ドジっ子伊東くん
伊東は顔が整っているほうであり、甲地までとはいかないが結構イケメンなほうだ。
で、月乃は両親の顔のスペックが高いせいか、月乃自身美人の顔より。いや、見た目めっちゃ高圧的で女王様って感じがするいじめっ子みたいな顔してるけどそれでも美人の類。
そんな私が二人と歩いていると見劣りするのは事実だよなぁと思いながらデパートに来ていた。
「…すまん。あそこで転んだから」
「あんたって見かけによらずドジなのね…」
「…前の学校もドジでやらかしてこっちに来た」
「…なにしたの?」
「吽神家のお嬢さんに紅茶をぶちまけてしまった…。アツアツの…」
ご愁傷さまです。
でもあの吽神さんは気にしていなさそうにも思えるが。結構のほほんとしたような人だし、ただただ転んだだけとわかれば許してくれそうな気もするが。
「魔子が怒ってるの? 話つけてあげるわよ?」
「いや、吽神さんは許してくれたんだ。足下危険だから注意しろって言われただけで…」
「…その周りか」
「…ああ」
吽神さんはたしかにみんなに慕われている感じだからな。熱狂者もいるのだろう。そんな子たちを敵に回すと、やはり危険なわけで。
吽神さんに紅茶をぶちまけてしまったせいで居場所がなくなり落ちこぼれ扱いされたのかな? なんていうか、ちょっとかわいそうっつーか。
「だから…。おれは金持ちともかかわるつもりはなかった」
「あら、私ならいいわよ? 黙らせるから。物理的に」
「白露を使って? それとも私が追い込むの?」
「白露を使うなら白露が停学になるじゃない」
「私ならいいの?」
「あんたなら適当に理由でっち上げてでも停学にならずに済ませるじゃない」
何その信頼感。
さすがに証拠をでっちあげることはあまりしたくないし、いじめてないとわかれば追い込むのは相当厳しい。
いじめじゃなくとも、万引きなどの犯罪行為を見つけなければ追い込むのは不可能だ。
「なぜ停学や退学まで追い込む前提なんだ…」
「さて、服屋についたけど…。結構男物の服ってあるのねぇ」
ほう、今日はちょっと男装してみるか。
メイク道具は変装道具としてカバンに詰め込んであるし私の腕次第で男に見せかけることも不可能じゃないよな。
私にあう男物の服探そう。身長は164cmくらいだしその気になればコーディネートできるはず!
「私これとこれかおー」
「あんた女じゃないの…」
「いいのいいの。ちょっとトイレ行ってくるねー」
私は買った服をもって変装することにした。
ふっ、男に見せるメイクか。初めてやるが…。たぶん大丈夫だろう。なんつーか、ショタっぽい感じがいいかな? 目つき鋭くさせて俺様系でもいいけど、それは高身長じゃないときついだろう。
ふふ、月乃を驚かせてやろーっと。




