8 君は完璧
◇◇◇
「え?ま、待ってください!」
「それとも、エリーゼは僕に触られるのは吐くほどいや?」
「そ、そんなはずっ」
「じゃあ何も問題はないね。早速レナード公爵家に婚約の申し込みを送るよ。式はそうだな、一年後にしよう。その間にエリーゼにふさわしいとびきり素敵な結婚衣装を準備させるから楽しみにしておいて」
そういうと、蕩けるような笑顔で、エリーゼの額に軽く口付ける。
「ま、待って、私、まだ結婚なんて」
エリーゼの言葉にとたんに顔を曇らせるガイル。
「僕が、いやなの?」
「わたくし、自分に自信がないのです。か、体も、貧相で……む、胸だって!殿下を、がっかりさせたくない……」
目に涙をいっぱい溜めて訴えかけるエリーゼを、ガイルはそっと抱きしめた。
「エリーゼは本当に、自分のことも僕のことも何一つわかっていないんだね」
「で、殿下?」
するりと背中を撫でられて体を震わすエリーゼ。
「ひゃっ」
「僕が君にどれほど夢中か、君のすべてをどれほど欲しいと思っているか、いますぐ教えてあげようか?」
ギラリと欲の籠った目で見つめられ、エリーゼは悟った。
(ああ、ガイル殿下はきっと、小さなことには拘らない、器の大きなかたなのね……)
そして、もう絶対この王子からは逃げられないんだろうなと。
◇◇◇
それから一年後。王都中に花が咲き乱れる一番美しい季節に、エリーゼは愛する初恋の王子の花嫁となった。王子から贈られた婚礼の衣装の数々は、華奢で清楚なエリーゼの魅力を存分に引き出したもので、花嫁衣装を身に着けたエリーゼの姿は、天使や妖精もかくや、という美しさ。神秘的な美しさと愛らしさを併せ持った王子妃は、未婚の令嬢たちから大いに羨望のまなざしを向けられることとなる。
そしてこれを機に、今まで大胆に体を見せつけるデザインが主流だった社交界の流行は、一気に清楚可憐なデザインへと舵を切ることになった。
「女性は清楚で可憐なのが一番だよな」
「ああ、胸の大きい女なんて下品だよな」
そんな声に今度は胸の大きな女性が悩みをかかえることになるのだが……
「馬鹿なことを。愛する女性のすべてが、尊いのだ」
そう言ってはばからない愛する王子の言葉に、エリーゼは満面の笑みで応えてみせるのだった。
ちなみにエリーゼとの婚約を破棄されたアルバートは侯爵に激怒され、辺境の騎士団に放り込まれた。ついてきて欲しいと懇願したが強かな巨乳の令嬢にあえなく袖にされ、たくましい雄っぱいに囲まれた生活を余儀なくされることとなる。
その結果、「女性は全てが愛らしく、尊い存在である」ことを骨身に染みて実感することとなったのだった。
おしまい
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