ガチャ
たいとるがおもいつかなかったおとこ!
なんやかんやありなんやかんやしながら二人で帰り着いた家は、普通の一軒家………………のはずだった。
「……………………なぁ。俺の目にはこの家が魔王城かなんかに見えるんだが」
「…………………生憎私は魔王城を見たことがないのだけれど、何かしらこの寒気?あんた、先に入りなさいよ」
「…………………死にたくねぇ」
(おかしいだろ。なんで家に入ろうとするだけで手が震えるんだ?!)
「っ!た、ただいま!」
決死の勇気を振り絞りドアノブを引いた俺の耳には、緊張を緩めるような年相応に高い女の子の声が届いた。
「あっ、おかえりなさいお兄さん!」
「えっ?香苗ちゃん?!えーっと……………どうしてここに?」
「えっと、結愛ちゃんが親がいないなら一緒に来ないかって言われて……………お邪魔してます?」
「………………あー、なるほど。大体理解したわ。てか、結愛はどうぇぁっ?!」
(あっぶねぇ!なんかナイフ飛んできた?!髪何本か切れたんだけど?!)
「あらあらあら………………手が滑ってしまいましたわ。ごめんなさいね。お兄様」
「………………なぁ、妹よ。手が滑ってナイフが飛んでくるのも大概おかしいが、一万歩くらい譲っていいとしよう。それはいいとしてこの首に添えられてる物は何なのでしょうか」
というかちょっと切れてるんですが?
「ふふふふふ………………私のことを放置して織葉さんとイチャついてたお兄様を断罪する刃ですわ」
「織葉助けて!殺されちゃう!」
「死ねば?」
酷くない?!
「なぁ妹よ…………………いつ俺と織葉がイチャついていたって言うんだ」
「学校で愛を語りあっていませんでしたか?」
「………………愛を語りあってたわけじゃない。あと、何故それを?」
「盗聴器ですよ。お兄様?」
怖ぁ………………
「そ、そうだ!そう言えばガチャだよ!ガチャ!今から引こうとしてるんだった!」
「あ、逃げたわね」
「お兄様……………逃げるんですね」
「うるせーうるせー!!てか、俺は今日中に終わらせないといけないことがあるんだよ!」
「はいはい忙しい忙しい……………それじゃあリビングに行きましょうか」
「お兄様………………情けないです」
「お、お兄さん!元気出しましょ!ほら、私のプリン上げますから!」
「うぅぅ。香苗ちゃんの優しさが身に染みる……………でも食べかけのプリンはやめて。俺が結愛に殺される未来しか見えないから」
「あら、私も殺すわよ?」
織葉もかよ!てか今日みんな俺に対する当たり強くない?!
「「自業自得(です)よ!」」
心の声を読まないでっ!
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「それで、お兄様。ガチャを引くとは言っていましたが、実際どのような物なのですか?」
「あーー、ガチャって言っても多分、運が関与するというよりは本人の容量的に割り当てられる力ってイメージで考えてる。だから回数が多いやつほど強いスキルやら装備を得られるんじゃないか?」
「なるほど…………因みに皆さんは何回なのですか?私は7回です」
「私は8回よ」
「私は6回ですね。お兄さんは何回なんですか?」
………………ふっふっふっ
「俺は10回だ!」
「わぁ!お兄さん凄いです!」
「へぇ~〜」
「はぁ………」
「……………ねぇ。なんか俺が滑ったみたいだからもうちょい反応してくれない?」
みんな冷たすぎてお兄さん泣いちゃうぞっ!
「きゃーすごーい」
「お兄様すごーい」
「棒読みもやめれ!」
もっと虚しくなるから!
「いやだって……………ねぇ?」
「えぇ…………」
「「お兄様だからあり得るかなって」」
「……………実はお前ら仲良いだろ!てか、俺だからあり得るってなんだよ!」
まるで人のことをおかしいみたいに言いやがって!
「いや、あんた普通の人間じゃないでしょ?だからあり得るかなって」
「俺も普通の人間なんですけど!なんですけど!!」
「普通の人間は屋上から飛び降りて怪我すらしないなんてあり得ないわ」
ド正論パンチ!俺に100ダメージ!
「………………なぁ、結愛。俺って普通の人間であってるよな?」
「いえ、お兄様は人間ではありませんね」
「………………一応聞くけどなんで?」
というか人間ですらないの?
「普通の人間は車に撥ねられて無傷なわけないじゃないですか」
グハッ!俺に300ダメージ!
