ようこそ知識を求める者達よ
あなたはある国のA級開拓者です。
ある依頼で必要な情報を求めて、辺境の町にある図書館へと赴きました。
* * *
それは忘れられた土地。
険しい山々の間にある盆地の中にある小さな町です。
赤煉瓦の並木道を抜けると、大きな建物が見えてきました。
黒の装飾が成され、建物の至る所を蔦が張っています。
梟の掘られた木の扉を抜けた先、そこには受付があり、魔女のような老婆が座っていました
「おや。ようこそ【万象の図書館】へ」
老婆が不気味に笑います。
腰に下げた剣を抜こうか真剣に迷いました。
「入館料は十銀貨。払ったら入っていいよ」
入館料を払い、さっさと奥へと進みます。
中の空気に澱みは無く、適度な湿度と気温の風が吹いています。
上を見上げました。
遥か天井付近の壁際に、緑色の風精石の輝きを宿す空調機がいくつも動いています。
埃一つ無い床を歩きます。
時折掃除用のゴーレムとすれ違います。
設備投資にとても感心しました。
膨大な本と立ち並ぶ棚は迷路のよう。
とてもわくわくしてきました。
さて、と一息付いて。
本の世界へと入って行きました。