高級マンション最上階の住人 ①
私は目の間に聳え立つマンションを眺める。
「……ホテルじゃないのか?」
「いいたいことはわかるわ。とりあえず中に入りましょう」
「こういうところすみたいなぁ」
私たちはとりあえず中に入る。
セキュリティもすごく、オートロックで中に住んでる人の許可なしには入れないみたいだ。ただ、この物件は阿久津家で管理しているらしく、月乃はマスターキーを持ってるのでいともたやすく入れるらしい。
月乃の後ろで一緒に入っていく。一階にはなんとホテルのフロントみたいな人がいる。コンシェルジュのようだ。
「月乃様。本日はどのようなご用件で?」
「お礼を言いに来たのよ。自分で行くから案内はいいわ」
「かしこまりました」
私たちはエレベーターまで歩いていく。
このマンションは百階建てらしく、一番上の最高級の部屋から眺める景色は絶景ということだ。
で、このマンションの家賃はなんと二百万らしい。お金持ちって怖いよな。それも上の階にいけばいくほど高いらしい。二百万はあくまで最低価格ということだ。
「私じゃここの家賃を払うの難しそうだなー……」
というか、ここのマンション自体が結構異世界みたいに感じる。
わりとマジでこの金銭感覚にはついていけない。私が知ってる人がここにいるとは思えない。が、いるらしい。どうやら最近百階に越してきたらしく、とてつもないお金持ちだとか。
お金持ち、月乃ぐらいしか知り合いいないけど。
「あら、誰かのお友達かしら。こんにちは」
「あ、こ、こんにちは」
「こんにちは」
ペルシャ猫を抱えて歩く婦人。
マジのお金持ちみたいだ。典型的なお金持ちの図だったよ。見たところ手には宝石があしらわれた指環があり、気品がある。マナーがあるようだった。
マジの庶民ですいません。いや、ほんと。
「金持ちって意外と優しいのか?」
「金持ち喧嘩せず、よ。つっかかってくるのは現状に満足いってないやつだけよ。みんな満足してるのよ」
「へぇ……」
「さて、エレベーター乗り込むわよ」
私たちはエレベーターに乗り込んだ。
エレベーターがすごいのは透けているのだ。後ろが。どんどん上がっていく様子が見える。地面がどんどん離れていくのだった。
ただ、結構速い。1階から100階にいくのは相当時間かかると思っていたが結構はやめにつきそうだ。
「と、もうついたわ。技術の進歩よ。エレベーターも階数に応じて速さが変わるの。でも振動は少ない。これってすごい進歩だと思うのよ。待つこともあまりなく、揺れない。エレベーターで酔う人が少ないわ」
「へぇ。そんな技術があるんだな」
「そんなことはいいよ。誰が住んでるんだろうな」
「知ってる人って言ったじゃない」
知ってる人、ねぇ。
自慢じゃないが私は知人というものが少なく、連絡できる人、知ってる人は少ないと思う。それに、月乃以上の金持ちなんて見たこともないぐらいだ。
すると、月乃は玄関の前に立って、インターホンを押した。中から女性の声が聞こえてくる。
「はー……って月乃ちゃん?」
「え、ミキ先生?」
ミキ先生がここの住人ですか!? マジで?




