスの母、ジョゼフィーヌは元は王族だった。

国一の美姫と称される程の器量良しで、都中の貴公子の視線を集めた。

当代の王までもがジョゼフィーヌに惚れ込み、妃に欲しい、と申し入れた。


しかし、ジョゼフィーヌは断る。

そして、当時の男爵、ルシフェル・ブルーメインと駆け落ちしたのだ。



王からの求婚を断ったジョゼフィーヌは、いい意味でも悪い意味でも有名だった。





「……お美しい、お強い方よ、おばあ様は」



私の憧れでもあるの。


そう、シルヴィアは強く言う。




「ところでどうやれば水は出るの?」

「右に捻ってください」

「あっつ!?」

「それは左!」



思わず堅苦しい喋り方が抜けてしまうソフィアだったが、仕方ないだろう。

シルヴィアは100人中100人が目を疑うほどの世間知らずだ。


……本当に。




「……ハリス様は何をなさっているんですか」



ソフィアは呆れる。

無知さもここまでくればある意味才能だ。


もしかしたら覚えたら片っ端から忘れちゃう質なんじゃないかしら、とソフィアは考える。




短くてすみません!

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