リンネ
第二のミキが誕生します(呆れ)
ゲームにログインする。
一か月くらい何も変化は特になかった。しいて言うならレベル上げぐらいしかしていない。それでもそんなに上がってはいないけど。
あの感染病も終息を迎え、王国にも魔王軍にも平和が訪れている。私以外には。
「汝、我の力を欲するか?」
禁書庫と書かれたところに足を踏み入れ、本を読んでいるとそんな声が聞こえる。
「あんたは?」
「私か? 私はそうだなぁ……。リンネとでも答えておこうか」
リンネか。
輪廻転生……。生まれ変わるということだろうか。
「私は次のリンネになれる人を探している。お前、ならないか?」
「ふぅん」
「強大な力を得ることができるぞ。神になることができる」
うさんくせえ。
神だなんだというのは大方信じない。神になりたいとは思えない。でも、いいな。裏がありそうだけど。裏が何なのかによる。そもそも、リンネとはなんだ? どういう存在だろうか。
「そもそもリンネってなにかな?」
「ふっふっふ……」
「そんな仰々しく話さなくていいから。楽に喋ってよ」
「あれ、バレた?」
「無理してるからね」
「なんだわかっちゃったか」とため息をつく彼女。
リンネか。
「リンネってのはその名の通り死んでまた生まれ変わる概念。私は概念上の存在と言われてるけど元人間……。わけあって本に封印されちゃって。あなたが解いてくれたから出れたけど、二代目リンネを探せって言われてて。あなたならない? 人助けだと思ってさ」
「なにその詐欺師が言いそうなセリフ。そういうこというなら嫌なんだけど」
「いや、デメリットは何にもないよ? ただ自分は死ななくなるということだけで」
「なるわそれ」
「ええ!?」
死なないっていうのは大きなメリットになる。
「ただ種族が変わっちゃうのもあるけど……」
「ええ……」
「でも宙に受けるし! なんなら常時浮いた状態になれるし!」
「たしかにあんたふわふわしてるけど」
「ということで強引に……えい!」
と、黒い何かが私の中に入ってくる。
私の中にあふれ出してくるのは膨大な力。リンネの力だろうか。
「これでリンネはあなたのもの。私はやっと成仏できる。永劫の時を生きるのはもう疲れたんだよ。じゃあね、二代目リンネ」
そう微笑んで彼女は消えていった。
私の体が宙を舞っている。
自分の能力を見ると《常時浮遊状態》と《リンネ》という力が追加されていて、能力も大幅上がっていた。
リンネの詳細を見てみる。
《不死者になれるだけの能力》ということだった。
なるほど。こりゃ便利だ。死なないということは死ぬ心配もしないで済むということだ。ここの人間なら永遠を生きるだけ。でも、プレイヤーは違う。ゲームを辞めてしまえば何の問題もない。
永遠に生きるのはつまらないだろうしな。永遠の意味もない。
「でもこれ結構ぶっ壊れだろ。死なないってもう強すぎるだろうが……」
だとすると、結構厳しめな条件があると思うんだけど……。
うーん。見当つかねえや。
リンネの手に入れ方
実行犯じゃなくてもいい。味方が殺害した人数合わせて一万人以上のNPC殺害
これを満たさない限りリンネは取得不可能、リンネの力に負け死にます。
あの街に9800人ぐらいいて、あの商会に200人従業員がいました。ぎりぎり足りたっていう感じかな?
ただプレイヤーを殺したらダメです。NPCだけです。あくまで。




