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死霊王に俺はなる!  作者: 城乃山茸士
死霊王の目覚め
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06 アリシアという少女

 アリシアは学ぶことに貪欲であった。それなりの家に生まれ、それなりに環境には恵まれていた。が、上級神官というのはそれだけでなれるものではない。神学校では神職に必須の講義のみならず、学べるものは片端から学んでいった。いくつもの試験を突破し、神職の資格のみならずいくつもの資格を得た。その結果卒業後は本人の希望で地方神殿への配属だったとはいえ下級神官、中級、上級と異例の速さで昇格しただけでなく、様々な分野の知識でも周囲に認められていた。今でも定期的に中央の上級学校に特別招待を受けるのだが、空き時間では聴講生として様々な講義に紛れ込んでいる。



 アリシアには才能もあった。学問のみならず、体術にも魔術にも長けていた。神の神秘を体現するために魔術の知識と能力は必須である。神学校入学時の魔力測定において彼女は十分に上位であったし、その後の鍛錬も欠かさなかった上にのびしろも十分にあったのだろう。卒業時には他の追随を許さない力をその体に携えていた。そしてそれを十分に生かすだけの魔力操作の才もあった。つまり、理論として学んだものを実際に試す、あるいは自分で新たに組み立てた魔術を理論だけで終わらせず自ら実践してしまうだけの力を得ていた。体力は人並より少し優れる程度であったが、体術において彼女の能力は高く、またこちらも非常に吸収が早かった。単純な力押しならともかく、模擬戦闘などでは負けることはほぼなかった。




 そしてアリシアには夢があった。野望といってもいい。神職として地位を得、小さな神殿でもを任されるようになれば、彼女の出身地の小さな村に小ぢんまりとした神殿を誘致し、そこの神官長として村を守れるようになりたい。あまり豊かな村ではない。災害や魔獣被害に備えるにも金が要る。被害を受ければ収入は減る。税収の低い領地に領主はあまり興味を持たない。交通の要所でもない。それでもアリシアの生まれ育った村だ。学校にも皆で送り出してくれた。そんな村の暮らしを少しでも楽にしたい。魔獣討伐の指揮をとるのもいいだろう。必要とあらば先頭に立って魔獣と戦ってもいいそのために魔術も体術も鍛えてきた。今なら田舎の村に出る程度の魔獣の群れなら、多少無理すれば一人でも対処できるかもしれない。



 そんな彼女は今、全てをかなぐり捨て沸き上がる衝動のままに暴れていた

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