PK共との戦い
「よし!15体撃破完了!報告して、終わり!」
空も暗い頃、ようやく15体のゴブリンを撃破した。
後は街の門が開かれるのを待つだけだったのだが……
「……なんか聞こえるくね?戦闘音」
《遠くの方でやってるのかな?俺は聞こえんかった》
「……行ってみるかー」
「んー………あれってさあ、いわゆる……プレイヤーキラー?PKって書く奴ら」
《まあ間違いなくせやろな》
《一人をあんな大人数で囲ってるよ……やっぱあいつら人間のクズだろ。》
《これ、さっさと逃げたほうがええで》
「まあ、そうだろうけど。
あいつらのネーム、赤いな」
《パーティメンバー以外をPKするとああなるらしい》
《あの状態のプレイヤーをキルしても赤くはならないって聞いたことはある。確証はない。》
「………ちょっと逝ってきますかね、一回。」
《まじかよ》
《骨は拾ってやる、行け》
《死ぬ前提なの草!
まあそうなると思うけど》
「へへへ、どうだ?苦しいか?」
「うう………」
「もうちょい遊ぶか。あ、そういや無理やり犯す事もできるんだっけか?」
「!?」
「好きなだけ遊んでその後ぶっ殺してやるよ!」
「い、いや!いやぁあ!!」
「泣きわめいても無駄だぜ〜?てめぇを助ける死にたがりなんていねぇからなあ?」
「やだぁ………」
「後で俺にも回してくださいよ」
「へへ、いいぜ。みんなで楽しむとするか――」
「アックススイング」
<アークスが『アックススイング』を発動!
それぞれ120ダメージを与えた!>
<PK×3を撃破した!>
「なっ?!」
「ウオオオオ!!」
<アークスが『野性的咆哮』を発動!
PKをスタンさせた!
アークスに力がみなぎる………!>
「は?なんだコイツ?!」
「おいさっさと殺れ!」
「お、おう!ふざけてんじゃねぇぞテメェ!
これでも――」
「パリィディバイド」
<アークスが『パリィディバイド』を発動!
パリィにより30ダメージを与えた!>
「うお?!」
「フン」
<85ダメージを与えた!
PK×2を撃破した!>
「………?」
「どうも、来ないはずの死にたがりです。
もう俺怒ったんで、あなた方を皆殺しにさせてもらいます。」
いや流石にあの言葉はない。
つうか行動に移そうとするフツー?仕様としてあるっつってもマジでやるの?
それでどれだけ怖い思いするかわかっているのか?
「何なんだよ……何なんだよテメェは!」
ああーやだやだ、こんなやつと話さないといけないのか?
「せっかくの撮れ高邪魔すんじゃねえよ!」
「は?撮れ高?」
「そうだよ!PK配信だよ!その上でお楽しみだってのに、こっちは気分台無しだよ!どうしてくれんだよ、ああ?!」
…………配信者?このドブ野郎が?
「……配信してんの、今?」
「そう言ってるだろうが!」
「その娘を犯すところ、配信しようとしてたの?」
「当たり前だろ!公開でできるなんてここしかねえだろうが!」
「…………………………」
《あ、やばい(ヤバい)》
《あ~あ、踏み抜いちゃったねー地雷》
《そもそもこいつなんなんだ……?頭湧いてんのか?》
「……………ヴェノムアックス」
<アークスが『ヴェノムアックス』を発動!
