さぁ、どちらか選びなよ
明日の更新めちゃくちゃ重い話になります。
大弓を引き絞り、放つ。
空気を切り裂く矢は一直線に敵の軍勢の前に言った。一人に突き刺さる。もちろん魔法付与した矢だ。これも本で出来ることを知ったし、エルフ先生に教えてもらいました。
「3、2、1、どっかーん」
今撃ったのはニトログリセリンもどきを塗った刺さると爆発する矢。
私は危険じゃないのかというと、これは所有者である私が触れても大丈夫なように魔法をかけた。そもそも、私が危ないんじゃ使わない。
さて、連射連射連射っと。
「はあああああ!」
ワグマは堅実に大剣で一人一人対応していっていた。
ビャクロは、爪で剣を止め、体をひねり攻撃をかわし、相手の懐に潜り込んでそのまま爪で切り裂いている。こういうと簡単そうに見えるけどビャクロさん体術相当やばいです。
「こういうのもなんだけど楽しいわね! ただただもうカルマ値溜まっているわよねえ!」
「こんだけ悪いことしてるからな。溜まっていないほうがおかしいだろう」
「同感。まぁ、死ななきゃいい。死ぬんじゃないぞ?」
「お互いね」
そうして戦っているうちに、残りは数人となった。
数人は瀕死の状態で残してもらうことした。なぜか? 交渉するため。
縄で縛られたプレイヤーは、こちらを睨んでいる。何か悪いことでもしたのか?
「もうわかったでしょ? 魔王たちに敵うわけがないって」
「……死ね」
「悪口にひねりがない。0点」
「ムカつく野郎だな……」
捕らえられている男は舌打ちをした。ちっと私たちにも聞こえるような大きさで。私たちを煽ってるだけだろうけどその程度で私たちが怒るわけがないだろう。
こいつが先導していたしリーダー、もとい主犯とみて間違いないだろうな。
「さてさて、約束しようじゃないか」
「あんたらみたいな外道と約束する筋合いなんて……」
「何言ってるの?」
私はナイフを取り出し、足下に突き刺した。
「喧嘩ではこちらが勝ったんだ。筋合いはあるんだよ?」
「……んだよ」
「まず手始めに……。私たちを殺そうとしない」
「んなもん守れるかってんだ。魔王は討伐されるのが役目だろうが」
「それはもっともだ。けど、その役目はあくまで物語の中の話だよ。これは物語じゃない。私たち自身が創り出したものだ。だから、その理論は通らない」
「…………」
「うすうす思ってるんだけど君、結構賢いよね? 今でも自分たちと私たちを公平にするような条件を考えてるでしょ。あわよくば自分たちに優位なほうにいこうと模索しているでしょ?」
「……はぁ」
ため息をついたのはあちらだった。
「バレてんのかよ」
「むしろばれないと思った? そこまでバカじゃないよ」
「……ほんと癪に障るやつだな」
そらそうだ。煽るためにやってるんだもん。
言葉選びも煽るためだしね。
「それじゃ二つ目。もちろん負けたからには弁償金も必要だよね? だったら一億ぐらいで手をうってあげるよ。一億で水に流してあげる」
「なっ……! それは明らかに……!」
「ぼったくりだって? そんなわけないよ。むしろ、一千万とかで済むと思ってたの?」
「だが……!」
「だがもなにもない。私たちが勝ったんだ。いうことは聞いてもらう。もし、これでいうことが聞けないんならその時は冒険者ギルド……いや、このゲーム自体を壊してあげようかな」
「そんなの、できるわけっ……!」
「できるよ。私は、そういう計画も立てられるからね」
このゲームを壊す。つまり、このゲームを台無しにしてやる。
みんながゲームをしてる理由は楽しいから、現実から目を背けられるからとかいろんな理由があると思う。だったらその間逆の環境にしてやればいい。
つまらなく、現実を見せてやればいい。NPCもマインドコントロールなんかして操ってしまえばこっちもんだ。民衆の心を掴むことなんて簡単なんだからさ……。
「選ぶのは君自身だよ。ほら、早く選びなよ。君が一億の借金を背負って生きていくか、プレイヤーみんなを道連れにしてこの世界を終わらせるか。選びなよ」
「……俺が、一億背負う。それでいいだろ」
「よくできました。それじゃ、帰っていいよ」
私は、そのままナイフを突き刺した。
「なっ……! 生かしてくれるんじゃ……」
「一言もそんなこと言ってないよ。勘違いしたお前が悪い」
「狂ってる……。あんた頭おかしいよ……」
「結構結構」
そして、そのプレイヤーも消えていった。
「はい一億確保」
「えげつないわね」
それほどでも。
パン子さんは天才で、壊れています。
その気になればゲームを終わらせることも可能だったりするかもしれませんね。




