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私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。それでも彼の恋を応援する恋愛物語  作者: アオ


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54/55

#54 新年

皆さん、こんにちは!アオです!

それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。

それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!

眠たい目をこすりながら私は家を出る。

ひんやりと冷たい空気が肌に触れる。やっぱりこんな時間に

外に出ることがないからわくわくするな。

現在時刻は十二月三十一日二十三時を過ぎたところだ。

これから部活のみんなで初詣に行くのだ。


さすがに時間が遅いということで大川さんの親が送っててくれるらしい。

すると同じタイミングで隣から弘樹が家から出てきた。

私「こんばんは?なんか変な時間だよね」

弘樹「だね。結構楽しみ!」

弘樹はそう言いながらニコリと微笑む。そりゃあ好きな人と結ばれて

新年を一緒に過ごすことができるのだからそうだろう。


談笑しながら集合場所に行くとすでに大川さんたちがいた。

井口「いや~それにしてもこの時間は寒いね~」

荒川「ほれ、これであったかいだろう」

そう言って荒川さんは井口さんの手を握る。

井口「あっ……ありがとう」

顔を赤くしながら井口さんがお礼を言って沈黙が流れる。


しかも弘樹と大川さんもなんかいい感じだしさ~……

私だけ置いてきぼりなんですけど!?

大川「じゃあ親が車出してくれるみたいだから行こうか」

ということでしんみりとした雰囲気のまま大川さんに着いて行く。


大川母「この子たちが部活の子たち?」

大川「うんそうだよ。お母さん」

大川母「どうも瀬野の母です。いつも瀬野がお世話になっています」

弘樹「あっ……いえ、とんでもないです!?」

弘樹は初の大川母の登場にあたふたしている。


井口「今日もよろしくお願いします!」

そう元気に挨拶する井口さんの様子からどうやら昔からこの二人は

家族付き合いがあったこともわかった。

大川母「相変わらず瀬名ちゃんと圭君はお似合いだね~」

そう言って大川母は車に乗る。

気づかなかったがどうやらここに来るまで二人は無意識に

手をつなぎっぱなしにしていたらしい。

それを大川母に見られて今に至るわけだ……二人とも顔を赤くしてる。


邪念を払うというのに邪念ばかりたまっていくのは良くないな……

そんなことを思いながら私は車に乗り込む。

そして車が走り続けること二十分……

夜ということもあり思ったほど話し声は聞こえなかった。


それに弘樹は眠かったようで大川さんの肩を借りて寝ていた。

すぐ前にお母さんがいるということで顔を真っ赤にしながら

体が震えていた。やっば、私のこの立ち位置最高すぎ!

そう思っていると海岸沿いで車が停車する。

大川母「終わったら連絡頂戴、迎えに来てあげるから」

大川「うん、ありがとう。じゃあまた後で」

私たちも大川母にお礼を言って神社へ足を進める。


神社に近くなるにつれて人が多くなっていく。

私以外はカップルなのではぐれないように手をつないでいる……

案外、この立ち位置辛いかもしれない。

そう考え事をしていると階段につまずく。

転びそうになりながらなんとか体制を立て直す。

大川「佑月ちゃん大丈夫?」

私「はい、ちょっと考え事をしていただけですから!」

大川「新年早々転ぶと運勢悪いからね~」


時刻は十一時五十分……もう少ししたら日付が変わる。

この一年いろいろなことがあった。高校入学してまさか成り行きで

文芸部に入部してこんな波乱な日常を過ごすなんてことは思っていなかったけど

恋愛に振り回されながらもなんとか無事に一年過ごすことができた。

長年の恋が叶わぬ状態で終わってしまったけど私に後悔はない。

むしろすがすがしいくらいだ。恋のキューピッドになれて

そして好きな人が笑顔でいてくれてこれ以上の幸せはほぼないと思っている。


井口「みんなこっちきて~!写真撮ろ~!」

大川「いいね!すぐ行く!」

私も井口さんの声をきいてすぐに向かう。

井口「はいチーズ!」

ぎゅうぎゅうに引っ付いた状態で私たちは写真に写る。


私の恋はかなわなかったけどこうやって楽しく過ごせて何よりだ。

十一時五十五分……もう数分で新年が明ける。

来年はどんな一年になるんだろう。新しい恋が始まるのかな……

でもとりあえず恋愛は、もうお腹いっぱいな感じがする。

だって、身近な人で二組……いや三組のカップルを見ているのだから。


井口「ねえ、年明けた瞬間にみんなで一斉にジャンプしよ!」

荒川「あれか、"地球にいなかった"のやつか!」

大川「いいね。じゃあ少し広い場所に移動しようか」

そうして私たちは少し人混みがはけたところに行き年明けの瞬間を待つ。

十一時五十九分……残り一分を切った。


井口「十、九、八!」

年が変わる直前、いきなり井口さんがカウントダウンをし始める。

井口「五!」

荒川「四!」

大川「三!」

弘樹「二!」

私「一!」

一同「ゼロ!!」

その瞬間、一同に手をつないで私たちは地面から離れた。


井口「あけおめ~!みんな今年もよろしくね!」

荒川「ああよろしくな」

大川「よろしく!」

弘樹「よろしくお願いします!」

私「よろしく!」

お互いがお互いの顔を見合わせて新年のあいさつを交わす。


()好きな人と部活動の先輩たちとこうやって

笑いあって新年を過ごすこの時間が永遠に続けばいいなと思った。

読んでいただきありがとうございました!

コメント(感想)をくださるとうれしいです!

おそらく次回が最終回となります!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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