表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。それでも彼の恋を応援する恋愛物語  作者: アオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/55

#6 テストとジャンルの悲鳴

皆さん、こんにちは!アオです!

それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。

それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!

翌日、私たちは担任の先生に部活動の顧問になってほしいとお願いする。

先生「わかった。とはいっても大したことはしていないだろう。

   よって毎日、監督責任で部室は行かないぞ!いいね」

何という先生だろうか。しかし幸いにも先生が承諾してくれたため

私たちは苦笑いをして先生のサインをもらう。


放課後、部室に行き無事先生が顧問になったことを先輩たちに伝える。

大川「二人ともありがとう。めちゃくちゃ助かった!」

大川さんは目を輝かせて私たちにお礼を言う。

井口「よ~し!顧問の先生も決まったことだし小説書こう~」

井口さんがそういうと無言で襟をつかむ二人の先輩。


荒川「井口、一つ忘れていることはないかな?」

いつもよりも声のトーンを落として荒川さんが言うと乗っかるようにして

大川「そうだよ瀬名。明後日から始まるテストに向けて勉強しないとね」

井口「いやだぁぁ~」

井口さんの断末魔が部室に響き渡った。


その後、荒川さんと大川さんにはさまれるようにして井口さんが座る。

私「えっと、これは一体……?」

荒川「本来テスト期間に入ったら部活動は原則禁止なんだけど

   元文芸同好会は先生の許可をもらって放課後も部活という名の

   テスト勉強をしている。人数が少なく集中できるからね」


大川「それに瀬名とはクラスが別だからこうやって会えるのが

   部活くらいで。それで勉強を教えてるのよ」

荒川「二人も集中できるならテスト期間中でも部室に来ていいからね」

弘樹「了解です!そうします!」

弘樹がそう返事をしたので私は内心ガッツポーズをした。


弘樹と一緒にテスト勉強ができるとは思ってもいなかったためうれしい誤算だ。

ちなみに弘樹は私が教えるはずもなく頭の出来が良いのでもしかしたら

私が教えてもらう可能性すらあるくらいだ。

私の学力は中の上くらいだから決して低くはない。


数分後、井口さんが二人に教えられているのを横目に私たちは

新たな小説を書き始めた。先輩たちから"自由に書いてよい"と言われたので

何を書こうか迷っているところだ。隣をちらりと見ると

話の内容を思いついたのか弘樹がペンを進めていた。


恋愛小説……は弘樹に見せることも考えると恥ずかしすぎてやばいから

却下で、調べてきた人気の異世界転生は……読んだことも見たことも

なくどんなのか想像がつかないから却下。推理ものはそこまでうまい

トリックを考えることができないため却下。

バトルものも異世界転生と同じでネタが全く思いつかないので却下。

……私はどんなジャンルのものだったら書けるのだろうか。


弘樹「あれ、佑月全然手が進んでないね」

急に言われて私はドキッとして弘樹の方を見る。

私「あっ、ああうん。私がどんなジャンルが向いてるのかなって」

弘樹「あ~、確かに。とりあえず思いついたジャンルのもの手あたり次第に

   書いていったらいずれ書きやすいものが見つかるんじゃない?」

私「そうだよね!そうしてみる!」


私がそう返事をすると弘樹は目線を原稿用紙に落として再び真剣な顔をしながら

小説を書いていた。このギャップすごいな~。

弘樹のアドバイス通り私はとりあえずのジャンルで書いてみることにする。

一番最初に選んだジャンルは異世界転生だ。

しかし何も知らずに書くのはさすがに無謀なので先輩たちが

書いた部誌を読み漁ると短編の異世界転生があった。

作者は"K"……つまり荒川さんだ。いくつか異世界転生があったので見てみると

どれも荒川さんが書いているものだった。


もしかして得意ジャンル一本で勝負をしているのかな?

そんなことを思いながら読み進めていくとわかったことがあった。

呪文や技名などはカタカナで少しばかり中二病の痛々しいものが良いらしい。

うん、私にそんなことが考えれるか!

ということで異世界転生ものはまた別の機会にでも書くとしよう……


どうしようかと迷っていると部活動終了五分前となっていた。

私「えっ!?もう部活が終わるの!?」

大川「ほんとだ。瀬名この問題でラストにしようか」

井口「やっと……やっと……終わってくれる……助かったぁ~」

そう言って最後の問題を解いた井口さんは椅子があるのに

それをすり抜けてそのまま地面に落ちていく。


荒川「井口に勉強を教えるのって結構骨が折れる作業だよな。

   でもそれだけやりがいがあるぞ!」

井口「もぉ~、ビシバシやられている私の気持ちも考えてよぉ~」

そう言いながら井口さんは荒川さんの肩をたたく。

荒川「ちょっ、痛いって」

そうは言ったものの少しばかりうれしそうな荒川さん。

やっぱりこの二人って第三者が入れない"何か"を持っている感じだ。


大川「ほら二人ともあいさつするよ」

一同「ありがとうございました!」

井口「やっと終わったぁ~!帰ったら何しようかなぁ~」

大川「……テスト期間前はそれでもいいけどテスト期間は帰っても

   私が勉強につくからね」

井口「えぇ~……それだけは、勉強だけは勘弁してぇ~」

その会話を私たちは微笑みながら見て部室から去って行った。

読んでいただきありがとうございました!

ブックマークや評価を付けてくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