その後
悪夢みたいな出来事が終わり、私は地上へ出る。
アデュランも疲れた様子で商会の奴らを連行していき、私はローキッス、カイハと一緒にニホン国でワグマたちを探していた。
ワグマならきっと来るんじゃないかなぁと思うからな。
「あ、いた。おーい、ワグマ……」
と声をかけると、二人が一気にこちらに距離を詰めてぶん殴ってくるのだった。
「いでええええ! なんで!? てか物理攻撃効くの!?」
「あんたよくも来なかったわねこちとら大変だったのよ……?」
「どこ行ってたんだ? おい」
「物理攻撃効くのはあれよ。いつきてもいいようにとってきてもらったのよ。魔法攻撃グローブを」
なるほど。それで物理攻撃が……。いや、そうじゃない。
「私だって対応してたよ! ていうか、元凶止めたの私たちだからね!?」
「あら、そうなの?」
「てっきりどこかで呑気に素材集めしてると思ってたぞ」
どんだけ信頼ないんだ私!?
私はとりあえず一から説明すると、納得したようでそんなことがあったんだと納得していた。私はあまり釈然としない。謝られてねえ…。
私は立ちあがらず、そのまま地面にお絵かきを続けていた。ふてくされるよもう……。
「魔の森からも結構な数が来たから苦戦したわ。もうとうぶん戦闘なんかしたくないわよ」
「あ、そう……」
「悪かったわよあんたの言い分も聞かないで殴って。そんなふてくされないの」
「悪かったよ」
「うるさい! 私の心は永遠にわかるまいッ!」
私の頑張りが否定された気分です。ぐすん。泣きたいです。いや、泣かないけど。
とりあえずもう悪夢は発動することないので一安心だが、地上はこの惨劇か。ニホン国を守る王都の門が破壊されている。
それに、建物も結構壊されている。やはり無事ではすまないか。
「被害は?」
「金で言うと十億六千万ぐらいじゃないかしら? なんとなくだけど」
「まあ、十億ぐらいですんだって考えるべきか」
「そんな金あるのかしらね?」
「寄付してやったらいいじゃん」
「そうね。もう金稼ぎなんてしなくていいぐらいにはあるししてあげるわ」
よっ、太っ腹!
だがしかし、それでも人件費とかもありそうだしな。冒険者たちも数人は死者を出していることだろうし……。人手が足りるかは心配だ。
魔王軍でもちょっとは手伝いに行かせるべきかな。
まあ、私がやったことがいいことを言ってもあれなので結局は月乃の指示で決まるけど。
「とりあえず今日はログアウトするわ…。なんていうか、ものすごく疲れたのよ」
「私もだ」
「みんなログアウトする感じ? なら私もしよ」
私たちは魔王城に戻り、三人でログアウトするのだった。




