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私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。それでも彼の恋を応援する恋愛物語  作者: アオ


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51/55

#51 クリスマスデート~後編~

皆さん、こんにちは!アオです!

それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。

それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!

それから時間が経ちあっという間に午前が終わった。

あれから二人をずっと観察し続けていたがやっぱりお互いがお互いのことを

好きだからこそああいう笑顔を見せられるんだなとしみじみ思う。

弘樹は私に対してあんな"好き"って笑顔を見せてくれたことがないのだから。

井口「いや~うまくやっているみたいで何より何より!」

荒川「二人は昼食をとり始めたみたいだし俺たちも何か食べようか」

井口「そうだね!じゃあ気になっていたあの店行こう!」

そう言って井口さんは少し遠くにあるサンドイッチ屋にかけて行った。


もしかして最初からこれが目的だったのではと思ってしまうほどのスピードだ。

井口「じゃあこのデカ盛りたまごサンドをお願いします!」

荒川「瀬名、もしかしてこれ全部食う気か?」

井口「もちろんだよ!ずっと二人を観察し続けてもうおなかがペコペコだよ」

メニュー表に乗っている写真を見てみたが腹が減っているにしてもかなりの量の

ものを注文したなと思いながら私もレギュラーサイズのものを注文する。


そして井口さんが受け取ったサンドイッチは私たちが頼んだレギュラーの

2倍……いや2.5倍くらいの大きさがあった。

私「あの井口さん、それ本当に一人で食べきれますか?」

井口「もう二人ともそんなに心配しなくて大丈夫!おなか減っているから!」

そっか、井口さんの腹に信用してみようと思い昼食をとり始める。

私「そういえば大川さん昔のいざこざで男子慣れしていないって話していましたが

  弘樹相手には全くそんな様子見せていませんよね」


井口「だね。瀬野が弘樹のことを好きなのは間違いないけど異性というか

   何というか恋愛感情はあるのに男子というよりかわいい後輩みたいな

   イメージが強いんじゃないかな。だからパッと見大丈夫そうに見えるけど」

荒川「確かにそうだな……俺も含めてだけどもしかしたら心を許した相手には

   反動で結構ベタつく性格なのかもしれないな」

井口「……それって圭がとられるってこと!?……いや瀬野に限ってないか」

今日の井口さんいつもに増してテンションの変化が急激だな。


井口「まあ何はともあれあれだけ自分のことを心配していた瀬野だったけど

   全然大丈夫そうな姿を見れて何よりだよ」

私「私もです。弘樹も結構心配していたみたいだったけどそんなことなくて」

荒川「だね。ほんとあの二人の楽しそうな笑顔はすごいよ」

話しているうちにあれだけあった井口さんのサンドイッチはもうなくなっていた。


井口「食べた食べた!それじゃあ午後も張り切って見守るよ~!」

私「ここからが本当の勝負ってやつですからね!」

井口「おっ、佑月ちゃんもわかってるね~!」

そして弘樹たちが昼食をとっていたレストラン付近まで戻ってくる。

するとちょうど二人が雑談をしながらレストランから出てくる。

井口「やばっ!二人とも隠れて!」

井口さんにせかされて私たちはすぐ近くにあった茂みに身をひそめる。


さすがにこんなところで出くわしたら二人は気まずさがやばそうだからね。

そして二人が通りすぎて行ったのを確認して私たちは後をつける。

荒川「危なかったな。相変わらず瀬名の反射神経の良さには助けられるよ」

井口「へへっん!昔から反射神経には自信があるからね!」


その後も二人の様子を見ているとまたメリーゴーランドに乗ったり

ジェットコースターに乗ったりゴーカートに乗ったり

コーヒーカップに乗ったりして遊園地のクリスマスデートを楽しんでいた。

井口「後で瀬野にこれをもってちょっかいを出そう!」

そう言って井口さんはデートっぽい二人の写真を何枚も撮っていた。

それを見た私たちは思わず苦笑いをするしかなかった。


……時間は過ぎていきあっという間に四時を過ぎていた。

この時間になってくるとあれだけはしゃいでいた井口さんがくたくたに疲れ

切っていてベンチで放心状態になっていた。

荒川「たくっ、これからが一番のところなのに……大丈夫か?」

井口「なっ、なんとか……いや~体力調整ミスったなぁ~」

そう言いながらベンチの背もたれに体をあずける。


私「井口さん!二人が観覧車の乗り場に向かっていますよ!」

井口「マジ!?二人ともこれが今日最後の見届けだよ!早く隠れて!」

観覧車乗り場のすぐ近くの茂みに隠れて二人の様子を伺う。

会話は聞こえないが少し遊び疲れた表情を浮かべながら楽しそうに話している。

私「……なんか両想いなのに緊張します……」

井口「だね。気持ちは二人とも"好き"ってはずなのに。なんだかねぇ~……」

夕日とマッチして私たちの心はセンチな気持ちになる。


そして二人が観覧車に乗ったのを確認して私たちは少し離れたところに移動する。

井口さんは祈るようなしぐさをして二人の行く末を見守っている。

私の脳内には様々な気持ちが駆け巡り何とも言えない感情になる。

この出来事が二人の恋の終着点であり、私の長年の片想いの終着点でもある。

そんな二つの終着点が今到達しようとしているのだった。

読んでいただきありがとうございました!

コメント(感想)をくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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