#46 クリスマスの計画
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。
それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!
私「お疲れ様です~」
そう言って私は部室の扉を開ける。
井口「なんで誘わないの!」
大川「さっ……さすがに二人きりじゃさ?」
なにこれ、絶対に今入ってはいけない雰囲気のような気がする。
私がその場から離れようとした瞬間、井口さんに見つかった。
井口「あっ!佑月ちゃんお疲れ~。弘樹君は?」
私「家族旅行ということで休みです」
井口「了解!ほら瀬野、作戦会議するなら今日がチャンスだよ!
それに佑月ちゃんもいるから相談しやすいでしょ」
大川「えっ、佑月ちゃん知ってるの!?」
いきなり大川さんが大きな声をあげるものだからびっくりする。
私「えっと……なっ、何のことでしょうか?」
井口「ほら瀬野の恋愛の話、恋愛!」
井口さんがそう言って私は思わず苦笑いをしてしまう。
私「大体の事なら知っていますよ……それこそ大川さんが弘樹を好きなことも」
大川「……恥ずかし……今日はこのまま帰ろうかな……」
井口「ダメだって!ほら佑月ちゃんも何か良い案がないかな?」
その後、井口さんに現在の状況を教えてもらう……
なるほど……もう少しでクリスマスだから何とか弘樹とデートに
こぎつけて告白したいとのことだ……えっ、こっ……告白!?
確かに大川さんから告白するのもありだがずっと弘樹のサポートをしていた
ため大川さんからすると言われるととてもびっくりだ。
井口「けど瀬野ったら自分に全然自信がないみたいでこの調子」
私「なるほど……でも私が見ている限りだと弘樹、意識していますよ」
大川「えっ!?本当!?」
ウソは言っていない。現に弘樹は大川さんのことが好き。
でもそれを端的に言ってしまうと弘樹に後で怒られそうだ。
ということで大川さんの自信をつけるために遠まわしに言った。
そして今回は見守り役の井口さんはニヤニヤして話を聞いている。
井口「ほらあたしの言った通りでしょ!だから瀬野は自信持っていいんだよ!」
大川「でっ、でも意識しているとは言っても"部活の後輩と先輩"だよ?
それならクリスマスデートはみんなで一緒に行くつまり
部活動関連の方がいいんじゃないかな?」
私「……確かにその方が自然かもしれないですがドキッとさせるためには
やっぱりデートつまり一対一の方が効果的ですよ。
それに弘樹なら鈍感だからそこまでしても気づかないですよ」
鈍感……本当にそうだよな。自分の実体験があるからこそそう言える。
井口「そうだよ!弘樹君鈍感だから大丈夫だって!それにあたしたちは
遠くから見守っておけば安心でしょ?」
荒川「確かにそれはいいかもな。少しでも緊張が和らぎそうだし」
大川「三人ともありがとう。私のためにそこまでしてくれてなんだか申し訳ない」
大川さんにそう言われて私の胸の奥がチクりと痛む……
そんなお礼を言われるほど私は優しくない。好きな気持ちを必死に
隠しながらも両想いの二人を応援しているだけのただの人に過ぎない……
だからこそ二人の恋を絶対に成功させたいという意思があるのだ。
井口「全然大丈夫だって!あたしたちが"好き"でやっていることだから!
じゃあクリスマスのデートプランを考えようか!」
ということで今日の部活動の内容は"デートプラン"ということになった。
先生がこの中に混ざったら感情がぐちゃぐちゃになって大変な気がした。
井口「やっぱりクリスマスと言ったらイルミネーションとかじゃない?」
私「でもここら辺で豪華なイルミネーションをやっているところはないですよ」
荒川「そういえば少し遠いけど遊園地でイルミネーションをやっている
ところを前にネットで見つけたことがあるぞ」
井口「それだ!遊園地デート!告白するタイミングは最後の観覧車の中で!
夜景を見ながら"好きです、付き合ってください"とか理想の世界!
よしっ!瀬野!デートプランはそれで決定!」
井口さんだけ一人で盛り上がって決定までもっていってしまった。
まあ確かにそんな告白されたら誰だってキュンと来るだろう……
というか本来それは弘樹がやる方が良いのでは?なんて一人でに思っていた。
荒川「じゃあつまりこんな感じか」
荒川さんは井口さんの言った内容を要約してホワイトボードに書き込む。
大川「荒君、ありがたいけどそのホワイトボードちゃんと消してよ……」
顔を真っ赤にしながら荒川さんにお願いする大川さん。
部長でしっかり者の大川さんがこうやって恥ずかしがっているところを
見るのは結構新鮮だな……弘樹がいたらギャップでやばそうだ。
そしてさらに数分後、話し合いや調べて昼食や実際の電車の時間など
細かいところまで計画を立てた……その早さに私は驚くばかりだった。
形になったデートプランを見て私は息をのむ。
これでやっと二人の恋が終わるのか……ハッピーエンドで終わってくれる。
……これで良いんだ。私の役目は"恋の応援"。自分ではなく好きな人を
優先するんだ、それでいいんだ。
泣きそうになりながらも私は必死に自分に言い聞かせる。
この恋心を誰にも悟られないように。
読んでいただきありがとうございました!
コメント(感想)をくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




