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移動とは。

「それでこれからなんだけど、とにかく歩いて距離を、ポイントを稼ごうと思います」


「……うん…」


「それでまずポイントでティアの服を買いましょう」

「……よろしく……」


森を抜けるのも先決だが、いま着ている古びたワンピースをずっと着させるわけにはいかない。

そのためにはまずは10キロ歩く必要がある。


「それじゃ行きましょう」


この森を知っているティアと一緒なら大丈夫だろう。

そう思い歩き出したのだが、なんか変な違和感を感じた。

振り向いてみるとティアラが一歩も動いていない。


「テ、ティア??…行きますよ……」

「??」


「えっ?いや、さっき歩いてポイントを貯めようって……」

「??」

「えっ。どういうこと……」


なんか本気で分かっていない様子のティアラ。

何が起きているのかとティアラに近づいて


「えーと、ティア。いま分かっていることは??」

「……移動して、距離を稼いで、ポイントを取る……」


「だったら歩かないと……」

「………必要、ある??」


…………この答えには流石に参った。

いや、移動しないといけないんだから歩かないと……

しかしティアラの目は本気で歩く必要があるとは思っていない様子。

これは困ったと頭をかくカイにティアラから


「……歩かなくても、移動…出来る……」

「えっ。それって……」

「………ちょっと、まって……」


目を瞑り顔を上げたティアラ。

一体何をしているのか、と思っていると遠くから何かが聞こえてくる。

トトトトッと軽快に駆けるような、動物が走るような足音。

それがドンドンこっちに近づいてくる。


そして茂みから飛び出してきたのは


「ゆ、ユニコーン!?」

「………ん。私の、友達……」


そういうと言葉が通じたかのようにティアラに近づいて頬を合わせてくるユニコーン。それに対してティアラも嬉しそうな表情でユニコーンを撫でている。


「……この子に乗って、森を抜ける…」

「それは、助かるけど……」


でも、それでポイントは貯まるのか??

もう一度ポイント交換欄を見てみると



スキル"MOVES"

·本日の移動距離"0キロ"

(移動手段、徒歩1キロ=10ポイント、ユニコーン=5ポイント)

·現在のポイント"0ポイント"


い、いいのか、これで……

まさかのユニコーン移動で1キロ5ポイントも貰えるなんて…

…………まぁ、歩くなくてもポイントが貰えるならいいか。


「それじゃお願いします」

「……ん。よろしく"ミラー"」


「ミラーって言うんだ。よろしくミラー」


すると理解してくれたのだろう。こっち近づいて頭を下げてくれた。

それに習ってこっちも頭を下げることに。

その時頭を下げて見えなかったがティアラが少し驚いた表情をしていた。


そして膝を曲げてティアラを乗せた後に後方にカイも乗り込んだ。

しかしちょっと高い所に上がるとなんかちょっと怖いな……


「……じゃ、ゴー……」

「えっ。ちょっと、まっ……ッッ!!!??」


一気に森を駆け抜けるミラー。

ティアラは平然としているがカイはもうテンパっていた。

高さもそうだがミラーの駆け抜ける速さが半端ない。


もう木々にぶつかるんじゃないかと思うほどにギリギリを攻めるのでもうさっきからカイは声にならない声を上げている。


そして……一時間後。


「………抜けた……」

「…………………」


やっと森を抜けた。

なのにカイは完全に放心状態になっていた。

………これなら歩いて森を抜けたほうが良かったと後悔した。


しかし、やっと森以外の景色が見れた。

目の前には前世では見たことのなかった広大な草原が……、草原……


「………結局、まだ歩くのかよ……」


何にもない所にだったと足元からガックリとして落ち込むカイ。

そんなカイの後方で、離れた場所でティアラがミラーと


「あの者は"渡り人"ですか??」

「……そう。そして、勇者……」


「勇者……そのようには見えませんが……」

「……見えない……けど、なる……」


ただのユニコーンだと思いきやティアラと話しているミラー。

そしてその喋り方はまるでティアラがミラーの上司のような……


「………ついて、いかれるのですか??」

「……うん。……見極める……」


「では、私はこの森をお守りします。なにかあれば駆けつけますので」

「………うん」


そういって颯爽と森へ帰っていくミラー。

その足音に気づいたようでティアラの方に顔を向けてきたカイ。


「あれ??ミラーは……」

「……森に、帰った……」


「……だよな。そんなに都合がいいこと、ないよな……」

「??」


ここまで来たら人がいる場所まで乗せてもらおうと考えたカイ。

しかしそんな都合のいいことは起きないわけで、結局自分の足で歩くしかないというわけである。

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