#45 私たちの恋愛小説
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。
それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!
大川「じゃあ書く順番はSNSに投稿していた順番通りでいいかな?」
井口「そうだね!そっちの方がわかりやすいと思うし!」
ちなみにSNS用の小説は書く時間が少なくてまだ一周も回っていないようだ。
大川「SNS用の小説はちょっと検討が必要かもしれないね。まあそれはそれとして
じゃあその順番で物語を五分割にしていこうか!」
ということで私は四番目となった。弘樹は一番最後のところを書く役割で
その前が私ということで協力しないとやばい物語になりそうだ。
それから部活動ではこの小説を書くための案やネタを出していく。
水族館デートや三角関係、はたまた年の差の恋愛……ネタを出していく中で
思ったのが結構人によって思いつくネタが全然違うんだなと思った。
確かに"水族館デート"なんかはありきたりで誰もが思いつけそうなものだが
私にはその時全く思いつかず"確かに!"と思ったほどだ。
こうやって話し合って内容を決めているときもかなり楽しい。
それになにより大川さんと弘樹が楽しそうにしゃべっているのを見るのもよい。
そして数日の話し合いの末、大体の物語の方向性は決まった。
しかしすでに十一月下旬……あと一か月程度したら冬休みだ。
大川「これじゃあ印刷まで間に合わないから冬休みの部活の日数を増やすね」
荒川「そうだね。さすがに今年中に完成させたいしね」
弘樹「冬休みだと講習が何回かあるのでその日は休ませてもらいます」
その言葉を聞いた大川さんの顔が一瞬だけ曇ったような気がした。
大川「了解。まあ弘樹君は一番最後だからそこまで慌てなくていいからね」
やっぱり好きな人は気にしているみたいで大川さんが弘樹にだけ他の人よりも
優しい気がする……嫉妬なのかな……?
井口「あれれぇ~瀬野なんか弘樹君にだけ甘くない~?」
大川「べっ……別にそんなことないわよ!それにかわいい後輩にひいきくらい
してもいいでしょ!」
あっ、そのことは認めるんだと思いながら苦笑いで二人の会話を聞く。
井口「まあ別にいいけど?かわいい後輩だからね~」
そう言いながら井口さんは私の方に目線を合わせてくる……
その後も大川さんと井口さんの言い合いが続いて結局荒川さんが
入って無事に喧嘩は収まったようだ。なんだか最近二人の喧嘩が多い気がする。
そしてとうとう十二月に突入した。寒さも強くなり学校へ登校するのを
断念したくなるくらいの寒さだ。それに手がかじかんでしまい
小説を執筆するのもままならない状態だ。
井口「あ~!もう!手が思うように動いてくれなくてイライラする!」
みんなで作っている小説はすでに大川さんが書き終えて次の井口さんに
わたっている状態だ。しかしこの寒さ、やっぱり井口さんも文句を言う。
大川「本当に文芸部にとって冬は天敵だよね……ということで先生にお願いして
もらってストーブを部室に置くことができました!」
そう言って大川さんは段ボールの中からストーブを出す。
井口「おぉ~!いいね~!ずっとストーブで暖まりたい~」
大川「瀬名は小説の執筆が最優先だから指先が温まったらすぐに書くこと!」
井口「え~……せっかくポカポカになれる機会なのに~」
そう言いながら井口さんはしぶしぶ小説を執筆し始める。
井口「よしっ!やっとできた~!瀬野確認よろしく~」
大川「了解。始めるまであれだけ言っていたのに結構集中していたわね」
井口「でしょ。やっぱり始めるまでが大変なんだよ~」
井口さんの意見に激しく同意だ。
大川「いいね、最初の部分と話が繋がっているし何より登場人物の心情と
背景がリンクしていて読み手も深堀しやすいわ」
確かに井口さんの作品を読んでいると人物の心情と背景がとても
丁寧に書かれているため人物の心情がより鮮明になっている気がした。
なんて知ったかぶりのように思っていたが井口さんの作品はそれだけ
考えられて作られているということだ。
弘樹「井口先輩の作品丁寧に書かれていて読みやすいですよ」
大川「やっぱり弘樹君もわかるよね。そういうところが瀬野のいいところで
それを活かした執筆が出来ているのが瀬野らしいよね」
井口「めちゃくちゃほめてくれるね~。もっと褒めて~」
大川「それ以上褒めると調子に乗り始めるからダメ。次荒君よろしく」
荒川「了解。瀬名のレベルが高いから一気にレベルが下がるかもしれないが
そこは勘弁してくれよ」
井口「そんなことないって!異世界転生ものはあまりよくわからないけど
多分圭のは読みやすいって!だから大丈夫だよ!」
荒川「そうか?まあありがとな」
なんだこの空気……いちゃつきから夫婦のしっとり期みたいな感じになっている。
その様子を少し遠くでニヤニヤしながら見守る大川さん。
大川「やっぱりいいわね。恋愛小説を書いていてもニヤニヤしちゃう」
……確かに私も小説を執筆しているとニヤニヤしちゃうがそれと同時に
現実とリンクさせてしまい落ち込むことだってある。
それは私だけだから周りに共感してもらえないのが残念だ。
読んでいただきありがとうございました!
コメント(感想)をくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




