#33 体育祭練習
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。
それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!
そして大川さんたちとの出来事があってから数週間……
少しずつではあるが暑さが和らいできた感じがする十月だ。
知美「はぁ~、それで佑月はどうなの?最近何かあった?」
ため息をつきながら知美はそう言って私に目線を向ける。
私「結局時間の問題で合宿というか文芸部でそろってどこかへ
行くってことはできなさそうなんだよね」
知美「そっか~。なんか最近佑月恋愛に関しては大丈夫そうだね」
私「まあね。あのこともあったけどなんだかんだで諦めきれそうだからさ」
知美「それならよかった~。あっ!先輩!」
そう言って私との会話を放棄して扉付近にいる先輩へ向かって行く知美。
付き合っている……わけではないらしい。
それも最近、ずっと先輩の方から知美を誘っているため
これはやっぱり両想い確定ってことでいいんじゃないかと思っている。
そして先輩と一緒にいる知美は本当にうれしそうで幸せそうだった。
……やっぱり付き合っていないのが不自然なくらいだ。
みんなに秘密で"付き合ってる"ってパターンはないかな~と思っていると
知美「佑月!体育祭の生徒会の仕事があるから行ってくるね!」
私「了解!頑張って!」
そう言って知美はうれしそうに先輩と一緒に教室を後にしていった。
午後の授業は体育二時間続きだ。
体育祭まで残り一週間で本格的に練習がスタートしている。
私「暑い~。ぼーっとする~」
知美「そうだよね~。あっ、次女子リレーだって行くよ!」
知美が駆け足で先生のところへ向かう。
私にはそんな気力がなくそこそこに先生のところへ向かった。
しかし練習中、頭が全くと言っていいほど回らない。
知美「佑月次だよ!」
そのため知美にそう言われないと自分の番だと気が付かなかった。
そしてそんな危険な違和感があったにも関わらず私はレーンに立った。
そのとたん、フラッとしたかと思ったら意識はそこで途絶えた……
次に目を覚ましたときには見慣れない天井と見慣れないベッドの上に
寝かせられていた……えっと、何が起こっているんだ?
状況を確認するために周りを見渡すと弘樹が真横で座っていた。
私「わっ……ひっ、弘樹?」
弘樹「よかった~……体調は大丈夫そう?」
私「えっ、あっうん。大丈夫。なんでベッドに?」
弘樹「もしかして覚えてない?佑月、走ろうとしたとたんに
その場に倒れて大騒ぎだったからね」
私「えっ、そんなことがあったの……ごめん、ありがとう。
ひっ、弘樹がここまで運んでくれたの?」
弘樹「うん。一応、知美も着いてきたけどすぐに帰ってったよ」
……知美絶対に私のことをおちょくっているだろう。
後で一発言っておかないといけないな。
私「あっ……ありがとう」
やばいやばい、諦めるって自分で言ったのにこんなことされたら
諦めるに諦めきれないよ……すると
弘樹「本当に大丈夫?顔めちゃくちゃ赤いけど」
私「だっ……大丈夫!」
恥ずかしがっていると保健室の扉が開く。
先生「ごめんね~、あら佑月さん体調は大丈夫そう?」
私「はい、おかげ様で何とか。ありがとうございます」
先生「じゃあ弘樹君、担任の先生に伝えてくれるかな」
弘樹「わかりました。佑月、しっかり休んでおけよ」
そう言って弘樹は保健室から去って行った。
あ~……かっこいい。これまで私が助けることが多かったから弟に
近い感じで思っていたけどこんなことされるとかっこよすぎて頭が
またどうにかなっちゃいそう……しかも何"しっかり休んでおけよ"って……
そんなこと言われちゃったら惚れちゃうよ~……
そんな一人でに考え事をしていると
先生「佑月さん本当に大丈夫そう?顔赤いけど」
私「だっ……大丈夫です。念のため少し寝ておきます」
私はそう言って先生から背を向けて横になる。
あ~恥ずかしい。そして数十分後、私は完全に復活した。
先生「体調がよくなったようで何よりだわ。それと倒れた原因は
ずばり"熱中症"だわ。この時期は珍しいけど体育祭の練習だったから
なったわね。しっかり水分補給はしなさいよ」
私「はい!何から何までありがとうございました」
先生「お礼なら弘樹君に言って。おんぶしながら保健室に来るものだから
私も結構驚いたわよ」
最後の先生の言葉に顔を赤くする私……そんな大胆なことされると恥ずかしいよ。
それに勘違いしちゃうからやめてよ……
そんなことを思いながら教室へ向かうとちょうど授業中だった。
少し気まずい感じで授業の準備をしていると手前の方から私の方を見てニヤニヤ
する知美の姿があった。苦笑いしながら私は自分の席に着く。
そして授業が終わるとすぐに私のところに来る知美。
知美「元気になったみたいだね。だめだよ、しっかり気を付けないと」
私「うん、ごめん……それはそうと知美空気読みすぎじゃない?」
知美「いいでしょ。何よりも弘樹が佑月を運ぶのが思わず笑っちゃったよ」
知美にそう言われるだけでその姿を想像してしまい恥ずかしくなる。
知美「フフッ、佑月めちゃくちゃ顔赤い~!!あ~佑月が羨ましいなぁ~!」
読んでいただきありがとうございました!
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




