#41 文化祭打ち上げ
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。
それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!
そして部室に来てから十数分後、この時間帯でもちょこちょこ人は来るため
井口さんと荒川さんはその対応に追われていた。
それから一時間後……校内に文化祭終了の合図が響き渡る。
目の前にあった部誌の山はこの一日でちょうどはけたのだ。
文化祭終了の合図がしてから数分後、大川さんと弘樹が戻ってきた。
井口「二人ともお帰り~。文化祭楽しかった?」
大川「うっ、うん楽しかったよ」
大川さんは頬を赤くしながら弘樹をちらりと目を向ける。
弘樹の方も弘樹の方で顔を赤くしていた。
おそらく告白はしてないが好きな人と一緒に文化祭を回るということで
それだけ恥ずかしがっているということだろう。
大川「とっ、とりあえず文化祭お疲れ様!部誌も全部はけたことだし!」
井口「だね!総部数六十部全てはけました!すごいよね!」
荒川「だな。にしても部誌六十部……すごい数だな」
井口「いや~みんな本当にお疲れ様!みんなの予定があえばだけど
今週末文芸部の文化祭の打ち上げしない?」
大川「いいわね。弘樹君は塾とか大丈夫?」
弘樹「多分、大丈夫だと思います」
井口「よしっ!決定!場所に関しては私たちが適当に抑えておくから
今週の日曜日に朝九時駅集合ね!」
井口さんが早口で日付と時刻を告げる。
大川「了解!じゃあ今日の部活動はこれにて終了!はい、解散!」
そう言って大川さんは部室の片付けを行い始める。
弘樹「大川先輩、僕も手伝いますよ!」
そう言って弘樹が大川さんを手伝い始める。
井口「私たちも手伝う~」
私「わっ、私も手伝います!」
さっき大川さんが部活動終了の宣言をしたが結局それから十数分後まで
私たちが手伝うことになった。
そして文化祭があってから数日後……とうとう打ち上げの日となった。
朝から私のテンションは上々で軽い足取りで打ち上げへ向かった。
すでに駅には井口さんと荒川さんが待っており二人とも私に気が付くと
にこっと笑って手を振ってくれる。その後、大川さんや弘樹とも合流して
井口さんたちが考えたという場所に向かうことになった。
大川「打ち上げがカラオケとかめちゃくちゃ定番だね」
カラオケの店舗が見えてくるなり大川さんは苦笑しながら伝える。
井口「いいでしょ!長らくカラオケに行っていないしストレス発散
するためにはカラオケが一番でしょ!」
そう言って井口さんは足早にカラオケへ入っていく。
カラオケの個室に入ると誰から歌おうかと言い始める。
数分の話し合いの結果荒川さんが一番最初に歌うということになった。
最初の荒川さんは今絶賛流行りの曲を歌って場を盛り上げる。
そしてその後は各々好きな曲を入れ始める。
私も好きなラブソングを入れると
弘樹「この曲、昔から好きな曲だよね」
私「そう!ていうか覚えててくれたんだ」
弘樹「佑月がずっと鼻歌を歌ってから少し覚えたよ」
そう笑いながら弘樹は言う。やっぱりそれでもうれしいな。
私「あっ……あのさ、よかったら一緒に歌わない?」
弘樹「いいよ。サビくらいしかわからないけど」
弘樹からそう言ってもらえて私は心の中でガッツポーズをした。
そして約束通り、私と弘樹は私が入れたラブソングを入れた。
歌っている途中、"好き"という歌詞があるのだが弘樹を意識しすぎたせいで
いつものように歌えなくなっていた。
それを楽しそうに見守る荒川さんとニヤニヤと見る井口さん
そして大川さんの表情は読み取ることができなかった。
歌い終わってからも恥ずかしさのせいで私の顔は赤くなっていた。
トイレ行ってくるとウソをついて私はその場を抜け出す。
ふぅ~……危なかった。さすがの弘樹でもこんな私を見たら
バレてしまうかもしれない……
そう思っていると大川さんがドリンクを取りに来た。
大川「あれ、佑月ちゃんトイレに行ったんじゃなかったの?」
私「あっ、いえトイレから戻ってきたところです」
大川「そう……変なこと聞くけど、佑月ちゃんって弘樹君のこと好き?」
私「あっえっ……そ、そんなことないですよ。ただの幼馴染ですよ」
絶対に大川さんに私の気持ちを知られてはいけない。
大川「そう。それならいいけど、なんか幼馴染の距離感には思わなかったわ」
いつもよりも淡々と告げる大川さん。
私「そんなことないですよ。大川さんこそ今日テンションおかしいですよ」
大川「……はっ!ごめんね。たださっきの二人の様子を見てたら
やきもちを焼いちゃって……ただの幼馴染なのにね……」
大川さんがそう言って少し落ち込み始める。
……大川さん、私だって"ただの幼馴染"でなりたくてなっているわけじゃない。
しかしその言葉を私が言うことは絶対にできなかった。
でも大川さんも嫉妬とかってするんだ……そう思いながら私たちは
個室に戻った。戻ってからも私たちは歌いに歌いまくった。
そして数時間後……喉をカラカラにした私たちは会計を済ませてカラオケを出る。
井口「いやぁ~、楽しかったぁ~!喉やばいかも」
大川「瀬名歌いすぎだって」
井口「瀬野だってカラカラだよ~!」
読んでいただきありがとうございました!
コメント(感想)をくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