30ダメージを与えた!猛毒状態を与えた!>
「グオオアァ??!なんだこれ……?!」
「回復薬を奢ってやるよ」
すぐに死んだら困るからな…………
《え?なにしてんの?》
《やばいよこれ、マジにヤバい》
《公開処刑拷問の時間だ》
《パワーワード過ぎて草》
「テメェナメてんじゃ」
遅い。
<パリィ!>
「クソが!」
遅い。
<パリィ!>
「や、やべぇ……うっ?!」
「もっと足掻けよ……毒で体力削られながら足掻くんだよ!」
「ゴホッ?!」
<5ダメージを与えた!>
「そこまでやるなら……喰らえ5連裂き!」
なんかスキル打ってきたが止まって見える。
<パリィ!>
<パリィ!>
<パリィ!>
<パリィ!>
<パリィ!>
《え?!》
《パリィしてからパリィまでの時間短すぎて草》
「効くわけねぇだろうが!!」
「ガハッ!?」
「甘っちょろいんだよてめぇは!!」
「グフッ!?」
「そんな軽いノリで!テメェは!一人の人間を!傷つけてんのか!!」
「ウベェッ!!」
「挙げ句それを配信だと?テメェは………もう人間だとは思わねぇ!ヴェノムボディ!!」
<アークスが『ヴェノムボディ』を発動!
アークスの体は猛毒にまみれた……!>
「オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!」
「ぅう!?」
「オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!」
「ガハッ?!」
「オオオラァ!!!」
「ごは…………」
<PKをなぶり殺しにした>
<レベルアップしました 11→16>
<『PKを初めて倒す』を達成
パッシブスキル『人殺しを狩るもの』獲得>
<『PKの集団に初勝利する』を達成
パッシブスキル『屠殺の極意』獲得>
<『なぶり殺しを初めてする』を達成
パッシブスキル『拷問の心得』獲得>
<PKに襲われた人を守りきりました。
スキル『救いの手』獲得!>
「…………………」
「…………………あの」
「は、はい?!」
「………大丈夫?何も奪われてない?」
「あ、はい…あなたのお陰で。」
「…………そっか。」
「………?」
《安心したような笑顔》
《なるほど、これが容赦ないってことか》
その後、街の中まで一緒に行った。またPKに襲われたらヤバいだろうし、モンスターに襲われても苦戦するだろうと思ったからだ。
まあ結局モンスターもPKもいなかったが。
「助けていただいただけじゃなくて、街まで送っていただいて……本当に、ありがとうございました。」
「いや、一人だと危ないからね。特に魔法使いは耐久力低いだろうからさ。」
「……はい。あの、名前を聞いても?」
「アークスです。」
「私、ツユって言います!それでは!」
「……あんな怖いことしてたのに、なんで名前教えるんかね?」
《救いの手を差し伸べた男やぞ》
《救世主様が何を言ってるんです?》
《人間は第一印象が大事なんやで》
《明らかに助けるためにやってたことだからな。
傍から見たらただのリンチにしても、
ツユちゃんから見れば自分を助けるために戦っているぐらいにしか思わなかったんじゃないか?》
「そう、なのかな?よくわかんね。」
とりあえず、クエストクリアの報告にでも行くか。
――――――
名前:アークス
種族:ノームバトラー
職業:戦士(斧)
Lv10→11→16
HP170/170 MP50/50
STR:26
AGI:5
INT:10
MID:10
TEC:20
VIT:20
パッシブスキル
生産成功確率アップ(中)
斧系統強化
大地の加護
毒無効
猛毒無効
パリィ好き(NEW!)
パリィ職人(NEW!)
パリィの極意(NEW!)
人殺しを狩るもの(NEW!)
屠殺の極意(NEW!)
拷問の心得(NEW!)
スキル
斧スキル
『兜割り』
『チャージアックス』
『アックススイング』
大斧スキル
『アックスブレイク』
盾スキル
『シールドバッシュ』
『ガードアップ』
『パリィ』
『パリィディバイド』(NEW!)
『パワードパリィ』(NEW!)
『パリィフレクター』(NEW!)
救いの手(NEW!)
採集
採掘
鍛冶
調合
岩石の武器
ポイズンアックス
ヴェノムアックス
野性的咆哮
――――――
なぶり殺しの条件
1.素手による連続攻撃でダメージを与え続ける
2.敵を回復させて長時間攻撃し続ける
以上を満たすことでキルログが『なぶり殺しにした』となる。