#39 文化祭
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。
それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!
そして翌週、とうとう文化祭当日になった。
すでに教室も装飾がされており周りの話も文化祭一色だ。
知美「高校に入った初めての文化祭!わくわくするね~」
そう話しかけてきたのは文化祭の影響でテンションマックスに
なっている知美だ。私も知美のテンションに影響されて
私「ね!中学だとそこまで大きくなかったからね~」
そう話をしていると生徒会の先輩がまたもや知美を呼びに来た。
もうこれは見慣れた光景で知美もうれしそうだった。
知美「じゃあ私は文化祭の放送があるから!また午後ね!」
私「うん!いってらっしゃい!」
そう言って私は喜んでいる知美を送り出した。
弘樹は大川さんと回ることになっているため私は知美と一緒に
文化祭を回ることにしたのだ。
朝のHRが終わりみんなのテンションが最高潮に達していると……
放送【ただいまより文化祭を開催します!】
放送の高らかな声と同時に文化祭がスタートした。
……とは言ってもやることがある私は弘樹と一緒に部室へ向かう。
私・弘樹「おはようございます!」
文化祭ということもあり私と弘樹のあいさつの声は自然と大きくなっていた。
大川「おはよう。二人とも元気だね。それじゃあ今日の流れを説明するね……」
そう言って大川さんはスタンプラリーの流れを説明し始めた。
とは言っても私たちがやることとしてはスタンプを集めた人の対応と
部誌の配布の対応の二つだけだ。
あたりを見回していると部室の至るところに装飾が施されていた。
おそらく先週末、弘樹と大川さんが一緒に買ったものだろう。
そう思うと少しもやもやしたが文化祭でそんなたれ事を言っている暇はない。
大川「よしっ!みんなで力を合わせて文化祭を成功させるよ!」
一同「おぉ~!」
こぶしを上に挙げて私たちの仕事がスタートした。
井口「じゃあ午前は二人ともよろしくね~」
そう言って井口さんは荒川さんとともに部室を去って行った。
大川「お察しの通りあの二人は文化祭を一緒に回るって。
たくっ、仲が良すぎるカップルだよね~ほんと~」
私「そうですね」
少々苦笑いをして私はそう答える……文化祭で一緒に回るとか
カップル同然の行為なんですけどね……と思いながら部室に待機する。
一番最初にスタンプを集めてきた人は大川さんが見本を見せるため対応して
その後、大川さんも部室から去って行き私と弘樹の二人だけになった。
何を話そうか迷っていると弘樹が配布用の部誌を一冊手に取る。
弘樹「こうやって自分の書いた小説が本になるだけじゃなくてさ
学校内のいろいろな人にわたると思うとわくわくするよね」
私「だね。弘樹は今回何を書いたの?」
弘樹「今回も異世界転生ものを書いたよ」
私「よくネタが思いつくね。実際に体験したことがないから
書きづらくないの?」
弘樹「うん、逆に言えば全部自分の想像で書いて問題ないってことでしょ。
現実味があるものだと"この部分が全然違う!"って言われたら
良くないでしょ」
私「確かに。そういう意味では書きやすそうだね」
弘樹「佑月は前回と同様に恋愛小説?」
弘樹にそう言われて"ドキッ"とする私。改めて好きな人に恋愛関係の話を
される気恥ずかしいというかなんというか……
私「うん。もともと恋愛小説を読むのが好きだからさ一番書きやすい
ジャンルなんだよね。一番最初にどれ書こうって迷っていたけど
自分の書きたいジャンルを書くのが一番いいなって思ったよ」
弘樹「なるほど。やっぱり実体験とか入れてるの?」
文化祭ということもあってか今の弘樹のテンションは上がっている。
私「そっ……それは」
どう返答をしようかと迷っているとスタンプを制覇した生徒が
数名、部室に入ってきた。私たちは慌ててその対応に追われる。
しどろもどろになりながらもなんとか対応を済ませてまた静かな
部室が戻ってくる。弘樹はこの時間を使ってゆっくりと部誌を読む。
私もやることがないから部誌を読もうと思い手に取り開く。
部誌を読み進めているとまた数人の生徒がスタンプ帳を持ってくる。
私たちはその対応を行う。すると一人の生徒が"これ見てもいいですか?"と
聞く。私が言う前に、テンションが上がった弘樹が"もちろんです!"と
食い気味に返答する。やっぱり自分の書いた小説を他の誰かに見せるのは
気恥ずかしさもあるけどそれ以上のうれしさがあるのがわかった。
それにつれられて数名の生徒も部誌をもらって行ってくれた。
弘樹「やっぱり実際に手に取ってもらえるとうれしい!」
私「だね。よしっ!この勢いのまま全部の部誌をはけさせるぞ!」
弘樹「そうだね!」
それから二時間後……ピーク時には十数分に一回のペースで
スタンプを集めた人が入ってくるほどだった。おそらく知美が宣伝を
してくれたおかげだろう。そして午前の時点で部誌が五分の三ほどはけた。
このままいけばなんとか全部の部誌を配布することができるだろう。
そして大川さんが部室に戻ってくると驚いていた。
大川「二人ともお疲れ様~……ってすご!?」
読んでいただきありがとうございました!
コメント(感想)をくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




