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私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。それでも彼の恋を応援する恋愛物語  作者: アオ


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#13 夏休み直後の部活動

皆さん、こんにちは!アオです!

それでは「私はお姉ちゃんのようにしか見られていなかった。

それでも彼の恋を応援する恋愛物語 」をどうぞ!

私「涼しぃ~」

部室に入ったとたん冷房が直にあたり暑さが一瞬で吹き飛んだ。

大川「二人ともこんにちは。今日で夏休み前は最後の部活動だから

   ゆっくりしていっていいからね~」

私たちに優しくそう言った大川さんはぎりぎりまで執筆作業をしているようだ。

井口「やったぁ~!明日からとうとう夏休み!」

荒川「だな。来年は受験も控えてるから今年の夏は遊び倒すぞ!」


井口さんと荒川さんはこれからの夏休みを今か今かと待ち構えていたようだ。

井口「合宿の計画は立てたけどみんなで夏祭りとか行きたくない?」

大川「いいわね、ここから辺の夏祭りといえばあれしかないわよね」

井口「もちろん!昔からずっと行ってるから間違いないよ!」

おそらくこの市の大きな川付近で開催される夏祭りのことだろう。


去年はお互い受験で忙しかったが一昨年までは弘樹や親と一緒に

毎年言っていた。好きな人と一緒に祭りとか"最高"そのものだ。

弘樹「すみません、昨日合宿の日程と一緒に夏祭りの日程も確認したけど

   その日塾の模擬試験でさらにそこから地獄の勉強が待っているので

   行けない可能性が高いです」

井口「あぁ~まじか~……佑月ちゃんはいける?」

私「あっ、はい!大丈夫ですよ!」


弘樹と一緒に行けないことがわかると私の気持ちは一気に沈んだ。

弘樹「合宿の日は大丈夫でした!」

荒川「じゃあ合宿の方は俺が予約をしておくよ」

井口「任せた~。それにしても本当に夏休み楽しみすぎる~!」

この部室で今一番テンションが高いのは井口さんだろう。


私たちがそう話していると部室の扉が開く。

入ってきたのは私たちの担任の先生だった。

先生「お邪魔しま~す!あれ部長さんしか書いてないけど?」

大川「みんな部誌の原稿は終わったので今は夏休みの活動について

   話し合っていたところです」

先生「そういうことね。じゃあまた後で来るね~」


そうのんきに言って先生は部室から去って行った。

荒川「……結局何しに来たんだあの先生は?」

おそらくみんなが思っている疑問を荒川さんが口に出した。

それに対する答えはもちろん返ってくることはなかった。


そして数分後、執筆作業をしていた大川さんが鉛筆を置き

大量の原稿用紙を抱えてこちらにやってきた。

大川「瀬名これデータ化しておいてくれない?」

井口「え~……めんどくさい~」

大川「……じゃあ夏休みの部活動予定と活動記録書く?」

井口「それだけはやだ!喜んでデータ化してくる!」

そのやり取りを私たちは苦笑いをしながら見ていた。


さらに数分後、キーボードを打っていた大川さんが私たちに

パソコンの画面を見せてくれた。

大川「合宿の日も含めて文芸部の今年の夏休みの活動はこんな感じに

   しようと思っているんだけどどうかな?」

そこには日付と"活動日"が書かれた表があった。


見るとおおよそ週に一度だけの活動のようだ。

荒川「去年よりも格段に活動日数が増えたね」

大川「うん、正式な部活動になったから夏休みの最低活動日数が

   増えてそれだけ分やらないといけないことになってるから」

荒川「なるほど、だから週一の間隔なんだ。俺は大丈夫だぜ」

弘樹「塾が結構な頻度であるので行けない日があるかも」

大川「わかったわ。そのときは佑月ちゃんに伝えてもらっていい?

   佑月ちゃんはそのことを私に伝えてもらいたいし」

私・弘樹「わかりました!」


同時に返事をした私たちは顔を見合わせて笑った。

大川「瀬名~、今年の部活動活動日できたから見てくれない~?」

井口「了解!」

そう言ってすぐにこちらへ来た井口さんは数十秒パソコンを見て

井口「オッケ~!休むときは連絡するわ!」

大川「うん、みんなも休む時は誰かに連絡してくれると助かる」


弘樹「そういえば、部誌を作るのはどうするの?」

大川「印刷してくれるところを探していたら近くにあったから

   次回、みんなの時間があれば直接そこに足を運ぶつもりよ」

弘樹「なるほど!ついに書いた小説が本となるのか……楽しみ!

   大川先輩はどんなのを書いたんですか?」

大川「少し長いけど"余命もの"を書いたわ」

そう言って大川さんは大量の原稿用紙を弘樹に渡す。

弘樹「おぉ~!読んでもいいですか?」

そう言うと大川さんは無言でうなずく。


これだけのやり取りでも聞いているとすごく不安になってしまう。

大川さんがもし弘樹のことを好きになったらどうしようって……

絶対にそれが一番の理想。だけど弘樹のことを想っている私から

するとそれはすごく嫌な結末で悲しくて。

せっかく応援するって言ったのにこんなことを考えてしまう自分が大嫌いだ。


大川「私も弘樹君の読んでもいい?」

弘樹「……恥ずかしいですがいいですよ」

少し耳を赤くしながら言う弘樹に私の胸は締め付けられる感覚があった。

数分後、大川さんが静かな口調で言う。

大川「弘樹君は"恋愛もの"を書いているんだね」

弘樹「……はい」

弘樹はさっきよりも恥ずかしそうに耳を赤くしながら相槌を打つ。

私は大川さんに嫉妬してしまう私が大嫌いだ。

読んでいただきありがとうございました!

コメント(感想)をくださるとうれしいです!

それでは次回お会いしましょう!アオでした~!

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