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24,自動人形(オートマタ)と炎の屍喰い(フレイムルーラー)と魔竜ミズチ.イズベル.グララ

魔界。

奈落と言われるあらゆるものを廃棄する大穴がある。そこに廃棄物がある程度たまると、炎の屍喰い(フレイムルーラー)という魔族たちがそれを焼却していた。ただこれは慈善事業ではなく廃棄物を餌としていたのでウィンウィンの関係と言える。

ただ彼らは気まぐれで廃棄物がいつまでも焼却されず溜まっていくことも多かった。

その気まぐれさ故、魔界に住む者たちはさぼらず定期的に焼却してくれるのにはどうすればいいのかと考えたとき、今まで分別せず廃棄していたものをある程度分別したら定期的に焼却してくれるようになった。

彼らは本能のまま動いているのでコミュニケーションが取れない。なので分別をしたから定期的に焼却しているとは確定してはいないが、実際そうなので自然とみな分別をするようになっていた。

一説には分別すると燃えが良くなるから炎の屍喰い(フレイムルーラー)が気持ちいいんじゃね?という考えがあった。

閑話休題。

その大穴の一部。

自動人形オートマタを廃棄する場所があった。ボロボロで動かなくなった自動人形が山のように重なっている。

魔界のマッドサイエンティスト、ミズチ・イズベル・グララという魔竜が開発した自動人形。外法で魔工生命体ホムンクルスに魂を

与えたものである。老若男女あらゆる自動人形を作成し、売買した。

容姿や性格、恭順させるかどうかの初期設定もでき、自分好みの自動人形にできたので爆発的にうれた。

ただ問題もあり、維持費が滅茶苦茶にかかる。

自動人形は魔力を燃料に動いているのだが、それが尽きれば再充填しなければならない。

超高位の魔族ならば自分の魔力を注入することで維持できるが、それ以外では青生生魂アポイタカラという希少な金属を砕いて魔力を充填するしかない。この金属がバカ高い。

動き出して半年で止まる程度の魔力しか充填されていなかったため、購入者からクレームの嵐が巻き起こったがすでに時は遅しで、ミズチの店は閉店していた。売り逃げである。


「取り扱い説明書に書いてありますのでクレームは一切受け付けません。チュッ♡」


閉店したところに以上の張り紙がされていた。

たしかに電子顕微鏡が必要なレベルの小さい文字でその説明がされていた。

そもそもミズチ・イズベル・グララは魔界四天王に匹敵するレベルの超高位魔族なので、クレームを入れたところで返り討ちにされただろうが。

自動人形自体も高価だったのもありそれを維持できるものは僅かで、奈落に廃棄する者が後を絶たなかった。

以上が奈落に自動人形の山ができた理由である。



その山の中で。



わずかに動いている自動人形がいた。

少女型の自動人形、見た目でいえば12歳くらいだろうか。ボロボロのエプロンドレス、ボロボロの大きなリボン。

華奢な体には痛々しい縫い傷が何本もある。それは顔にもあり可愛らしい顔が台無しであった。


(………私の役目は終わっているのに…なぜ動いているのだろう?)


這いつくばってなんとか山の端まで移動した。

でもそれに何の意味がある?

マスターに捨てられたのに。

それでも動くのをやめられない。

なぜだろう?はやくもう寝たい。…楽になりたいのに。



「おー、奈落でまだ動いてる自動人形にあえるとはなー」



自動人形が這いつくばったまま顔を上げると、銀髪の青年が立っていた。角が生えている。

自動人形に目線を合わすようにかがむ。

「お前捨てられたのになんでまだ動いてんの?自動人形って捨てられたら勝手に機能停止するんじゃないっけ?」

それはわたしがむしろききたい。ていうかなぜ私なんかに話しかけるんだ。

「どうした?なんか言えよ。なんかあるから動いてるんだろ?」

男の問いに自動人形が口を開ける。なにか発しようとしても何も出ない。あ、あ、あ、としか発せない。

「?………あちゃあ」

自動人形の様子を不審に思い、顎を掴み口内をよく見る男。

「舌を切り落とされてんな。いい趣味してやがるぜ、お前の主人」

いいながら懐から小瓶を取り出し、中に入った液体を自動人形の口に流し込んだ。

超再生薬スーパーリジェネポーションだ。自動人形つっても機械じゃねえから多分効くだろ」

男の言った通り、死にかけだった体に力がみなぎり、体の傷がどんどん癒えてくる。

「で。なにをしようとしてたんだ?」

自動人形に再度そう問う男。なぜわざわざそんなことを聞くのだろうか。再生薬まで使って。

「…わかりません。主人に捨てれられたことは理解していましたが、なぜか自然と体が動いていました」

それを聞き男はほおーとなぜか興味津々そうに頷く。


「まあとりあえずは…脱出だ!!」


「!??」


男はいきなり自動人形を御姫様抱っこをし、跳躍した。あっという間に自動人形の山の高さを超える。

その直後、炎の屍喰い(フレイムルーラー)の業火が自動人形の山を灰に変えた。

…あと一歩遅かったら。

そのまま奈落から脱出し地面に降りた。

「…間一髪だったな」

そう笑顔でいう男。

「…いっそあのまま焼かれた方が楽でしたね」

もう生きる目的を失った自動人形にとって、今の発言は当然と言えなくもないが内心どこかほっとしている

自分がいた。

「ん?おまえ生きたくてあがいてたんじゃないのか?自主的に生きたいと思う自動人形なんておもしれーから助けたんだが」

そう不思議そうにいう男。たしかにそうかもしれない。でもわからない。

「ま、わからないならわからないでいいさ。俺、実は魔族専門の孤児院を開いてんだ。自動人形も…まあ

いいだろ、魔族が作ったんだし。一緒にこいよ」

自動人形を抱っこしたままいう男。魔族専門の孤児院とか意味がわからない。


でもなんだろう…抱っこされるのってこんなに安心するんだ…。


今はもう何も考えず眠りたい。


自動人形はなにも答えず眠ってしまった。


「…なーんで子供の寝顔ってこんな可愛いんかねえ」

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