1:始まりの日
※「Libre Arts Croix Online」→「フリークロスアーツ」へ変更しております。(2021/5/13改)
※「あぁぁ、俺のスロー生活ライフが遠のいていく・・・」→「あぁぁ、俺のスロー生活ライフが遠のいていく・・・」へ変更しております。(2021/5/13改)
「へぇ、VRゲームね。くだらん」
そう言いって俺は、リモコンでテレビのチャンネルを変えた。
いつも、登校前に新聞を読みながらテレビのニュースを聞き流していた。
「あら、もう起きてたのね。おはよう遥」
姉の朱音がそう言いながらリビングに入ってきた。
「おはよう、姉さん。今日は、珍しく朝6時に目が覚めたからね。」
「確かに珍しいわね。いつもは、7時頃なのに。」
「コーヒー飲む?」
「飲むわ。砂糖多めでお願いねーー、それと今日は寄り道せずに真っ直ぐ家に帰ってくること!いいわね?」
砂糖多めはいつもの事だが、真っ直ぐ家に帰れという事は…姉さんがそう言う時は、絶対に何かあるな。それもいつもの事だ。俺の平凡な日常生活を平気で壊しに来るし最近じゃのんびりな生活すら遅れていない。何を隠そう、姉さんは美人で成績優秀で容姿端麗でおまけに生徒会長で人気者である。そして、いつも全校男子に目の敵にされる日々を送っている。
「はいはい、分かりましたよお姉さま。ところで、莉愛は?」
「はいは一回でしょ! もう。莉愛なら洗面台でお化粧してたわよ」
「あいつが化粧ねー。てか、校則違反だろ。しっかりしろよな生徒会長さん」
「あら、いいじゃない! ばれなきゃ犯罪じゃなないのだからという名言があるのだらから大丈夫よ」
いやいや、普通にアウトだよね。内の高校は、校則が厳しい上に薄化粧もダメだからな。姉さんと妹よ生徒会に属しているのだからしっかりしてよと言いのだが聞く耳をもたないから。溜息しかでないわ。
「おっはよう、ハルにぃ~。どう、可愛いくなったでしょう?」
そう、自慢してきているのが妹の莉愛。彼女も生徒会で書記を一年生ながら担当している。それでもって、また姉さんと似て成績優秀だし小柄だが容姿端麗でもあると同時ブラコンである。姉さんもだけど…
「いつも通りじゃね?」
「もう、そこは可愛いって言ってよ! ハルにぃのバカ!!」
と言いながらパンを加えながらテレビのチャンネルを変えた。てか、変えられた。
「もう、ハルにぃは十分みたでしょ!今度は私たちの番なんだからね」
「そうようね~所でそろそろ家でないと遅刻するわよ。はやく、弁当を鞄に入れていくわよ!」
「「 了解!! 」」
返事をして早々と弁当を鞄に入れて俺たちは家をでた。
そうして、学校に着くなり男子立ちに凄く睨まれる。本当に溜息しかでないわ。姉さんは、莉愛を連れて生徒会室に向かった。
「おはようさん、遥! そんなに溜息ばっかついてたら幸せが逃げるぜ」
「そうね、太一の言う通り幸せが逃げるわよハルちゃん」
「おはよう、太一・涼音。てか、ほっとけ!いつもはついてねぇだろう。」
今、声掛けてきた二人は幼馴染の山中太一と音羽涼音だ。この二人もまた、イケメンと美少女だ。うん、以上。
「ちょっと、説明雑すぎない!?」
「だって、面倒くさいもん」
「その面倒くさがる性格はよくないぞ。てか、もんって女子か!」
そんなバカな話をしながら歩いていると教室について扉を開ける。
「おっはよう、遥! 涼音!それと、太一も」
「おはよう、沙耶」
「おはよう、沙耶。所で昨日の電話何だったんだ?」
教室で声掛けてきたのは、中学から一緒だった小山沙耶だ。重度のゲーマーである。てか、姉さんや妹、太一、涼音達もゲーマーである。
「相変わらず、俺は次いでだな。そういや、朝のニュースで見たんだが明日から正式稼働らしいな! ワクワクしてきたぜ!」
