#42 私の本当の気持ち
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。
それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!
大川さんたちがそんな会話をしていると
荒川「そろそろ時間だし解散するか」
大川「そうだね。また明日」
井口「圭一緒に帰ろ!瀬野たちもまた明日~」
そう言って井口さんと荒川さんは帰って行った。
私「弘樹ちょっといい?」
私が弘樹にそう言うと大川さんは"何か"を察して無言で私たちから
離れていく……大川さんに感謝だ。今だけは自分の気持ちを伝えたい。
私たちは帰る方向に少しずつ歩きながら話す。
弘樹「ところでどうしたの?」
私「弘樹ってさ大川さんのこと本当に大好きなんだよね」
半分弘樹のことを無視しながら話始める。
弘樹「えっ……たっ、確かに好きだけど大好きとかは……」
すぐに弘樹が訂正しようとするが私がそれを止める。
私「いや弘樹の場合は"大好き"だよ……わっ、私だって」
その後の言葉を言いたいのにのどにつっかえてかすかすな音しか出ない。
私「私だって……」
今言わなきゃどこで言うんだ私、今すぐ弘樹に気持ちを伝えろ!
そう必死に自分に言い聞かせるのだが言葉が思うように口から出ない。
私「……いやなんでもない。弘樹はそのまま"好き"って気持ちを持ち続けて
そのままの状態で大川さんにぶつければいいよ」
今の私は笑って弘樹を応援できているのだろうか。
弘樹「うん!ありがとう、佑月がいないと全然何もできなかったよ」
良かった、ひとまずはバレていないみたい。
私「そんなことないって」
弘樹「佑月はそう思うかもしれないけど本当に助かってる。
ありがとう、これからもよろしくな!」
弘樹の笑って言う顔が私は好きだ。だからこそ気持ちは伝えなくて
良いのかもしれない。そう思って……
私「うん、もちろんだよ。たとえ振られても私が慰めてあげるから」
弘樹「振られる前提で話を進めるな!」
弘樹にツッコまれて笑いあう私たち。やっぱり私は今のままを望むな。
こうやって笑いあえる仲で弘樹と大川さんの両片想いが続く
そうすれば私は不満一つもらさず生活できるはず。
……いやでもそれは本当に私が望む生活なのだろうか。
いやその前に弘樹が告白してめでたくハッピーエンドか。
弘樹「とりあえずありがとな!じゃあまた明日!」
私「うんまた明日」
手を振って弘樹を見送る。その後ろ姿に胸が締め付けられたのは
言うまでもない……
翌日、私が登校すると上機嫌な知美がいた。
私「おはよう。めちゃくちゃ機嫌良いけどどうしたの?」
知美「あっ、佑月おはよ~!実は先輩と付き合うことになりました!」
そうニコニコの笑顔で伝える知美。
私「おぉ~!おめでとう~、もしかして文化祭の後?」
知美「そうそう!先輩に"一緒に回ろう"って言われたときは少しだけ
期待していたけどまさか期待以上のことをしてくれるなんて
マジで最高すぎ~」
それからは知美の溺愛エピソードを十数分間聞かされ続けられた。
私「まあ何となくは予想していたよ。ずっと前から」
知美「えっ、マジ!?確かに私はめちゃくちゃアタックしてたけど
そこまでいい感じだったのかな?」
どうやら知美は自分を客観視できていないようだ。
私「そうだよ!いい感じだったよ!先輩が私たちのクラスに来るペースが
異常だったから知美のことが好きなのかな~って思っていたから」
知美「そう思っていたんだ……もう少しわかりやすくアピール
してくれてもよかったのに」
そう話す知美に私は苦笑いをしてしまった。
知美「そうだ。結局、弘樹とその先輩はどうなったの?」
話が一気に変わって弘樹についてになった。
もうだいぶ諦めがついた私を見て知美はどんどん質問をしてくるようになった。
私「二人は相変わらずいい感じ止まりってとこかな。文化祭、弘樹の方から
誘ったのにそれ以上のことは何もないとかこっちが悲しい」
知美「そっか~」
私「でも文芸部の打ち上げってことで昨日、カラオケに行ってきたんだけど
なんか大川さんが私に対して嫉妬してるらしくて」
知美「そりゃあするでしょ。幼馴染ということを知らなければみんな
"あの二人って絶対に付き合ってるよね"って噂するレベルだよ」
私「そんな?確かに距離が近いかもってことはあるけどそこまで
噂になるレベルではないでしょ」
知美「いやいや、いまどきの高校生をなめてもらっちゃあ~困るよ」
知美もいまどきの高校生だろとツッコミたくなったがグッとこらえて
私「確かにみんな恋愛情報には敏感だけど……」
知美「つまりそういうこと!これ他の子から聞いた話だけど弘樹のことを
好きな女子が数人いたらしくて。でも全員口をそろえて言うの。
"佑月には勝てない"って。それくらい佑月と弘樹は付き合っている
ように見えているってことなのよ」
知美に次々と初情報を知らせて頭がこんがらがる……
私「まっ、まあすでに過去にことなんだし。とりあえずここからは
ほぼ行事がないけど頑張って二人をくっつけるぞ~!」
知美「やる気だね~。相談事には乗ってあげるからしっかり
応援してこい!恋のキューピッド!」
優しく笑う知美に私はうれしくなる。
私「うん!」
読んでいただきありがとうございました!
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




