#55 エピローグ
皆さん、こんにちは!アオです!
とうとうこの作品も最終回です!
それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。
それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!
新年が始まり早くも一週間と少しが過ぎた。
そして今日からとうとう三学期が始まる。私たち一年生は
もう入学してから一年が経とうとしているのだ。やっぱり時の流れは
とても早く感じる。
知美「あけおめ~!」
教室に入ると元気な声で知美が挨拶をしてくる。
私「あけおめ、知美。朝から元気だね」
知美「でしょでしょ。冬休み結構な頻度でデート行ってきたから
テンションが絶好調なの!」
そう説明する知美に私は思わず苦笑いする。
私「そういえば、弘樹と先輩無事付き合ったよ」
私がせっかく声を潜めて言ったのにも関わらず知美は声を大きくして
知美「えっ!?まじっ!やっと!」
私「しっ!知美、声大きい!」
知美「あっごめん。それにしても佑月はお手柄だね!
二人の恋のキューピッドって感じで!」
私「まあね……その付き合い始めた日がクリスマスの日で
遊園地デートの最終地点として告白って流れだったんだけど
その様子見ていて思わず泣いちゃって……私の恋はこれで終わるんだなって」
知美「うん……辛かったよね。佑月は頑張ったよ」
私「でも大丈夫!今度こそもう泣いたりしないから!
今では心から祝福できていると思うから!」
知美「それはよかったよ。佑月も新しい恋が見つかるといいね」
私「まあ少しはいっかな。だって身の回りに三組もカップルがいるんだから」
知美「そんなにいるんだ。佑月は大変だね~」
その"大変だね~"と知美も含まれているんだけどな……
そう思いながら知美と話していると……弘樹が私の方に近づいてくる。
知美は察したようで少し遠くに行って私たちの方を見ている。
弘樹「おはよう。改めて言うのも変だけどここまで手伝ってくれて
ありがとう。本当なら全然手伝わないって選択肢もあったはずなのに」
私「そんなお礼なんて今さら……それに私たちは手伝いたいって
思って手伝っているだけだからそんな気にすることないよ。
ただ一つだけ理由を言うならば……いやなんでもない。
とにかく弘樹の恋が実って何よりだよ」
私がそう言うと弘樹はニコリと笑って去って行った。
知美「やっぱりまだ心残りがあるんじゃないの?」
私「そんなことないって、しっかり"元"好きな人だから。
それに今のは改めてお礼を言ってもらえただけだから。
そこに恋愛感情なんてお互いにないよ」
知美「はぁ~……とりあえず知美が新しい恋になるまで私の周りの恋愛事情は
特になさそうだな……何か新しい恋があったら絶対に私に
報告してよね!いいね!」
私「はいはい、わかってるよ」
そう言って私たちは各自の席に戻った。
それから十年後……
大人になって仕事とかで忙しくなり友達や先輩と会う機会が減っていたある日。
二回目の結婚式の招待状が届いた。
私は"待ってました"と言わんばかりに手紙を開封し内容を読み始める。
とはいっても大川さんと弘樹から聞いていた通りこの二人の結婚式だ。
あれから二人は順調に交際を続けて最近になって弘樹がプロポーズを
したらしい。大川さんは"かなり遅くない?"なんて愚痴っていたが
それでも二人の仲は良好そのものだった。
まさか高校で付き合ったカップルがそのまま破局せずにこうやって
結婚するのは驚きだが、その式の中で私は"学生時代の友人"でスピーチを
することになっている。少し前にも知美の方でスピーチをしたばかり
だったけど今度はこっちでスピーチするのか。
しっかりと原稿を考えてやっていかないとなと思いながら
出席する旨を書いてポストに投函した。
司会「それでは続いて新郎新婦のご友人である佑月様のスピーチです」
結婚式当日。井口さんや荒川さんも来ていて久しぶりの二人に
私は思わず声をあげて喜んだほどだ。
そして司会の人にそう言われて私は舞台に立つ。
私「弘樹さんと瀬野さんは私たちが通っていた文芸部の部員でした。
そこからいろいろなことがあり学生の時に二人は付き合いました。
そこに私も直接関わっていたのでその日のことは今でも鮮明に思い出します」
そう言って二人を見て一呼吸を置く。
私「それがまさかこうやって結婚式をあげることになったのは驚きですが
うれしさの方が大きいです。あの時、二人を手伝ってよかったなと
しみじみ思います。さて、この二人にも今初めて話しますが学生時代
実は二人からほぼ同じ時期に恋愛の相談を受けていました」
私がそう言うと二人は顔を見合わせ頬を赤く染める。
私「そんな二人に私は思わず"早く付き合っちゃえばいいのに"なんて
思いながら二人のサポートをしていました。あの時は
本当に楽しかったです。二人ともありがとう。
それでは話を戻しましてこれからも二人の幸せが末永く続きますよう
お祈りして私からのスピーチとさせていただきます」
スピーチを終えると拍手の嵐が巻き起こる。
式は順調に進んでいき、ケーキ入刀の時間になった。
二人で包丁を握ってケーキを分ける二人のあの幸せそうな顔は
まさに私たちがきっかけをつくりあの二人が一緒に道を歩んだ
そのもののように感じた。
まずは読んでいただきありがとうございました!
部活動内での恋愛模様を書いた作品でしたがどうでしたでしょうか。
とくに最後の方では片想いで終わってしまう展開に執筆をしている
僕自身も"なんで報われないのかな~"なんて思ってしまうほどでした。
この作品はこれで終わりですが、これからも執筆していくので
そちらの作品も見ていただけると助かります!
それではまた次回作でお会いしましょう!アオでした!




