8:ソルトとの出会い
大変長らくお待たせいたしました。第8話となります。
俺達は、狩りを終えて平原フィールドから街に戻って来た。
「冒険者ギルドここにあったのか! 全然気付かなかったわ」
「普通に気づくだろうによ」
確かに普通に気づく。けど、他の周りの景色や街並みに目移りしちゃって全然見えてなかったわ。しかも、西門の近くにあるという。
「それじゃ、ギルドに入るぞ」
ダインはそう言うとギルドに入り、僕も後に続いた。
「おー、ここがギルドの中か! で、どうするんだ?」
「ウサギやスライムを倒した時にアイテムドロップしたろう? それをこれからこのギルドでクエスト完了するぞ。後は、店でも売れるけど二束三文でそんなに儲からないぜ」
「へぇー、でもクエスト受けてないよな? …もしかして、クエストのクリア条件を満たすモノがあれば後からクエスト受けてもクリアになるのか?」
「正解だ! まぁ、事前に受けなくちゃならないクエストもあるけどそれはまだ先だしとりあえずクエスト受けて完了してみるか?」
「うん、やってみるよ」
そう言うと俺達は、カウンターの所に行き完了出来るクエストを受注した。そして、続けてクエスト完了報告をしギルドを後にした。
「基本的に何か売るならギルドとかにしときな。後は、生産系の奴らと仲良くなったら持っている素材と物々交換等も出来るぜ」
「了解。色々とありがとうな。所で、これからどうする?」
「そんなお礼を言われるほどでもないんだが…。それと、すまんがここで一旦お別れだ。これからβ組の奴らと会う事になったんだよ。悪いな!」
「そうなのか。それは仕方がないし俺は、色々と散策と行こうかな!」
「オーケー! 後、何か分からない事があったら連絡してくれ。それじゃあまた後で」
ダインは、そう言うと走って行ってしまった。俺もギルドを後にして街を散策し始めた。
「取り敢えず、何故か噴水広場に来てしまったがどうしようかな。うーん、確か北側には屋台とかあったよな。そっちに行ってみるか」
俺は、北側に向かって歩き出した。暫く、歩いていると何処からかいい匂いがしてきた。VRって本当にすごいなと思いつつ匂いがした方へ向かった。
「おお、ここか! いい匂いがするのは!」
「いらっしゃい坊主! ちょうどリザードマンの肉が焼けたところだ! 食っていくかい?」
「リザード? まぁ、いいや。おっちゃん一本ちょうだい!」
「あいよ! 後、リザードじゃなくてリザードマンだ。5ギルだよ」
あれ?聞き間違えたかな。俺は、おっちゃんに5ギルを払ってリザードマンの肉を一本頂いた。そして、一口リザードマンの肉を食べた。…うっま!めちゃくちゃ美味いじゃないか!この程よくきいた塩と胡椒、そして肉汁が最高やー。
「どうだ、坊主。美味いだろう?」
「うん、めちゃくちゃ美味いよ! おっちゃん、追加で3本頂戴!」
「おっ、食うねぇー。15ギルだよ! 後、一本オマケしとくよ」
マジか!これはありがたい。15ギルを渡してリザードマンの肉を貰った。
「おっちゃん、ありがとう! また、買いに来るよ! 後、坊主じゃなくてハルっていうんだ」
「ハルって言うのかい。俺は、ニールってんだ。また来いよ!」
俺は、ニールにあいさつをしてこの屋台を後にした。
そして、また暫く歩きながら今度はさっき購入したリザードマンの肉を食べながらぶらぶらとあちらこちらの屋台を食べ歩きをしていた。ふぅー、食った食った。さて、ある程度は食べたからどうしようかなと思っていた所、突然声をかけられた。
「ちょいと、そこのキツネさんや! 少し私の店に寄って行かないかい?」
「うん? 僕? まぁいいけど」
「そや、そや。あんさんや! 後、アクセサリー系や回復薬を主に扱ってるねん」
「へぇー、回復薬はまだあるから買うとしたらアクセサリー系だね。魔法関係と刀剣士関係のアクセサリーってある?」
「魔法と刀剣士ねー。あんさんのメイン職は魔法士かい? それとも剣士?」
「メイン職は、刀剣士でサブ職は錬金術師だよ」
「ほほう! 戦闘職と生産職ねぇ。因みに私もサブ職は、錬金術師だよ。メインは、薬師だけどね」
へぇー、完全に生産系の人だ。それに、種族はエルフか!
「それで、刀剣士と魔法士のアクセサリーね。ただ、生憎と刀剣士はないわね。β版時は刀剣士じゃなくて剣士だったから剣士のアクセサリーはあるけど刀剣士は本サービスの時からだからまだ、作っている人はいないと思うわ」
「えっ! そうなんですか? それじゃあ、魔法関係でお願いいたします」
「了解。うーん、魔法の攻撃力をアップ出来るやつと魔法防御を高めるやつもあるけど」
魔法の攻撃力と防御力を高めるやつね。どうしようかな?手元にあるのは、2500ギルしかないし買うとしたらどちらか一個だな。
「すみません、お値段はどれくらいになるのでしょうか?」
「魔法攻撃をアップさせるピアスで1500ギルで魔法防御を高める腕輪で2000ギルよ」
以外に高いな!懐事情を考えて、ここはピアスにしよう。1500ギル払っても1000ギルは手元に残る。
「それじゃあ、ピアスを下さい。はい、これ1500ギル」
「結構お金持っているねぇー。確かに受け取ったよ。はい、ピアス」
「ありがとうございます。さっき、友達と西の草原でスライムとラビットをひたすら狩りまくってたらいつの間にか結構なお金になりました」
「あぁ、君がそうだったのか! 掲示板で狐とゴリラがひたすら草原でスライムとラビットを一掃していると少し話題になていたんだよ」
掲示板!? まさか、あれを目撃されていたとは。やりすぎたかな。
「いやー、無我夢中でやっていたので…。でも、スライムしか狩ってないですから」
「よく、やるわね。まぁ、魔法攻撃を持っていれば楽勝でしょうから。あっ、そうそう。もし、錬金とかでポーションを作ったら内へ売りに来てね。少し値付けした上げるから」
「分かりました。所で、錬金キットみたいのって売ってたりするんですか?」
「するわよ。東の街に行けば錬金ギルドがあるから登録したら初級錬金キットを手に入れられるわよ」
おおー、それだったら次の目的地は錬金ギルドだね。登録したらキットが貰えるのはありがたい。これは、いい情報を手に入れた。
「ありがとうございます。それでは、錬金ギルドに行ってみようと思います」
「うん、こちらこそ毎度ありがとうね。それと、せっかくだしフレ登録をしようよ! いいよね」
「はい、大丈夫ですよ!」
ピロンっと音がなった。ソルトさんって言うのか。俺は、フレンド了承ボタンを押した。
「ハル君っていうんだね。それじゃ、また何かあったら連絡をおくれ」
「ええ、そうさせていただきます。それじゃ、この辺で」
「またねー」
ソルトさんは、手を振りながら送り出してくれた。
そして、俺はその足で東の街にある錬金ギルドを目指すのであった。
最後まで読んで下さってありがとうございます。