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小説家になりたい  作者: なのか
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第一話 根拠のない自信

「あっちぃー」

夏の炎天下の中、僕はゴミ捨てをしていた。コンビニだったら冷房も効いているし、夏にはいいバイトだと思った自分をぶん殴りたい。フライヤーを使うと熱いし、理不尽な客はいるわで、世の中そんなに甘くない事を実感させられる。今思うと室内のバイトなら、もっと他にいいのがあったのではないかと考えさせられる。

そんな事を思いながら僕は休憩に入った。25歳にもなって僕は職に就くこともなく、バイトで生活をしていた。特にしたい事もない僕は、その日を生活できればいいという甘い考えをしていた。たまに何の為に生きているんだろう、何が楽しいんだろう

と思うこともあるが深くは考えないようにしていた。


「何か楽して稼げる仕事ないかなー」、そう思いながら僕は、休憩室にあった雑誌を読んでいた。するとふと目についたページが

【大賞作品には100万円!!】

というものだった。新人漫画家を発掘、応援する企画であった。だが、僕には画才がない!学生時代ピカソとよくいじられた苦い記憶しかない。

どうでもいい記憶を振り払い、ふと見ると小説部門もある事が書かれていた。小説なら日本語を知っていれば書けると、意味不明な自信が溢れていた。


バイトが終わり、思い立ったが吉日という言葉があるように帰宅して早々画面とにらめっこをしていた。まずはジャンルを何にするか。ゲームの知識もあるからと深く考えず異世界物で決定した。某RPGゲームを参考にし、僕はすらすらと打ち込んでいった。

肩が凝り始めた頃、時計は長針と短針が上を向いていた。ひとまず今日はこれまでとパソコンを切り、ご飯を食べ風呂を済ませスマホゲームのデイリーをやり終え眠りについた。

廃品回収のアナウンスで目が覚めるとお昼前になっていた。寝ぼけた頭を掻きながら、お湯を沸かしカップラーメンを昼ご飯にしていた。片付けを終えると昨日の続きの小説を書き始めた。日曜症候群で有名なあのアニメがジャンケンをする時には処女作の小説は完成していた。

応募の形式としてはネット上に上げればいいだけらしい。誰でも見れるようになっており一般票・審査委員票とあり、それを基準に判定する。あと18歳を超えていること。感想や審査委員からのコメントもあれば見れるみたいだ。そんな説明を読みつつ期待に胸踊らし投稿ボタンをクリックした。

僕はいい意味でポジティブ、悪い意味では間違いなく後先考えないバカといった感じだ。100万円貰えたら何に使おうかと考えパソコンを閉じた。


しかし、やはり世の中そんなに甘くないという事を結果発表の日に再実感させられる事となる。

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