ある神官のメモ 一
【八聖霊】
〇火と戦:バルケン ……火の大神殿
〇時と星辰:オリナギ ……星の神殿
〇運命と真理:イルカラード ……太陽の神殿
〇境界と魔道:???? ……月の神殿
〇知と不可逆:マルナイルナ ……水の大神殿
〇死と終:ヌニト ……土の大神殿
〇生と始:カロペー ……風の大神殿
〇形と導:ブダトア ……闇の大神殿
注記:『境界と魔道』の聖霊の名は失われている。また古き月の王国の滅亡と共に、月の神殿の教義もこの世界から失われた、と言われている。
注記:秘境に住む者達の一部では口伝により『月の伝説』が語り継がれている。
また、極稀に『月の衛士』を名乗る者が各地で確認されるが、そのほぼ全てがメイド、或いは執事の扮装をしており、酔狂な、或いは気が触れた者の類として、普通の人々には全く相手にされていない。
注記:時代によって神殿、もしくは神殿が祭る聖霊の名が異なる事がある。
例として、古代文明の時代にはシュワサン浮遊大陸には風の大神殿があり、そこでは生と始の聖霊【カロペー】が祭られていたと、断片的な記録が残っている。
しかし現代にはおいては、火と戦の聖霊【バルケン】を祭る火の大神殿があるのは周知の通りである。
研究者の間では様々な説が出ているが、その何れにおいても、確実なものはない。
またあまり公けに行うと聖典教会が介入してくるので、殆ど手を付けられていないと言うのも実際である。
誰にしたって、あの狂信者達は怖いのだから……。