「お兄さん………………人間は普通、壁を殴って粉々に出来ませんよ?」
…………………………
「ねぇ、この話もうやめない?」
「あんたが始めたじゃない」
「今日だけでお兄様の株が大暴落してます…………」
「お、お兄さん!元気出して!ほら、私のプリン上げますからっ!」
うぅ……………香苗ちゃんの優しさが身に染みるっ!でも食べかけのプリンはやめて!殺されちゃうから!
「それであんた、ふざけたことやってないで聞くけど、ガチャを引くって言ってもなんでそんなに急いでるわけ?まだ20時間以上あるじゃない」
「確かに、お兄様にしてはちょっとおかしいかなって思ってました。だってお兄様、いっつも不確定要素は後に回すじゃないですか?他の人の反応を見たあとに引く、くらいはすると思ってました」
………………ばれてーら。
「まぁ、うん。お前らの言いたいことは分かってる。ただ……………今日中に、東京から出ないと不味いんだよ。なんでか聞かれても答えられないんだが、ただ『ヤバイ』ってずっと俺の勘が訴えてるんだよ。結愛なら分かるだろ?あの時みたいな……それ以上かもな。とにかく今日中に車で他県を目指す。目的地は後で決めるとして、今日が終わるまで後10時間くらいしかないだろ?だからさっさと引いとかないと不味いんだわ」
「なるほど………………だからお兄様は悟らせないように振る舞いながら早く出発しようとしてたんですね。確かに、ここから他県まで早くても2時間は掛かりますからね」
「あの時って言うのが気になるけど……………あんたの勘は基本的に当たるからね。いいわ。早く終わらせましょうか」
「二人とも、まじで助かるわ。それで香苗ちゃんはどうする?ご両親が家にいるなら連れてきてもいいし、何なら一緒の場所を目指すのはありだけど」
「えっと、その……………お父さんとお母さんは今、旅行でアメリカにいるんです。それで今日、二人からしばらく帰れなそうだから信頼できる人と一緒に待っててくれって連絡がありました。だから私も、お兄さんたちに付いていきたいです!お願いします!」
「分かったよ。香苗ちゃん。俺としても是非お願いしたい。まぁ付いていくって言っても車だからそんなに変わらないけどね?飛行機に乗るって訳でもないんだし、ご両親が帰って来るまでは一緒に過ごそうか」
「ありがとうございます!やっぱりお兄さんは優しいです!」
「優しい……………照れるからやめてくぎゃぁぁぁっ?!」
脇、脇が捻れてる!
「ねぇ………………急ぐんじゃ、なかったの?」
「ヒィッ!?」
「お兄様……………右か左、どっちがいいですか?」
「怖い!二人とも怖いから!落ち着いて!!まじで!」
「はぁ……………もういいわよ。で、誰から引くの?誰も引かないなら私から引くけど」
「いなそうだし、織葉が最初でいいんじゃね?織葉、最初頼む!」
「はいはい………………えっと、これを回せばいいのかしらね?てかあんたたちにはこのガチャ見えてるの?」
「いや、見えてないから多分、他の人には見えない仕様なんじゃないか?」
「ふーん…………あ、何か出てきたわ。金色のカプセルね。中身は…………あいてむぼっくす?」
「おー、定番じゃないか?たまに見る小説だと大体出てくるな。大量に物が入れられる的なやつじゃないか?」
「へー……………次は虹色ね。かみなりまほう…………雷魔法ね。中々強そうじゃないかしら?」
「そうだな……………てか、纏めて後で報告してくれ。スマホに纏めときたいからな」
「了解よ………………………………引き終わったわ」
「はやっ。まぁいいや、うん。すまんが織葉、内容教えてくれ」
「えっと…………銀色が1つで、中身が風魔法ね。金色がさっきのを含めて3つで中身はアイテムボックス、魔力増強、シールド。虹色が2つで中身は雷魔法と超加速。白が1つで中身はアルカナリング。黒が1つで中身は瞬間転移よ」
「ふむふむ……………中々強そうだな。てか聞きたいんだが、今スキルって使えるのか?使えるなら家のものをアイテムボックスに入れてほしいんだが」
「無理ね。現在使用不可って書いてあるわ。隣に時間も書いてあるから24時間後からしか使えないっぽいわね」
「了解だ。次は誰が引く?いなそうなら俺が引くが」
「お兄さん…………私、引いてもいいですか?」
「あぁ、うん。俺は全然いいよ?結愛はどうだ?」
「私は香苗ちゃんの次にしますので、大丈夫ですよ」
「なら香苗ちゃん。引き終わったら内容教えてくれ」
「はいっ!」
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「引き終わりました!えっと、内容は金色が1つで魔力感知です!虹色は4つで回復魔法、超回復、光魔法、サークルです!後は黒色で反転です!」
「なるほど……………結構偏ってるな。サークルとか反転に関してはよくわからんけど、ありがとう。香苗ちゃん」
「いえいえ!私、お兄さんのためなら何でもしますから!」
「ははははは、ありが「私、引いてもいいですか?」ヒッ?!ど、どうぞお引きください!」
今日の結愛が怖すぎるんだけど!!
