ヘッドギア購入
ゲーム店にいくと。
「たまにはIUO以外のゲームもしたほうがいいのかしら……」
と、ゲームのパッケージを手に取って眺めている月乃がいた。
「お、月乃じゃん」
「ん? あんたらなにしてんの? ってかもう帰ってるのね」
「月乃まだ制服なのかよ……」
月乃が制服姿のままゲームを眺めていた。
「どしたの? なんか買いに来たの?」
「ん、白露のヘッドギアが壊れたから買いに来た」
「ヘッドギアが…? あんたメンテナンスとかしなさそうだものね」
「いや、メンテナンス以前の問題でめちゃくちゃ古い」
そういうと、唖然としていた。
ちなみにどういうの? と聞いてくるので、私は携帯で調べて画像を月乃に見せると、納得がいったようだった。
「あんた今までこれでやってたの……。誘ったときには自分のあるとか言ってたけどこれなのね…」
「い、従兄のお下がりでもらったものだからな」
「それでもこれ十年以上前の型じゃない。よくこれであれだけ大暴れをしたものねえ」
このヘッドギアであれだけ動けるんなら最新のにしたらものすごいことになりそうだ。
「しょうがないわねぇ。たかだか十万ちょいでしょ? 買ってやるわよ」
「たかだかって金銭感覚おかしいぞ」
「それ今に始まった事じゃないでしょ」
月乃自体金銭感覚麻痺っていうか、死んでるってレベルだからな。
お金を払えば実質無料って思ってそうな人だし。いや、たぶん少なからず思ってる節はなんとなくあるだろう。
「ま、最新のつかっときゃいいわよ。これね。じゃ、持ってくわ。ああ、ちゃんとメンテナンスしなさいよ。メンテナンスしないと壊れる可能性もあるんだからね」
「うぐ……。そういう細かい作業苦手なんだ」
「苦手つってもやんなきゃだめだし。ま、私はめっちゃ細かくメンテナンスしてるけど」
「あんたそういうのはめっちゃくちゃ細かいものね。普段大雑把なのに」
「自分使うもんは嫌でも細かくなるって」
離しているうちに月乃は払い終えたらしい。
「じゃ、パン子データの引継ぎとかしてやりなさいよ」
「へいへい」
私は白露の家に戻ることになった。
で、日が暮れ午後八時くらい。
「あーもう、データの引継ぎで二時間くらいかかった!」
「夜遅くまで済まない」
「いいよ。じゃ、私帰るから」
「夜遅い。危ないから送って…」
「そんな危険な目に遭うようなタマじゃないから大丈夫だっての。じゃ、ばいばーい」
私は白露の家をでて、帰路につく。
私をストーカーするようならタダじゃおかないし、そもそも私のことを知ってる奴らなら尾行するわけがない。
つけられてるような気配もないから大丈夫だろう。
いや、今日は本当に疲れた。けどバレンタインイベント終わるまであと四日。金のクッキー何枚集まるかなぁ……。




