秀凡弱の奇跡
「よっしゃああああああああああああああ!宝くじ1等だあああああああああああああああ」
「あはは・・・せ、1000円だ、私・・・」
「300円どころか・・・1円も帰ってこねえよ・・・」
ある人間の出会いはこの東京ドーム2つは入ろうかというおおきさの宝くじ会場から始まった。
最初に雄叫びを上げ、賞金をもらい人目を浴びている少年が椎目匙人、
会場の後ろの方の席で友達とわいわい話しているのが谷戸花梨美、
この金充(金が充実してる奴)、許すまじと歯ぎしりをたてているのが夜橋瞬太、
全員19歳の大学1年(瞬太を除く)である。
時は2××9年、日本では突如富士山が予想外の大噴火を起こし、住めない地域になっていた。そこで政府は、子供たちをいろいろな星に飛ばし、少しでも日本人類の継続を願っていた。 そしてその内の一つの星、空気も水も生き物もなく、ただ何もなかった地を、人々のたくましいの力で空気と水、そして食料を出す機械『バーニング・ゼロ・ニベル・スラッシュ(BZNS)』が開発された。
そしてその星の名前は『シグナルライン』と名付けられた。
しかしその星には大変なことがあった。 それは・・・
『年に二度、巨大な隕石が降ってくる』
ことだった。巨大といっても、ざっと月くらいの大きさの隕石が、年に不定期に飛んでくるのである。
その隕石の迎撃のため、学生は皆BZNSに乗り込むのだが、なぜ今こうして匙人達が宝くじ会場にいるかというと・・・
『運』の訓練である。
確かに、匙人たちは 1等 や 1000円 といったが、実際はその名前を継いだ 『名誉』である。
しかし、この名誉を獲得するためにも、300円が必要だ。そしてさらに300円は戻ってこない。つまり、瞬太は『普通』なのである。 しかし、名誉だけ授けても戦闘する気にならないのは政府だってわかっている。 そして次に行われるのが
『武装』の訓練だ。この訓練では、貸出用のBZNS、もしくは自機のBZNSを使い、相手を行動不能に追い込むまで戦闘する訓練だ。 しかし、自機のBZNSの値段は10~15億だ。 当然持っている人間は50人に1人ぐらいだ。 しかし、その人数の中に匙人はいた。
BZNSは高さは11~27mとロボットにしては小さい方である。 武装はそのBZNSによって変わる。
そしてこの武装訓練のBZNSの能力は、高さ11m、体重145t、3秒以上長く触れたものを秒速300km先まで飛ばせる手、ビームサブライフルにもなる足、頭部ライフル、マシンガン、軽量型ミサイル、そして-40度~750度まで耐えられる強靭な装甲である。 このBZNSは「シャル・トリガー」という名前になった。
そして訓練当日、匙人は自身満々、梨美はドキドキワクワク、瞬太はうおっ、金充がいるじゃん!!という気持ちで訓練に挑んだ。
「それでは、第32回武装訓練を開始する。訓練兵長は私石井高次が務める。」
この男は第28回武装訓練をトップ成績で合格して人間だ。
「では、訓練兵No:301、出てこい。」
「は、はい!!」
勢いよく返事したのは匙人だった。
「お前、自分のバゼニス(BZNS)を持っているか?」
「はい、ニーディング・マルスです!」
ニーディング・マルスとは、高さ24m、体重520t、8本のビーム・サーベル、2丁拳銃のビーム・マシンガン・ライフル、マルスの霧(麻痺煙幕)、大型ビーム・ライフルである。
「・・・ほう、それでは、No:302と戦ってもらうか。おい!」
「はーい、よろしくですー」
No:302は陽気な小学6年生ぐらいの子供だった。
「小学生相手でも手加減しないよ。」
「それでも僕は、負けないよー?」
「ぐだぐだしゃべるな!!それでは、訓練・・・開始ッ!!」
高次の一言で一気に試合会場は緊張感に包まれた。
厨二病がとてもよく入っている作品です。 まぁ、かっこつけたい年頃なんですね、多分、はい、多分・・・