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私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。それでも彼の恋を応援する恋愛物語  作者: アオ


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53/55

#53 新たなカップル

皆さん、こんにちは!アオです!

それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。

それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!

泣き疲れた私がウトウトしているとあっという間に観覧車は

一周を回って地上に戻ってきた。目をこすりながら観覧車を出ると

すぐそばのベンチで井口さんたちが待っていた。

どんな顔をしてどんなことを言ったらいいか迷っていると……

井口「佑月ちゃんも戻ってきたことだし帰ろうか」

井口さんはさっきのことについてこれ以上言及せずに帰り始める。


そして帰りの電車内……

私「あっ、あの井口さんさっきはすみませんでした……」

井口「ああ、大丈夫だよ……佑月ちゃんの今の状況を知ってるにも

  かかわらずこんなことを言ったあたしもだめだけどね」

苦笑いをして井口さんは車窓を眺める。

井口「あたしはさ佑月ちゃんみたいな経験はしたことがないから

   よくわからないけど辛いよね……」


しんみりとした気持ちを表すかのように夕日が傾いている。

井口「"次の恋があるから大丈夫"みたいな無責任な言葉は言えないけど

   今は辛いかもしれないけどきっと……きっと、時間が経てば

   普通に接することができるんじゃないかな」

私「……そうですよね。前からわかっていたのに今頃くよくよするなんて

  すごく情けないですよね!二人の恋が実ったんだから!」


井口「うん、辛くなったらいつでもあたしに吐き出していいからね」

私「ありがとうございます。でももう大丈夫です!」

井口「佑月ちゃんならそう言うと思ったよ」

そう会話をしていると降りる駅の名前のアナウンスがかかった。

井口「ほら圭起きて。降りるよ~」

井口さんの肩で寝ていた荒川さんを起こして私たちは戻ってくる。


私「そういえば大川さんたちってもう帰っていますよね?」

井口「うん、あの二人ならめちゃくちゃニコニコしながら遊園地を

   出て駅の方向に行ったから帰っていると思うよ」

私「待たせてたみたいですね、すみません」

井口「全然大丈夫!センチな気持ちになりたいときくらいあるからさ!」

井口さんがセンチな気持ちか……全くもって想像がつかなかった。


井口「それじゃあまた部活で~!」

私「はい!ありがとうございました!」

そう言って私たちはそれぞれの家に戻って行った。


その日の夜、冬休みの課題をしていると弘樹から電話がかかってくる。

電話を取った直後の私はきっとドキドキしていただろう。

弘樹「大川先輩と付き合うことになった!」

電話越しからでもわかるほどに弘樹は興奮している様子で

ニコニコとしている弘樹の顔がすぐに想像できた。

私「まじっ!?よかったじゃん!!おめでとう~!」


気持ちを悟られないように私はまるで"何も知らなかった"かのようにふるまう。

弘樹「ありがとう!これもいろいろと相談を乗ってくれた

   佑月のおかげだよ。めちゃくちゃうれしい」

私「フフッ、それは良かった。協力したかいがあったよ。

  これからのデートの予定とかは決まったの?」

弘樹「でっ……デートなのか……そっか付き合ったからデートなのか……」

私が少しばかりいじると弘樹は当たり前のことを電話越しで言う。


私「彼氏なんだから彼女をしっかりとエスコートしてあげないと!

  私も手伝うからさ、またデートの予定でも立てたら?」

弘樹「そうだね。とにかく本当にありがとう。

   佑月には感謝してもしきれないくらいだよ」

私「大げさだな~、せっかく彼女ができたんだから風邪なんか引いたら

  私が招致しないからね。おやすみ」

弘樹「わかってるよ、おやすみ~」

そう言って私は通話を終わらせた。今の私に後悔はない。

あるのは心の底からの祝福ができたという事実そのものだ。


それから数日後、大晦日まで残り数日となった日。

冬休みの部活動で部室に入る。ちなみに弘樹は今日も塾があり来れないそうだ。

あ~残念、せっかく彼女が待っているっていうのに……

そんなことを思いながら扉を開けると井口さんと荒川さんが

大川さんに質問攻めをしている様子がうかがえた。やっぱりそうだよね。

井口「あっ!佑月ちゃんいいところに!これから瀬野にたっぷり問い詰める

   ところだから佑月ちゃんも手伝って!」


私「はい!さあ大川さんたっぷりとお話お聞かせ願いますよ」

大川「えっ!?佑月ちゃんもそっち側なのぉ~!?」

それから暴れまわる大川さんを取り押さえながら質問すること十数分。

大川「……という感じで付き合うって流れになりました」

井口「ひゅ~ひゅ~!やっぱり前から二人はお似合いだと思っていたよ」

私「ですね。弘樹の方も大川さんにベタ惚れしていましたから」

私と井口さんがそう言うと本人がいないにも関わらず大川さんの顔が赤く。


大川「はいっ!この話はおしまい!普通に部活やるよ~!」

井口「なんだ~、まいっか」

荒川「それで年末年始はどうするんだ?みんなで初日の出見に行くのか?」

井口「そういえばそんな話してたね!せっかくだから行こうよ!」

私「いいですね。新たなカップルの誕生も記念してお参り行きましょうよ」

大川「ちょっ、佑月ちゃんもいじるの!?

   ……まあそうだね。私も行きたいし年末年始はみんなで初詣に決定!!」

読んでいただきありがとうございました!

コメント(感想)をくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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