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死霊王に俺はなる!  作者: 城乃山茸士
死霊王の目覚め
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79 武装神官と戦いましょう

 基本的にアンデッドは夜の方が得意だと言う。夜の魔力を得るのだとか、日の光に弱いのだとか、様々な説があるが実際にどの程度違うのかは定かではない。アンデッドの種類にもよるかもしれない。それでも彼らは明るい時間の戦いを選んだ。

 街の入り口で降りる彼らを待っていたのは霧である。それも、濃霧と言っていいレベルの視界の悪さ。


「なかなか不気味じゃないか」

「まあそれでも夜よりはマシだけどな」

「やることが変わるわけでもないしな」


 作戦の説明は受けた。とにかく目についた者を片っ端から浄化する。馬車から降りて決められた陣形を組んでいく。

 何人かがちらちらと振り返るが、三両目の扉は閉ざされたままだった。


「結局何が乗ってるんだろうな」

「秘密兵器だったりしてな」

「ほらそこ、無駄口を叩かない」


 装甲馬車から降りた武装神官たちは隊列を組んで街に入る。


「ようこそ。ここはキリタチの街です」


◆◆◆


 NPC達が光に包まれる。街に転がしたいくつかの目玉を通して俺たちはその様子を見ていた。


「予定通りではあるが……あまり気分の良いものではないな」

「浄化も雑ですしね……」


 アリシアは連中の浄化の出来が気に入らないらしい。今はそれは問題じゃないんだが。


「衛兵を集めて数で押してみるか」


 数で押すとは言っても武器を持たない街の人たちをけしかけても遠距離から浄化されてあまり面白みがない。霧である程度は気付かれずに接近できるが、限度がある。


「人の視界の外から、飛び道具か、魔法か……」

「あの子たちに魔法まで使わせるのはちょっと難しいかな」

「じゃあやはり飛び道具か。弓ぐらいなら衛兵が持ってるだろう」


 キリタチの街は霧で覆う程度のちょっかいは出せるが、住人を操作しているだけであり地下ダンジョンのように好き勝手できる領域ではない。にもかかわらず、遠距離攻撃に変えてからは連中は攻めあぐねているように見えた。加護のおかげで矢が刺さりにくい上に刺さっても致命傷にはならないのだろうが、徐々に戦える人数が減っていく。


「別に弱くはないんだろうけど……大したことないわね」

「住人もそこそこ人数は減ったけど許容範囲かな。どうせ街の規模縮小するつもりだし」


◆◆◆


それなりの範囲を浄化して回ったが、戦いの流れが変わり霧の向こうから弓矢で攻撃してくるようになってからは思うように浄化が進まなくなってきた。武装神官のけが人も増えてきたため一旦仕切り直すことになった。決められた合図により引き上げの命令が伝えられる。

 引き上げ命令に従って装甲馬車まで戻ってきた武装神官たちはそこでやはり三両目の装甲馬車に目が行くのだが。


「なあ、三両目の扉が」

「開いてるな……」

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