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私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。それでも彼の恋を応援する恋愛物語  作者: アオ


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#52 二つの恋の終着点

皆さん、こんにちは!アオです!

とうとう物語はクライマックスとなってきました!

前半は弘樹と大川さんの会話をお楽しみください!

それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。

それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!

~観覧車の中で……~

大川「ごめんね、せっかくのクリスマスなのに誘っちゃって」

僕「そっ、そんなことないですよ……誘ってくれてうれしかったですし」

大川先輩の顔が直視できない僕は窓の外の景色を見る。

大川「こうやってのんびりする時間とかも私嫌いじゃないよ」

僕「わかります。読書をしているとやっぱりこういう時間が一番の

  至福のひとときなのかもしれないですね」

大川「弘樹君いいこと言うね」


しばらく沈黙が続く……でもその沈黙は気まずいとかそういうものでなくて

"心地が良い"。そんな時間を大川先輩……好きな人と過ごせて幸せだ。

永遠にこの時間が続いてほしいとさえも願うくらいだ。

僕「大川先輩、今日は誘ってくれてありがとうございました。

  ずっと勉強か執筆だったのでなんだかリラックスできました」

大川「それはよかったわ。私も楽しかったし、また行かない?

   今度はどっか遠いところにでも」


僕「いいですね。今からでも楽しみです」

再び沈黙の時間が流れる。

目には夕日に照らされている大川先輩の顔が映っていた。

僕「きれい……」

二人きりということすら忘れて僕は思わずそう声をもらす。

大川「えっ?」

僕「いっ……いえ、なんでもないです、すみません」


自然と心の声が漏れてしまっただけあって恥ずかしい……

また窓の外の景色を見ながら考える……やっぱりここで言わないと

なんだか後悔する気がする……こうやって二人きりになれる時間なんて

この先、ないかもしれない。でも怖い……気持ちを伝えるのが。


そんな心の葛藤を繰り広げていると終わりの時間が近づいていることに気が付く。

やっぱり僕はここで言わなかったら絶対に後悔する!

大川「弘樹君」

僕「あのっ、大川先輩!」

僕が大川先輩の名前を呼んだのと同時に大川先輩も僕の名前を呼んだ。

僕「すっ……すみません、大川先輩からいいですよ」

大川「えっ、いや弘樹君から先にいいよ」


あれ、大川先輩の顔が赤い……なんでだろう……

僕「大川先輩……こうやって一緒にしゃべったり部活のときに手伝ってくれたり

  いろいろと大川先輩との時間が僕は一番楽しいです……あのっ、そのっ

  すっ……好きです!よかったら付き合ってください!」

言った。言ったぞ……てんぱってわけわからない文章になったけど……

僕「えっ、大川先輩!?」

僕が顔を上げると大川先輩の頬を伝って涙が流れていた。


大川「っ……ごめんねいきなり泣いちゃって……うれしい。

   わっ、私もさ告白のために今日のデート誘ったのに弘樹君に言われちゃって

   全然計画と違う……でもうれしい。私でよければお願いします」

僕「えっ!?ちょっ、大川先輩!?」

大川先輩はそう言った後、僕に抱き着いてきた。

それから観覧車が終わるまで僕はそっと大川先輩を抱きしめた。


~片想いの終着点~

井口「あっ、二人が観覧車から出てきたよ!んっ!!」

井口さんにそう言われて二人を見てみると手をつなぎながら顔を真っ赤に

している姿が確認できた……つまり成功したということだろう。

荒川「信じてはいたけど最後までドキドキしたな」

井口「だね!とりあえずよかった~二人の恋が叶ったみたいで」

私「そうですね」

井口「えっ……佑月ちゃん大丈夫!?」


井口さんに言われて気が付いた……私は泣いているみたいだ。

最後は笑って二人を祝福しようと思ったのに……心から……

私「すっ、すみません。観覧車乗ってきます……」

井口「えっ、ちょっと佑月ちゃん!?」

井口さんの止める声すら無視して私はがむしゃらに観覧車乗り場に駆け込む。

観覧車に一人乗ってうなだれる。


大川さんと弘樹は両想いであれでよかった……

なのになんで……私はもう弘樹のことはあきらめたはずでしょ……

自分に強く問いかける。しかしその返事は返ってこない……

弘樹との思い出の数々がフラッシュバックする。

楽しかったな。でもそんな日々はもう未来永劫ないのかもしれない。

私生活は何も変わらないかもしれないけど"二人だけで"っていうのは

絶対に無理だ……なんでここに来て嫉妬心なんか芽生えちゃうんだろう。


涙は乾き、今の自分に対する絶望の方が大きかった。

失恋ってこんなにも心にくるんだ……もちろん前々から失恋していたことは

わかっていた。だけど心のどこかでもしかしたら弘樹の気持ちが

変わってくれるのかもしれないということを願っていたのかもしれない。

そんなこと願うはずないのに。


観覧車から出てきたあの二人、恥ずかしそうにしてはいたけど

それと同時にうれしそうな顔もしていたな。やっぱり好きだからかな。

そんなことを考えながら窓の外を見る。カップルや家族が手をつないで

移動しているのが見えた、それを見るだけで胸がチクりと痛む。

はぁ~、これから二人といつも通り接することができるのかな。


また泣き出したりしないかな。不安が心を取り巻く。

こんな気持ちになるくらいならいっそ好きにならなければよかったかも。

いや……もし時間が戻っても私は弘樹を好きになっていた。

読んでいただきありがとうございました!

ブックマークや評価を付けてくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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