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荷馬車

「ねぇ。これバレてない??」

「問題無いじゃろう。儂らだとは分かっておらん」


「それでも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?()?()

「だとしてもあの子は余計なことは言わん。

それに一番重要なことは見られておらんからの」


「そうだけど……」


異次元からカイの様子を見守る天使とそのおじいちゃん。見た目は神様ではあるが……


「でもあんなに隠れスキルを詰め込まなくても良かったんじゃないの??自然に身につけていくものが普通じゃないの??」


「それではあの子はまた()()()()()()()()

いくら許容範囲を超えた行いとはいえ、ワシはあの子に今度こそ幸せになってもらいたいんじゃ……」


「………おじいちゃんがいいなら、いいけど……」



……………………………………………………



「………今度からこれを使うとき……"ちょっと切れる短剣"って思ってやって……」


「えっ??思ってやったら切れ方変わるの?」

「…………やって………」


「そこは説明……いや、いいけどさ………」


説明してほしかったがあまりにも潤んだ目で訴えてくるためにこれ以上話を広げないほうがいいと判断した。

するとティアラはデスウサの死体に近づき


「………切って……」

「いや……流石にこれ以上は………」


向かってくるモンスターとは違い、死体をこれ以上やるのはめちゃくちゃ気が引けた。この手で殺めただけでもかなり精神的に疲れているのに……


「………大丈夫。この牙を切るだけ……」

「……………それ、くらいなら………」


肉体を切るじゃないならまだマシ。

そう考えたカイはデスウサの牙に短剣を……


「………さっき、言った通りに……」

「ちょっと切れる短剣……ねぇ……」


ならイメージとして新品の包丁で分厚いカボチャを切ってみたら思ったより切れた。みたいな感じで牙を切ってみることに。

すると、スルッと刃が通り簡単にデスウサの牙が切れた。


「こんな感じ??」

「…………………………まぁ、いい………」


「絶対に不満があったよね!?」

「………さっきより切れ味が変わったから…まだいい……」


何をどういう基準なのか分からないが、ティアラが満足したならいいかと短剣を鞘に納めた。それにして立派な牙だな〜と見とれているカイに対してティアラは


(……やっぱりありえない……デスウサの牙は、専用の"牙刈り"の刃物が必要なはず………)


このデスウサは確かにレベル1にとっては最悪だが、それでも他のものからすればザコである。それでもこの牙は特殊でガッチリとしており無理矢理取ってしまおうとすると牙もデスウサ自体が溶けてなくなる。


この世界のモンスターは死骸は一定の時間が経つと自然消滅する。

そしてモンスターの核になるものを破壊しても消える。

デスウサに取ってはその核はその牙。

牙を綺麗に取るには専用の刃物が必要なのだが……


(………と、なると……やっぱりあれは……"勇者"級のもの……)


そして例外はもちろんあり、その中でも勇者が使用するものは切れ味が他のものと比較にならないほど鋭い。


「…………今度からは"普通に切れる"イメージで………」

「やっぱり不満があったんだよね!?」


「…………………………ない………」

「え、えぇ…………」


不満はないというティアラの目は明らかに不満があるようにしか見えなかった。


……………………………………………………



「これって……道だよね……」


それから歩き続けてどれぐらい経ったのか……

もう日も傾き始めようとしたところで獣道とは違う人の手で作られたと思われる道に出た。

背中にはティアラが乗っていたけどこの道を見たためか、背中から降りたティアラは


「………ここで待てば…荷馬車が来る……」

「そうなの??」


「………もう、近い……」


と言っているがこの場所からは全く見えない。

それでもティアラが来ると言ったので待ってみることにしたカイ。

最悪ここでテントを張ればいいかなーと思っていると


「……ちなみに、ここで野営はダメ……」

「えっ。なんで分かったの??」


「……野盗に襲われる。モンスターよりやっかい……」

「あぁ……やっぱりいるんだね……」


異世界定番の野盗。

出来るなら会いたくないので早く荷馬車が来るのを祈った。

そして体感としては30分。それぐらい待っていたと思うほど暇だなーと思っていると何かが近づく音が聞こえてきた。


するとティアラが言ったとおりに荷馬車がこちらに向かってくる。

そしてその馬車を操る体格のいい男がカイ達の近くで停車し


「どうした兄ちゃん達??野党に荷物を盗まれたか??」

「いや、そういうわけじゃないんですけど……あの近くの街まで乗せてもらえませんか??」


「それは構わないけど、荷物盗まれたわけじゃないなら……なんでそんなに身軽なんだ??」


言いたいことは分かる。

持っているというなら簡易テントが入っているバック一つと短剣·盾だけ。ティアラに至っては何も持ってないのだ。


「え、えぇーと……」

「………モンスターに襲われた。だから…ない……」


「そいつは災難だったな。この辺じゃたまに"上級モンスター"が現れるからな……よく逃げれたよあんたら」


なんか不吉な言葉が聞こえたが、それでも男の人は「いいぜ。乗りな!!」と快く乗せてくれることになった。

荷馬車に乗り込んでみるとどうやら先客が一人。フードを被り顔の見えない人が乗り込んでいた。


「すみません。よろしくお願いします」

「………………」


無口なのか、寝ているのか。

表情が見えないのでどう反応したらいいのか分からないが邪魔しないようにしようと一番離れた場所に座ることにした。

そしてティアラも乗り込んだところで


「出発するぞ」

「お願いします」


こうしてなんとか荷馬車に乗り込み街まで楽していけることになった。

そういえば荷馬車に乗ったならまたステータスに変化があったのではないかと思い確認してみると



本日の移動距離"76キロ"

移動手段

·徒歩1キロ=10ポイント、ユニコーン=5ポイント、荷馬車=5ポイント

·現在のポイント950"ポイント"


ーーーポイント交換ーーー


·水"5ポイント"

·まんじゅう"5ポイント"

·武器

○しばらくお待ち下さい

○しばらくお待ち下さい

○しばらくお待ち下さい

○しばらくお待ち下さい

·防具

○しばらくお待ち下さい

○しばらくお待ち下さい

○しばらくお待ち下さい

○しばらくお待ち下さい

·地図(周辺地域)"100ポイント"

·回復薬"100ポイント"


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