キャンプしよう ③
バーベキューも終わり、夜が深くなる。
私は一向に眠くならないため、テントにも入らず一人で火を眺めていた。現在の時刻は深夜二時。眠くならないとは何事だとは思うが、私は生粋のショートスリーパー体質で四時間も眠れたら頭が冴える。
「深夜二時ともなるともう誰もいないな」
周りにもキャンプに来ているテントがあるが、誰も外には出ていない。
一向に火を見ている私のほうがこの場では浮いているのだ。眠くならないんだから仕方ないとは思うけど。
こういう草木も眠る丑三つ時……。幽霊が現れそうでドキドキするよな。
「って、あれ? 起きてる人いるじゃん」
幽霊だろうかと思ったが、違う。髪はぼさぼさだが、女性が私に近づいてくる。なんていうか、幽霊じゃなさそうだが幽霊に近い女性だった。
手には数珠を持っている。怖いよ。
「あなた起きているのね……?」
「え、ええ」
「この時間は危険よ……! ここは心霊スポットとしても有名なのだから……」
「ご、ご忠告ありがとうございます?」
「私といれば安心よ……! 私、こういうオカルト好きだけど幽霊に取りつかれたことないのよ……ククク」
それは幽霊も逃げ出したいほど怖いからでは?
正直言って私もちょっと怖い。
「そういえば名乗ってなかったわね。私は花井 禊……。ククク……」
「えっと、夢野 眠です」
「夢野……。夢というのはすごいものだわ。悪夢を見たら幽霊に取りつかれてるというものね……。私は悪夢は見たことないのが残念だけど」
「悪夢?」
「私は幽霊に追いかけられたりする幸せな夢しか見たことないのよ……ククク……」
「それ、一般的には悪夢では?」
幽霊に追いかけられるって夢の中でも相当嫌だぞ。
「トイレトイレ……」
と、広瀬先生が起きてきた。
「あら……?」
と、禊さんもそれに気づいたみたいで。
禊さんは広瀬先生の元に行っていた。
「久しぶりね……ミキ……ククっ」
「んあ……? ああ、ミソギ……?」
「ここで会えるとは……。幽霊談義でもしようかし」
「ゆ、ゆゆ、幽霊私嫌いだから!」
「大丈夫。あなたは幽霊が嫌いでも幽霊はあなたのことが好き……」
「ひいやあああああああ!?」
広瀬先生は走って逃げだした。
広瀬先生幽霊嫌いなんだ……。初めて知った。あと禊さん言葉選び間違えているだろ。その説得の仕方だと怖いのは当たり前だ。私ですら怖いもの。
「というか、知り合いなんですね」
「昔ゲームを一緒にしていた仲よ……。ゲームといえど私たちは親友に等しかったわ……」
「本当かな……。避けられてそうだけど」
こんなにも見た目がおどろおどろしいんだから普通に避けられてそうだけど。
「それじゃごゆっくり……。いい、オカルトライフをね……。オカルトに興味があったらインターネットで私を調べなさい……。結構有名だわよ……」
「き、機会がありましたら」
禊さんは去っていった。
そして、同時にコンロの火が消えたのだった。ひえっ。
前作とミソギの苗字が違うって? あはは。わざとですよ。もうこれいったらミソギさんになにがあったかわかるでしょ。
物好きもいるものだ。




