中学時代 駄目男
中学生に上がった、リンはめちゃくちゃもてなかった。
それどころか、新しく一緒に過ごす事になる。←三つの小学校の生徒達が一緒に通う事になったのだが…、クラスメートの女子にキモイとさえ言われた事があった。
リンは知らなかったが、中学生に上がると同時に皆色気付き身なりに気を配るようになっていたからである。
それに、一学年12クラスもあった為、たまたまリンの友達が別のクラスになるという不運も重なり、一人で居る事が比較的多かったからだ。
リンは、そのうち友達が出来るだろうと気にしていなかったが。ある日クラス委員のTに、友達を作るよう促された。多分、担任に何か言われたのだろう
『どうして、何時も一人で居るの?友達作りなよ。同じ学校の人居るでしょう』
Tは、決して自分達のグループの仲間に入りなよとは言わかったが、漫画が好きなミッチーとハルヒ君と友達に為るように勧めてくれた。
その日から、ミッチーとハルヒは、リンの友達になり、面白い漫画や、ヤラシイ漫画を貸し借りする仲になった。
リンは、それ迄漫画やアニメには興味が無かったが、それが切っ掛けでアニオタ街道に転がり落ちたのである。中学生になって、二週間が過ぎた時の事である。
リンが給食当番に当たった時の事である。小学生時代、あまりリンと仲が良く無かった、ユウが声を掛けてきた。
キャンディーをやるから、春雨サラダを大盛りによそってくれという。
実を言うとリンは、ユウが苦手だった。ユウは小学生時代サッカー部に所属しており、サッカー部は先輩後輩の仲が酷く厳しい事で有名だった。
当時先輩は、不良に憧れて、リンチと言う物をしてみたくなり、後輩全員に聞いて回っていたと言う。
誰でも良いから生意気な奴は居ないかと…その時答えたのがユウだった。
ユウは答えたのだ。
『リンです』
と…速効で放課後呼び出しを喰らったリンは、いきなり見知らぬ先輩に平手で殴られた。
しかし先輩達もテレビで見た虐めのシーンを真似したいだけだし、特に怨みがある訳でもないので、強くは殴れないでいた。
母さんのビンタのが痛いぞ!リンは真面目にそう思った。
それにしてもなんなんだろう?
知らない人にいきなり因縁を付けられるなんて…
キョトンとする。リンに先輩達が言った。
『お前調子にのってるんだってな』
『生意気なんだよ』
『何とか言えよ、こら』
『えっと…なんなんですか?』
『なんだこいつ。ふざけるな!』
『なぁこいつ生意気に、ドラえもんのキーホルダーなんか持っていやがるぞ』←生意気の使い方を確実に間違えているぞ
先輩の一人が、ドラえもんのキーホルダーをリンのランドセルから、とりあげた。
その瞬間、リンの目の色が変わり、虐められっこ、のびたから北斗神拳の伝承者ラオウに姿を変えた。
『ホォアタアタタタタ…お前の命も後三日』『ひぇ〜お許しをラオウ様』
じゃなくて…
リンは、伸び上がってドラえもんを取り返そうとした。
『僕のドラえもん返せ』
『なんだこいつ』
余談だが、リンにとってドラえもんはネ申に等しい存在だった。
悪役達の手の中で、何度も宙に舞うドラえもん。
『なにすんだよ。僕のドラえもん返せ〜』
エンドレス…
だが、ついに
『なんか、こんな奴は虐めても全然楽しくないぜ。帰ろ帰ろ』
リーダーらしき男が、ドラえもんのキーホルダーをリンに投げ付けて、その場を後にした。ドラえもんのキャッチボールは、そんなに楽しく無かったのかもしれない。
あの時の事を思い出した訳では無かったが。リンは素直に、ユウの指示に従う事にした。
別に断る理由も無かったしね(+_+)
それに飴なんかくれなくても。リンなら快く大盛りにしてやるさ。
つうか、そうまでして春さめサラダ大盛りにしたいのか、ユウよ。
リンは、大盛りによそった後。すかさずキャンディーを口の中に放り込んだ。持ってるのを見つかったら大騒ぎされるからね
証拠隠滅。マスクしてるから大丈夫だと思ったんだけどねぇ〜
すると側に居た男子がすかさず言った。
『リンが飴舐めてる〜』
僕らの時代、学校に菓子を持ってくる事や、学校の帰り道買い食いする事は、校則で禁じられていた為、絞めるにあたいした…
やべっ。
リンは、ゴクンとキャンディーを飲み込んだ。更に証拠隠滅。
『舐めてないよ』
リンは、マスクを外し口の中を見せる。
当然キャンディーは無い。
『匂うぞ!飴の匂いがする』←あんたもしつこいなぁ
『ズルいじゃないか、一人だけ飴食べて』←そっちかよ。
ユウといい、皆喰いじが張ってるな…たかがキャンディー、されどキャンディー。
たかが春雨、されど春雨。
『なにやってんだよ。リン君が飴なんて、食べるわけないじゃない。ねぇ、リン君。第一お菓子は学校に持ってきちゃ駄目なんじゃん。ほら、次の人待ってるよ』
突然、二人の言いあいに割って入ったのは、ユウだった。ユウはチッと舌打ちしながら、リン達の方に歩いてきた。
『ユウかよ』
いちゃもんを付けてきた男は、給食のお盆を持ってようやく席についた。
正直、リンは驚いた。ユウが助けてくれるなんて…もしかしたら。リンが、ユウに貰ったと言うと思って心配になったのかもしれないが…多分違う
その日から、ユウはリンに親切になった。始めに言い出したのは、ある質問から。
『あのさ、リン君ってちゃんと髪洗ってる?』
『洗ってるよ、四日に一度くらい』
『えぇ〜だから駄目なんだよ。みんな毎日洗ってるんだからね。B君やC君←ダサくて有名な。も洗ってるんだよ〜毎日洗えとは言わない。せめて一日置きに洗いなよ』
『そうなんだ。でも面倒だなぁ』
『何言ってんの!僕なんか朝起きてからと、寝る前きちんとシャンプーしてるんだからね←当時は朝シャン、昼シャン、夜シャン。お洒落な子は一日三回シャンプーする時代でした』
『えぇ〜本当に!?禿げるよ』
『禿げは居ない家庭だから大丈夫なの!!朝、早く起きて洗うんだよ。やってみな綺麗になるから。朝早く起きて髪洗った後はアニメでも見てれば良いんだよ』
『うーん。一日おきなら出来ると思うよ』
『わかった。今日からだかんね。約束だよ。まったく、面白い人なんだから』
その日から、リンは一日置きに髪を洗うようになった。
それからは誰も、リンの事をキモイと呼ぶ者は居なくなった。
ユウとも、ちょっとだけ仲良くなった。ユウは兄貴みたいに、親切になった。ユウは案外、あの時の事を謝りたかったのかもしれないよな…




