#38 文化祭の最終調整
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。
それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!
井口「昨日ね、部活動が終わった後弘樹君が瀬野を文化祭に誘ったんだって」
井口さんから小さな声でそう告白される。
まじか……まさかそこまで弘樹成長していたなんて……
しかしうれしさと同時に弘樹と文化祭を回る機会がなくなってしまった。
もし誰とも回らないなら弘樹を誘う予定でいたのだが……
私「そうだったんですね。弘樹も成長したなぁ~」
井口「めちゃくちゃ親みたいな目線だね。いや~これは
ニヤニヤが止まらないよ。それに瀬野の方もめちゃくちゃ喜んでいた
様子だったし。最高すぎ~」
そういう井口さんを私は横目で見ながら弘樹を見る。
そして大川さんから書類を受け取りその日の部活動は終了した。
それから数日後、生徒会から正式に校内使用の許可をもらった。
その日の部活動で許可の旨を大川さんに知らせると
大川「よしっ、文化祭まで残り数日!一気に準備を進めていくわよ!」
井口「おぉ~!そういえばさっき先生が来て段ボールもらったけど?」
大川「前に頼んでいた部誌だよ!少し早くできたって!」
二度目の部誌を私たちは手に取る。やっぱり自分が書いた小説が
こうやって実際に本になるのはうれしい気持ちになる。
隣を見るとやっぱり弘樹が目を輝かせていた。
大川「じゃあ今日の活動は文化祭のための短編小説の完成ね!」
荒川「俺はすでに終わったからデータ送っておいたで」
大川「了解!短編小説の方はこれまで通りプリントアウトで作るね」
数分後、私も短編小説ができたため大川さんに提出する。
その後弘樹や井口さんもできたようで大川さんが全てまとめ上げる。
大川「これでスタンプラリー用の小説と配布用の小説はいいね」
井口「次はスタンプラリーの台とスタンプが必要じゃない?」
大川「そうだね。ただスタンプは作ると時間がかかるから
百円ショップでシールかなんか買って代用するとかかな?」
私「いいですね。部室も飾りつけした方がいいんじゃないですか?」
大川「いい案ね。シールとついでに飾り付けれる何かも買ってくる
必要があるわね。瀬名今週末一緒に行ける?」
井口「今週末ちょっと予定あるからごめん!代わりに弘樹君行ってくれない?」
弘樹「あっ……えっ、わかりました!」
いきなり大川さんと一緒に行くことになって戸惑っている弘樹。
大川さんも少し頬を赤くしている様子だ。
その日の部活動終了後、弘樹と一緒に帰っていると……
弘樹「まさか大川先輩と一緒に買い物に行けるなんて……」
とてもうれしそうな様子だ。そりゃあそうだろう、好きな人と一緒に
いること自体がとてもうれしいのだから。
いいなぁ~と思いながら弘樹の話を聞く。
弘樹「……あのさ、そろそろその……告白しようかなって思っているんだけど」
弘樹の口から告げられた言葉はとても衝撃的なものだった。
別に"好き"だから"告白"するっていうのは間違っていない……
ただ私はそれが怖くて仕方がないのだ。弘樹の恋を応援するとは言っても
まだ完全に諦めきれているわけではない。
私「えっ……ちょっと早い気がするけど……」
明らかに私の声は震えていた。ただ弘樹はそれを何も思っていないらしく
弘樹「やっぱりそうだよね……まだ告白するのはやめておくよ」
弘樹はそう言って自分の家に帰って行った。
はぁ~……やっぱり私は最低だ。人の恋愛を応援するって言っときながら
自分の恋愛を優先するなんて。やっぱり私が弘樹の恋愛を応援するのは
間違っているのかなと思ってしまう。
そして週末、家でゴロゴロしている私はふと考えてしまう。
現在時刻は十時半……弘樹と大川さんが買い物に行くって言っていたのは
確か午前だったはず。おそらく今頃は二人で楽しみながらしているのだろう。
あ~……羨ましいなぁ~。そう思いながら私はベッドの上でバタつく。
週明け、少し重たい気持ちで教室に入ると珍しく早い知美がいた。
知美「おはよう!めちゃくちゃ元気ないけど大丈夫?」
私「おはよう。大丈夫じゃないかも……知美は朝早いの珍しいね」
知美「うん!朝から生徒会があったからさそれで!」
私「そっか……朝から元気そうで何よりだよ」
知美「それで佑月が元気がないのは週末に何かあったの?」
何かを察したのか知美がそんなことを言う。
私「うっ、うん。週末にさ……」
そして私はこれまでのことを知美に話始めた。
知美「なるほどね~羨ましがっている佑月に対してうれしそうな弘樹……
やっぱり片想いってかなり辛いものなんだね~」
私「そうなんだよ……知美は絶対にわからないだろうけどね」
少々嫌味を込めて私は言い放つ。
知美「まあまあ、とりあえず文化祭の準備が着々で出来ているようだし
それと同時に弘樹の恋愛も進んでいるようでよかったよ。
これから辛いと思うけど佑月はしっかりと恋の行方を
見守ってあげなよ。なんせ好きな人なんだから」
知美のその言葉に私は"そうだった……"と目を覚ました。
好きな人を幸せにするために私はこれだけ苦しくなっているんだ。
よしっ!このまま頑張ろう!!
読んでいただきありがとうございました!
コメント(感想)をくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