「はぁ………………お兄様、内容言ってもいいですか?」
「はいっ!どうぞお願いします!」
「……………金色が2つで火魔法と水魔法です。虹色も2つで変質と構築です。白色が1つで名前がヤマタノオロチです。黒色が2つで呪縛鎖とポイズンシフトです」
「……………中々濃いんだが、とりあえず魔法系なのか?てか全員魔法系だとだいぶヤバくないか?」
「そこはあんたが物理系のスキルを引きなさいよ。か弱い女の子を守りなさいな」
「そんな無茶ぶりな………………まぁ引くか」
えーっと、目の前の右端のガチャか。これを押せば出てくるのか。っと。思ったよりでかいな。なんか文字が書いてあるな……………なになに?
銅…Cランク
銀…Bランク
金…Aランク
虹…Sランク
白…色装
黒…Zランク
????
なるほど、つまり色ごとにランクが分かれてるのか。てか1人につき1つはZ出てるからうちらは中々いいのか?比較対象がいないからなんとも言えないが。あと???って何なんだまじで。ってやべぇみんなこっち見てるじゃん。
さっさと引かないと……………1個目は黒色か。内容は空間切断?よくわからんが次だ次!2個目は…………白か。えーっと白亜剣・イヴ?なんかめちゃくちゃ痛々しいなおい。3個目は…………また白かよ。えーっと黒闇剣・グラ?まじで俺剣2本持つの?!4個目は……………黒か?これ。えーっと成長補正?経験値が上がるのか?これ。5個目は…………なんだこれ?透明?内容は……………ステータスボード?どういうことだ?よくわからんがこれがシークレットみたいな感じなのか?まぁ今はどうせ使えないし気にするだけ無駄か。えーっと6個目は……………また黒か。もしかしたらそんなに黒は珍しくないのかもしれないな。内容は………………適正?まじで何だそれ。もういいや……………7個目……………黒。適応。は?8個目…………透明。神眼!これは強そうだな。うん。9個目は……………また透明かよ。まじでシークレットがシークレットしてないなおい。内容は……………支配?どういうことだ?使役系なのか?
ラスト10個目は………………黒か。内容は豪運?運が良くなるって感じか?
まぁいいや。とりあえずみんなに報告するか。
「えーっと、引き終わったぞ。内容は黒5個で空間切断、成長補正、適正、適応、豪運。白が2つでは白亜剣・イヴと黒闇剣・グラ。透明が3つでステータスボード、神眼、支配だな。自分でもあんまり理解してないからどんなのかはきかないでくれ」
「……………色々言いたいことはあるのだけど、まず透明って何?」
「多分シークレット」
「シークレット3つ出てるんだけれど?」
「まぁ、うん。よくわからん」
「お兄様……………やっぱり人間じゃないですね」
「お兄さん……………凄いです!」
ははははは!俺もよく分からん!
投稿遅くなってすいませんでした!言い訳すると学校で疲れてたのと新しいゲームを始めたのとやりこんでるゲームの新規イベが来て忙殺されてました!あと、個人的にどうやってガチャを引く流れに持ってくかでめちゃくちゃ悩んでました!スキル?そんなの書きながら考えました!個人的には主人公にアイテムボックス持たせようとか色々考えたんですけど、なんだかんだ流れ的にはあれが一番いいのかなと思いながらスキルは考えました。
因みにスキル使用不可なのに関しては使用可能だと変なところで戦闘を起こしたくなるという自分に対する抑止力です。ぶっちゃけ深い意味はあんまりありません。
とまぁこんな感じで進めましたが、正直ちょっと展開謎かなって感じではありますが今後も多分こんな感じで進んでいくのでよろしくお願いします!
結論『ガチャが引きたい!』




