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私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。それでも彼の恋を応援する恋愛物語  作者: アオ


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16/55

#16 夏祭り

皆さん、こんにちは!アオです!

それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。

それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!

私「お待たせしました」

私はいつもの部室……ではなく最寄り駅前に大川さんたちと集合した。

文芸部のみんなで夏祭りへ行こうと言った井口さんの提案からだ。

大川「大丈夫だよ~まだ瀬名も来てないし」

大川さんは浴衣を着ており荒川さんも甚平を着ていた。

私も何か着てくればよかったかなと思ったが見せる相手もいないので不要だ。

前に話していた通り弘樹は塾のため夏祭りはいけないとのことだ。


大川「荒君しっかり瀬名をエスコートしないよ!」

大川さんはそう言って荒川さんの背中を強くたたく。

荒川「いたっ……後輩の目の前だからそういうことやめてよ」

大川「もぉ~大丈夫!佑月ちゃんだって察してくれるから!」

荒川「おい瀬野、もしかして言ったのか?」

大川「言ったけど雰囲気でわかるでしょ佑月ちゃん?」


会話を聞いていたもののどうやって返せばいいかわからないと

大川「今日、告白するみたいだからいい感じなら察してね~」

私「わかりました!頑張ってください!」

私がそう声をかけると荒川さんは苦笑いしていた。


そして数分後、約束の時間ちょうどになれない走り方をしながら

井口さんがこちらに向かってきた。

井口「ふぅ~……やっぱり浴衣着ないから慣れない」

大川「瀬名、浴衣かわいいよ~」

井口「ありがとう、瀬野も浴衣姿かわいいよ」

荒川さんに目を移すと井口さんの浴衣姿に見惚れている様子だった。


やっぱり荒川さんは結構わかりやすいんじゃないかな。

でも井口さんは井口さんで恋をしているって言っていたし……

荒川さんの恋って叶うのか……でも大川さんの様子的にまだ何か

知っているような感じだったから大丈夫だと思った。


井口「圭~、最初は食べ歩きだ!」

荒川「わかったよ……って浴衣なのに早いな!」

そう言いながら二人は楽しそうにフードエリアへ向かっていた。

大川「ね、やっぱりあの二人なら大丈夫でしょ」

まるで私の心の中を読んだかのようにして大川さんが言う。


私「確かにそうですね、大川さんまだあの二人の関係で私に

  言ってないことあるんじゃないですか?」

私がそう問いかけると大川さんは"さあね"と言葉をつけ足して

大川「全ては今日でわかるはずだよ」

そう言って二人の後を私たちは追った。


井口「やっぱり夏祭りと言ったらかき氷!」

そう言って井口さんはイチゴシロップをかけたかき氷をおいしそうに

ほおばっていた。荒川さんも井口さんと同じイチゴ味のかき氷を食べていた。

二人が食べている中、私たちは少し離れていたところでホットドッグを

食べていた。この祭りにホットドッグなんてあったんだ。

私「そういえば大川さんは恋愛とかしないんですか?」

大川「私?……一度だけ付き合ったことがある人がいるんだけど

   ちょっとその時に嫌なことがあってね。それから私自身は

   恋愛をすること自体避けてるんだ」


大川さんはそう言って苦笑いしていた。

私「なんかすみません、せっかくの楽しい夏祭りなのに……」

大川「うんん、大丈夫だよ。今日は二人の恋のキューピッドになるために

   来たわけだからよろしくね!」

そう言って大川さんは二人の元へ戻っていった。


荒川「そういえば瀬野、射的が昔からうまいよな?」

大川「うん!ちょっと一発やってくるわ!」

そう張り切って一発目で景品をゲットしてくる。さすがの腕前だ。

大川「楽しむのもいいけどちゃんと小説のネタも考えながら

   やるんだよ?いいね?」

井口「もちろんわかってるって!」

とは言っても井口さんの書くジャンルは戦隊もののためあまり

夏祭りを題材に作ることができないのではと思っていた。


私「弘樹はなっ……あっ、そうだった」

いつもの癖で隣に弘樹がいる感じがして思わず大きな独り言をしていた。

井口「あれれぇ~もしかして弘樹君がいると思った~?」

完全に私をいじるような口調で井口さんが小さな声で話しかけてくる。

私「べっ……別にそんなんじゃないです。ただいないことを忘れてたので」

井口「それは同じこと!やっぱり弘樹君を無理してまで連れ出して

   来るべきだったのかもしれないわ」


私「きょっ……今日は浴衣も来てないのであれですが」

井口「そうだよね~、好きな人の前ではかわいく見せたいからね~」

"好きな人"という単語で思わず耳を赤くする私。

井口「ま、私もそうなんだけどね……」

少しテンションを落として井口さんは荒川さんへ目線を移した。

私「もしかして井口さん」

井口「よし!このまま楽しみまくるよ~!」

私があることを言おうとした直後に井口さんが重ねて腕を引っ張る。


その後、様々な屋台に連れまわされてくたくたになってしまった。

井口「いや~、やっぱり夏祭り最高~!」

人ごみから離れたところで井口さんが少し大きな声で言う。

すると"まもなく花火の打ち上げが始まります"という放送がなる。

大川「じゃあ最後に花火を見たら帰ろうか」

井口「そうだね!」

荒川さんは顔を僅かに赤くさせながらちらちらと井口さんを見ていた。

やっぱり好きな人を意識しているのだろう。

読んでいただきありがとうございました!

コメント(感想)をくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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