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私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。それでも彼の恋を応援する恋愛物語  作者: アオ


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14/55

#14 文芸部の恋模様

皆さん、こんにちは!アオです!

それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。

それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!

私「おはようございます!」

私はそう言って勢いよく部室の扉を開ける。

中には大川さんと荒川さんそして先生がいた。

大川「二人ともおはよう。瀬名が来るまで好きなことしていていいよ」

そう言われたので私は自分の席について椅子にもたれかかる。


弘樹「最初から先生がいるなんて珍しいですね」

先生「いやぁ~、前回のときに"後で来る"って言ったことを忘れていてね。

   それで部活終了後に大川が来るからびっくりしたよ」

大川「すみません、ですが先生がいないと難しいことだったので」

先生「運転の腕には結構自信があるから任せなさい!」

運転の腕?……つまり車に乗ってどこかへ行くということか?


弘樹「もしかして前回言っていた部誌の制作依頼ですか?」

大川「うん、近くとは言っても市の境目にあるから歩くと結構時間が

   かかっちゃうから先生に車に乗せてってもらおうと思ってね。

   それに金銭が絡むから一応先生がついてきてくれた方が安心かなと」

先生「大川はしっかりしているな~、二人も先輩を見習えよ!」

先生に一番言われてほしくないことを言われたので私たちは苦笑いした。


井口「ちっ~す!ってもうみんな集まってる!」

大川「瀬名おはよう。珍しく最後だったね」

井口「うぅ~、次からもっと早く来ます!」

とは言ったものの集合時刻の二分前に全員が集まったのでこのままでいいだろう。

大川「それでは文芸部を始めます。お願いします!」

一同「お願いします!」


荒川「瀬野、今日はどういう日程になってる?」

大川「えっと……まずは部誌のために作った小説の最終確認。この作業は

   基本パソコンでやるから気を付けてね。それを三十分でやって

   その後に先生の車で印刷所まで行って印刷を依頼するわ。

   戻ってきたら今日の活動は終わりの予定」

井口「やったぁ~!とうとうちゃんとした部誌が出来上がる!」

大川「出来上がるとは言っても早くても二週間後だからね」


そして返された自分の原稿を見ながら訂正する場所がないか見始める。

自分で言うのもあれだけど初めてにしては結構いい感じのものを

書けたのではないだろうか。勝手に自己満足していた。

弘樹の方を見てみると大川さんにいろいろと教えてもらっているようだ。

大川さんと弘樹、最近話す機会が増えている気がする。

おそらく弘樹が積極的になっているだけだと思うがそれでも優しく対応する

大川さんの笑顔が私にとっては辛いものになっていた。


"別に私に相談しなくても一人で解決できる恋の悩みじゃないの"とも

思ってしまった……でも見ているだけで分かってしまうから

結局私が苦しむ未来は変わらないのだろ……

井口「あれ?佑月ちゃん元気ないね~……どうかしたの?」

私「あっ、いえ。なんでもないです!大丈夫です!」

しかし最初から私の目線に気が付いていたのか井口さんは

井口「……やっぱり恋って辛いよね。焼いちゃうから」

私「べっ……別に焼いてませんから!そっ、それに恋もしてないです!」


井口「ウソだ~、佑月ちゃんの目完全に恋している乙女だったよ」

そう言えば前に井口さんと恋バナしたときに観念してしまったのだ。

私「恋を応援するって言っちゃって……でも見ていると胸が苦しくて」

井口「やっぱりあの子も瀬野のことが好きなんだね~」

井口さんがそう言った瞬間、私はしまったと思った。

私「井口さん、このことはどうか内密にお願いします」


井口「わかった、でも最初からどっちかはどっちかに気があるんだと

   思っていたよ。やっぱり私も見ていると辛いわ……」

これまでの井口さんの言い回し的に浮かび上がった疑問をぶつけてみる。

私「もしかして井口さんも恋してるんですか?」

井口「うん……ただ私もなんだか叶わない恋な気がしてね……」

向こうで先生を含めた四人がわいわいとしている中私たちは

部室の隅でひっそりと"恋"に想いを馳せていた。


そして静かに口を開く井口さんの姿は初めて見るものだった。

私「そう……なんですね。でも井口さんなら大丈夫だと思いますよ!

  元気で明るくて多分好きだと思う人はたくさんいるはずです!」

井口「ありがとう。でもそれゆえに友達感覚が抜けなくて困ってるからね」

そう言って苦笑いする井口さんはどこか悲しそうな目をしていた。


お互いに無言になる。私は大川さんと楽しく話している弘樹の様子が目に入った。

私「私も二人が両想いになる未来像しか見えなくて……本当はそれが私も

  彼も望んでいる未来なんですが、それがもどかしくて」

そう言ってため息をつく。すると隣で井口さんは頭を縦に振って

井口「わかるわその気持ち。佑月ちゃんを見てて思うけど本当に彼のことを

   想って好きっていうことがわかるよ」

長い間彼と一緒にいて気が付けば異性として好きになっていて……


私「でも私……お姉ちゃんみたいな感じにしか見られてなくて」

井口「そっか~一緒にいる時間が長いとそうなっちゃうかもね……」

すると向こう側から私たちを呼ぶ声が聞こえる。

井口「それじゃあ行こうか」

読んでいただきありがとうございました!

コメント(感想)をくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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