私たちの弱点
結構な重装備を固めたプレイヤー四人が目の前に立つ。
「やっとボスについた…。だれだ」
「はいはーい、私たちでーす」
私がそういうと、四人のプレイヤーは悲観しているような目を向ける。
まだダメなのか、またダメなのか。心が折れている気がするのだ。運営もまあ意地悪なことをする。でもま、活躍の場を与えてくれたことは有難い。
「ま、そっちは四人、こっちは三人。人数で言えばそっちの方が上なんだから頑張れば大丈夫だよ」
「……前置きはいいだろう」
「そうね。さ、戦いましょうか」
四人は剣や杖を構える。
私はまず弓を引いた。そして、狙いを定め、弦をひく。そして、一閃。魔法使いの頭に命中し、魔法使いが吹っ飛んでポリゴンとなって消えていく。
ひ、ひえー! ワンパン! いや、魔法使いという職なら体力は少ないし元の防御もないだろうから物理攻撃にはめっぽう弱いんだけど……。それでもこの威力か。
「この弓やばいな…。使わんとこ」
私は魔道銃を構える。
剣士は切りかかってくるが、ワグマの大剣によってはじかれる。が、その隙に一人の剣士が切りかかる。ワグマは多少ダメージを負ってしまったが、如何せん、硬い。防御貫通攻撃でもない限り大ダメージは狙えないだろう。
「う、うあああああ!」
「悲鳴を上げたところでどうにもならないさ。でもこれ勝てるのか? さすがに運営やりすぎじゃないだろうか」
「いや?きちんと作戦を立てれば私たちに勝てるよ。ま、私たちの弱点を見抜けたらだけどね?」
私は既に分かっている。
実はというならば、一番攻略が簡単なのは私、その次はワグマだ。ワグマ自身防御貫通攻撃されたらどうしようもないし、私の先読みは相手と多少なりとも会話をするか、相手をよく観察しなければほとんど使い物にならない。で、運動センスがゼロだからな。
で、一番の最難関はビャクロ。あいつは遠距離攻撃でも自身の戦闘スキルでどうとでもしてしまう。一番センスがあるから、時間がかかるのはビャクロだ。
私なんかいきなり攻撃されたらすぐ死ぬぞ。
「あっ!」
すると、剣士の一人が私に切りかかってきた。
私は一撃を受ける。今の一撃で瀕死に近いとかなんて脆いんだ私は。
私は魔道銃を向け喉元をうつ。
相手は吹っ飛んでいった。この至近距離ならば躱せまい。油断してたよ。私自身戦闘のセンスはほとんどないからこういうの躱せないんだよほとんどは。
先読みしたら躱せるけどね。ただあくまでこうするだろうという推測だから動体視力は関係ないんだよな。
「何してるのよパンドラ!」
「ごめん油断してた…。でも、一人撃破」
先ほど喉元をうったプレイヤーがポリゴンとなって消えていく。
あと二人。
残りの二人はワグマとビャクロが終わらせたのだった。




