泣き叫ぶ幽霊船 ③
私は厨房から出ようとすると、茶色い粉が落ちていることに気づく。長年放置されていたから茶色くなったんだろうが…。
これはなんだろう。この粉は小麦粉…とは思えないな。オーブンなどのものがないとなると小麦粉を料理するとは思えない。
白い粉がこんなに大量…。
「…麻薬か?」
もしかするとこの粉は麻薬だったんだろうか。
「もしかしてこの船って麻薬密輸船…?」
麻薬を使用していたやつがカニバリズムを始めたのだろうか。そう思うとちょっと怖いな。本当にホラーだよ。
だがしかし、ここまでホラーだとなにかいるな。
私は粉を払い、振り返ると…。
「…ハロー」
「ぐががっ」
手には包丁を持った鬼がいた。
料理人の服を着て、今にも切りかかりそうな鬼だ。なるほど、逃げろということか。私はダメもとで魔法を放つが、躱されてしまう。
すると、その鬼は包丁を持って追ってくるのだった。私は走ることにした。
「ホラゲーよろしくってことか! あれはきっと麻薬を使いすぎて魔物と化した船員だろうなぁ。麻薬中毒って怖いからなぁ」
幻覚が見えて人を襲うこともある。
麻薬の怖さは知っている。使用したことはないけれどね。大麻とか覚せい剤とか持ちたくもない。だがしかし、麻薬中毒者が犯した事件は頭に入れていたりもする。
「ちぃ、追ってくるか」
私は氷を張り、鬼を転ばせる。
私は甲板を走り抜け、階段を駆け上がり、下に降りる階段があったので入っていく。その階段を下ると船室がたくさんあった。床には穴が開いており、不気味さを感じる。
ここまで来ると追ってこなくなっていた。
「とりあえず入れる船室だけ探っていくか」
船室の前の廊下も穴が開いていたりして、入れないところもあった。
とりあえず手前の部屋に入ると机の上に日記が置いてある。私はその日記を手に取り、読んでみる。少々古びており文字がかすれていたりするが読める。
「誰かが麻薬を密輸していた。料理人が麻薬をつかった。俺の友人が料理人に殺された。次は俺かもしれない…。なるほど、料理人がそもそも殺人鬼だったのかもなぁ」
殺人鬼が本物の鬼となったのだろうか。
この世界では麻薬は本物の魔物になるっぽいな。あまりにも使いすぎると。心が醜くなったから魔物ということなのだろうか。
あの鬼は確かに生きていた。
「あの料理人は次の夜でかい包丁を持ってやってきた。咄嗟にベッドの下に隠れた…。どうやらあいつは屈めないらしい」
「どこかの下に身を潜ませろってことか」
だが、廊下は身を潜ませるところはない。となると逃げるときは船室に逃げ込めということだろう。
本当にホラーゲームみたいだな。とりあえずどうやったら私たちの船を解放できるか調べないとな。




