プレイヤー対応戦
翌日。私たちは魔王城の前で待機している。
冒険者プレイヤーが私たちを倒そうとしていることは知っている。きっと策はあるんだろう。賢者をどうにかしてしまえば同じだからな。
数の暴力に訴えるつもりか? それは予測できない。けど……。いいのかな。こっちには私がいるんだよ? もちろん、相手の思惑通りには行動してあげないよ。
待っていると、人の姿が見えてくる。
ワグマたちは息を飲んだ。私は、結構多いなって感想しかわかなかった。この程度の数ならば大丈夫だろう。森の賢者がいなくとも、大丈夫だ。
すでに罠は設置してあるからね? ふふふ……。あはは。
「せいぜい私を楽しませるほど、暴れてくれるかな?」
滾ってきた。逆境こそ、燃える。
「来たな」
「見たところ有名なプレイヤーも交じってるわね」
「有名だとしても私たち全員知らないけどね」
有名だ無名だなんてどうでもいい。
ほら、魔王を討ち取って見せろよ。君たちは正義のヒーローになりたいんだろう? なら必死にあがいてくれ。
私は面白おかしくそれを眺めてやる。偽善者ぶった正義のヒーローさんたち。
「ということで、まず手始めに肩慣らしと行きますか」
もちろんこちらも無策ではない。
まず出鼻を挫いてやるとしようか。私は、昨日あるものを作っておいた。そのおかげで寝るのは三時くらいになってしまったけど……。
でも、素材があってよかった。調合本を見ながら調合していたから上手くできるかどうかだったけどね。
冒険者はこちらにかけてくる。そして、その瞬間爆発した。
その爆発で数人のプレイヤーがお陀仏になったようだ。うわぁ、威力すげえ。
「なにあの爆発!? 魔法!?」
ワグマは驚いて私に聞いてくる。
「魔法じゃないよ。ワグマも知ってるものを作っただけ」
「……地雷だね」
ミキ先生が答えてくれた。
そう。地雷。踏んだ衝撃で爆発する地雷を設置しておいた。ワグマたちも踏んだら死んでしまうけどもとよりこちらで応戦するつもりだったし、回収するのはエディットにアンデッドを召還させてあちこち異動させまくって爆発させればいいし楽。
「地雷作ったの……」
「私が無策で対応するわけないでしょ?」
「やっぱりね……。でも、地雷すごいわね。次々踏んでいくわ」
「地雷探知機もくそもないから勘で避けるしかないもん」
まぁ、地雷だけじゃ心もとないので私は弓矢を放つ。
痺れ薬を塗った矢だ。冒険者に次々刺さり、麻痺していく。片足で立っている人とかいて、動けなくなっていた。
そして麻痺が解けたかと思うと、足をついてしまい、爆発。
まぁ、地雷だけが攻撃する手段ではない。なにより、踏まないで来る人もいるだろう?
「ということでミノタウロス!」
「モォォォォォ!」
ミノタウロスが叫ぶと森の魔物が次々出てしまって爆発させていく。
ミノタウロス先生が威嚇をしたことにより怯えて逃げる際に踏んでいく。地雷全部なくなるだろう。でも、それだけじゃないよ。
数少なくなった冒険者は私たちでも簡単に相手できるしね。
「それじゃま、私たちも戦いますか」
私は弓を、ワグマは大剣を、ビャクロは拳を構えた。