「そうね、すっごく楽しみだわ!」
「そのためには、夏休みの課題を即急にやらねば」
彼らが、話しているのは今朝のニュースでやっていた「フリークロスアーツ」のことだ。なんでも、世界初の試みでβ版から人気が沸いて明日正式稼働のことだが俺にとってはどうでもいいことだ。なんてったってゲーマーではないし興味もない。
「あっ、そうだった。昨日の電話は寄り道せず真っ直ぐ家に帰ることって伝えようと思ったのは良かったんだけどスマホのバッテリーがかけてる途中で無くなちゃって。えへへ!」
「それ、姉さんにも今朝言われた。てか、いつも寄り道すんの沙耶だろう!」
「えへへ」
「えへへ、じぇねぇよ! てか、一体何があんだよ」
「ハルちゃん、それは、ひ・み・つ!」
最後にウインクして涼音は席についていった。その他のやつらも。
「遥、照れてるね~。可愛いね~」
「五月蠅いぞ、沙耶!」
長い長い先生の話と終業式が終わりようやく夏休みが始まる。
「さてと、学校も終わったことだし帰るか」
「そうね、寄り道せずにね」
「あぁ、寄り道せずにな」
「そうそう、寄り道せずにレッツ西園寺家へ」
なんで、皆までして言う。てか、俺の家に来る気満々じゃん。
「本当になにがあるんだよ! なんか、怖いわ!」
「まぁまぁ、帰ったら分かるよ」
また、溜息をつきながら皆で帰路に着いた。
「只今ー」
「「「 お邪魔します 」」」
家についたら姉さん達も既に帰っていた。
「お帰りなさい~皆も来たわね。さぁ、早くお入り」
「はーーい、お邪魔しまーーす」
「てか、姉さん達帰るの早くね?」
「たまたま、母さんに出くわして家まで送ってくれたからよ。忘れ物したんだって」
なるほどね、まぁ母さんの忘れ物を忘れるのこれで何回目だよ!後、何の職業してるとかも知らないし。
「そういう事でリビングまで来なさい。あなたにプレゼントがあるのよ」
「プレゼント?」
「そう、プレゼントよ。普通じゃ手に入らないし一緒に遊びたいしね」
プレゼントはありがたいが、怪しさ満点なんだが…まぁ、行ってみるか。
「あっ、ハルにぃお帰り~それと、皆もいらっしゃい!君たちの荷物届いているぜ!」
「お邪魔するわね、莉愛ちゃん」
「お、来たのか。あーー、楽しみだぜーー」
「それしか、言ってないじゃん。さてと、夏休みの間お世話になるわね莉愛ちゃん」
はっっ!! え? ドウイウコト。俺、何も聞いてない。
「あっ、ハルにぃがフリーズしてる」
「あらあら、そんなことでフリーズしてもらったら困るわ」
いやいや、ほかに何がありますの皆様!
「まぁまぁ、これを見ると気分がはれるよ遥」
沙耶は、勢いよく箱から何かを取り出した。うん、つい最近見たことがある黒い物体。その名もVRヘッドギア。
「なんだ、ここは夢の世界なにかか?」
「それは違うぞ、わが友よ! 現実だぞ!そして、それを使って夢の世界に行くんだよ」
「そうよ、遥! さぁ、遥一緒にLACOをやりましょう!」
まぁ、確かに今となっては普通じゃ手に入らないだろうな。もう、在庫切れしてるんだからな。でも、何故それがここにあるのか答えは明白だった。彼らは、重度のゲーマーでCMにもアバターで出たって聞いたしそれにβ版の特典の一つに抽選んで20名様にヘッドギアをプレゼントって沙耶が言ってたのを覚えている。あぁぁ、俺のスロー生活ライフが遠のいていく・・・
「本当にフリーズしてますよ朱音さん。どうするんですか?」
「まぁ、こうなるとは思ってたけど。うーん、ここは私と莉愛に任せて着替えてらっしゃい。それまでには、復活させておくわ」
「分かりました。それじゃ、着替えに行ってきますね」
最後まで読んで下さりありがとうございます。不定期更新ですがよろしくお願いします。